蛇棺葬 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823143

感想・レビュー・書評

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  • 旧家に引き取られた「僕」の幼年時と、成人後の怪奇現象の話。
    後編の「百蛇堂」未読のまま、蛇棺葬のみを読んだ感想を書いている。

    愛人の子供として旧家で育つ主人公の境遇は厳しいが、その中で唯一可愛がってくれている民というおばあさんとの交流はほっとする。
    幼年時は祖母、成人後は義理の母が亡くなり、いずれも遺体を洗う「百蛇堂」内で死体が消えるという怪現象が起こる。
    どちらの謎も、一応後編で説明をつけているものの、やや謎が残る。
    犯人とされている身内の反応に納得がいかない。

    それから、主人公は祖母の葬式の前に、百蛇堂に誤って迷い込み、そこで怪奇現象に出会うのだが、それについては全く説明なし。

    もちろん子供が見た悪夢という一言でも説明はつけられるのだが、私は、子供の「僕」が、大人の「僕」が遺体を洗う場に迷い込んでしまったような、そんな印象を持った。
    そんなSFではなくとも、子供の「僕」が迷い込んだ時、実際に誰かの死体が洗われていたという可能性はあるのではないか。蛇のような何かが滑る音は、縄で死体を洗う音とすれば説明がつく気はする。

    また、青年期の「僕」が死体を洗い終えた後に、何者かの気配を感じて燭台を振り回すシーンがあるのだが、それで民を殺めたのではないかと心配している。

    暗闇の中で死体を洗う描写や、何者かに襲われる描写が相変わらずうまく、怖い。

    後編に期待。

  • いろいろ謎が残ってしまって、少々もやもや。
    砂川家はどうなったのか、百巳のおじいさん?の因縁はなんなのかとか、これは続きを読まないとはっきりしないのかしら。

  • こわー。
    あ、でもしっかりミステリでもあります。
    でも、こわー。
    特に主人公の湯灌シーンがな……。

  • 2017.05.09

    『のぞきめ』に続き、2作目を読了。
    田舎にある古い仕来りのある忌まわしい名家、地方独特の葬儀、山の中、排他的な田舎の人たち…などなどのぞきめと同じじめじめと湿った部分が多々ありました。
    とにかく死を『穢れ』としている部分は同じですね。
    結局、『あれ』とは…すっきりしないまま終わりましたが、こういうものなんでしょう。
    (と、思ったら続編があるんですね)
    『黒屍の島』『屍鬼』などの小野不由美さんのミステリが好きならとても楽しめると思いますので、ぜひ読んでみてほしいです。

  • 坊、泣き虫ですぐ寝込むのでイライラした。

    が…なかなか恐かった。
    最後の動機がイマイチだったが、全体的には怖い雰囲気出てた。

  • ホラー?ミステリー?
    文章が読みづらくて世界観に入っていき辛い。

    続く「百蛇堂」のなが~い前振りとなる一冊。

  • ホラー?ミステリー?
    文章が読みづらくて世界観に入っていき辛い。

    続く「百蛇堂」のなが〜い前振りとなる一冊。

  • 古びた山村の旧家で起こる、「死」をめぐる恐怖体験。前半は子ども時代の恐怖体験、後半は大人になってからの葬儀がメインです。前半は舞台が特殊なので説明も多く、入り込むまで時間がかかりましたが、後半の「葬送百儀礼」は身も凍る様な恐怖に引き込まれました! 9割はホラーですが、密室トリックの謎解きもあります。しかし、死が呼び寄せるものに対する圧倒的な恐怖が全体を支配しています。百蛇堂が夢に出てきそうで怖いです。

  • うーん。。
    たっぷりと和のホラーを味わいながら読んでたら、最後に急に推理小説の謎解きみたいになってちょっと唐突感が…。
    どっぷりホラーのままで締めてほしかった気がするのは僕だけ?

  • ミステリーというよりはホラーとか民俗学よりだな。でも引き込まれるような展開はさすがですな。ついつい一気読み。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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