スイス時計の謎 (講談社ノベルス)

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著者 : 有栖川有栖
  • 講談社 (2003年5月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823167

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有効な左矢印 無効な左矢印
有栖川 有栖
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スイス時計の謎 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • 粒ぞろいの本格推理四作品。
    中でも表題になっている「スイス時計の謎」は論理クイズを解く様な感覚の純粋推理もので、ちょっと複雑な「頭の体操」っぽい。
    密室殺人の「シャイロックの密室」は一人称複数視点?という面白い叙述手法でかつ倒叙の作品であり、完全犯罪を巡って用意周到な犯人と頭脳明晰な探偵の対決が見られるかと思いきや、犯人があっさり投降してしまい残念。..が、倒叙から完全犯罪と徹底対決を期待した読者を軽くいなすというある種のパロディだと解釈した。
    その他、猟期殺人「的」だけどちゃんと合理的な理由がある作品や、私も大好きなロックミュージックが絡んだダイイングメッセージものもあって短編集としての四作品のバランスも素晴らしい。

  • 「国名」シリーズで、4つの短・中編が収録されています。

    ◆あるYの悲劇
    このお話は以前、アンソロジーで読んでいました。

    マイナーなインディーズバンドのギタリストがエレキギターで殴殺されてしまう。
    被害者が死ぬ寸前に口にした「やまもと」という言葉と、壁に書かれた「Y」の文字は何を意味するのか。

    ダイイングメッセージである「Y」は↓(下矢印)を表していた。
    私も下矢印を書く時は縦棒を先に書く派なので、違和感はありませんでした。

    山崎と書いて「やまもと」と読むとは勉強になりました。
    山崎の読み方が分からなくても「Y」の暗号は解けるので、フェアといえばフェアかな。

    ◆女彫刻家の首
    女彫刻家が殺されてしまう。
    被害者の首は持ち去られていて、代わりに彫刻の首が置かれていた。
    犯人が首を持ち去った理由は何なのか。

    「バイバイ・エンジェル」を読んでいたので、首を持ち去られた理由の見当は何となくつきました。
    今回のケースでは、被害者のヘアスタイルが変わっていたことを隠す為でした。

    ラストで犯人達は死んでしまいますが、火村先生のセリフが印象的です。
    さすがは、無神論者。

    ◆シャイロックの密室
    倒叙もので、犯人が如何にして密室を作ったのかを当てる内容です。

    犯人の職業柄、ですかね
    それにしても、磁石の力は凄いです。

    完璧と思われた犯行も、火村先生に掛かればたちまち見破られてしまいます。
    犯人、凹むよな(笑)

    ◆スイス時計の謎
    表題作。
    中編なので、ボリュームがあります。
    このお話では、アリスの過去についても触れています。

    一人の男が殺された。
    現場でガラスの粉が発見されるが、正体は時計の風防(ガラス)らしい。
    何故、被害者が嵌めていたと思われる時計が持ち去られたのか。

    犯人は被害者が行こうとしていた「リユニオン」に集まっていたメンバーの中にいた。
    「リユニオン」は高校時代のクラブ仲間で結成されていて、お揃いの時計を持っている。
    アリスも彼等と同じ高校に通っていた。

    ここのところ変化球のあるトリックが多かったように思いますが、当作は正統派のロジックです。
    消去法で犯人を見つけています。

    アリスは初めて書いたラブレターを好きな相手に渡したが、失恋してしまう。
    その夜に小説を作ったことがキッカケで、今の職業に就けた。
    以上のことは、「ダリの繭」で知りました。

    まさか、ラブレターを渡してすぐ女のコが自殺を図っていたとは思いませんでした。
    そりゃあ、アリスは凹むよなあ。
    アリスの想いが引き金になったのか、それともアリスの想いは死への衝動を止められなかったのか。

    幸い、彼女は生きていて、アリスの小説を読んでいるようです。
    その話を聞いて、マンネリ状態に悩んでいたアリスは、自分は書くことが好きで小説家になったことを思い出します。
    結果オーライでしょうか。
    アリスと彼女が再会する日は来るのかが気になります。

    余談ですが、アリスを美少女って(笑)
    日本人ならば、アリスという名前に幻想を持っても仕方ないですけどね。

  •  あとがきにもあるとおり、収録作品はみんな、いわゆる本格ミステリて感じでした。
     『あるYの悲劇』の謎の1つは、何となく分かった。
     あと、『スイス時計の謎』みたいな、ロジックの問題、大好きだけど、頭が悪いから、自分では全然解けん…。

  • 表題作は、
    まさに時計がキーポイントになる作品。
    なぜに仕立て人は、被害者の時計を
    持って行かねばならなかったのか。

    犯行理由はこれはね…
    運が悪いとしかいえないけれども
    結局のところ一線を越えてしまわなければ
    決して不幸には陥らなかった。

    けれどもそれをよりによって…
    この後が悲しいんですよね。
    有栖川の取った行動。
    彼の気持ち、とっても理解できるよね。
    かつては友だった人間は
    ある事件によって、ひびが入ってしまった。

    成長して、黒い側面を知ってしまった彼らには
    もはや高校時代の純真さは
    微塵もなかったのでしょうね。
    それが欠席の人の言葉で身にしみてわかった
    気がします。

    倒叙作品は秀逸ですね。
    火村先生にたてつくと、バーンですよ(笑)
    密室にはできたけれども
    その道具は強力なもの過ぎましたね。
    何せ、それのせいで、人が死ぬんですからねぇ。

    個人的には、
    あっという間に紐がほどけてしまう
    「あるYの悲劇」が好きです。

  • 国名シリーズ7。短編集。
    最後の種明かし?は論理パズルで楽しかった。

  • 作家アリス国名シリーズ7作目。
    「あるYの悲劇」いきなりアリスがセンチメンタル。この34歳独身男の哀愁が人間臭くて好きです。この作品は他のアンソロで既読でした。
    「シャイロックの密室」犯人の視点から描かれた倒叙もの。展開としてはこれが一番好きだけど、肝心の密室トリックに無理がありすぎる(というかどういう状況なのかよくわからない)犯罪者には容赦ないのが火村らしくていいな。
    「スイス時計の謎」まるで数式のような端正さ。これぞ有栖川ミステリ。
    17歳の頃のトラウマエピソードもあり、今回のアリスは終始センチメンタルでした。

  • テイストの異なる4編からなるミステリー短編集。有栖川有栖の作家アリスシリーズ(火村英生シリーズ)に該当する作品であり、国名シリーズの第7弾。2004年の第4回本格ミステリ大賞(小説部門)候補になっている実力作。
    有栖川有栖さんは初読みなんですが、第7弾から読むことになってしまった。手元にあったもので。

    なんか久しぶりに、悪い意味ではなく、ストレートなひねりのないミステリーを読んだ気がしました。どれも2時間のサスペンスドラマの題材にできそうな内容ですね。何度も言いますが悪い意味ではなく。
    難しいことを考えずに、スイスイと読めるので、とても面白い。

    自分の読書スタイルは、ミステリーであってもがっつり推理をしながら読むタイプではなく、人の心情を中心に読むタイプなので、今回も一気に読み進めたのですが、表題作にはアリスの過去の悲しい物語を匂わせる部分もあって楽しめました。過去作なども読みたくなりますね。
    また、謎解きをメインで読んだら、また違った楽しさがあるんでしゅね。ミステリーはそういうのも楽しみの一つだろうし、腰を据えてミステリーの世界にどっぷり浸かってみてもいいなと思いました。

  • ロジカルな表題作が一番の魅力。

  • 表題作はアリスの過去が出てくるなかなかつらくて切ない話。
    有栖川先生のこういう作風が好きだなーと再確認。
    他の作品もレベルが高く面白かった。

  • 国名シリーズはつまらないのか?表題のスイス時計の謎は、なんか、読めなかったです

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スイス時計の謎 (講談社ノベルス)の作品紹介

2年に一度ひらかれていた"同窓会"当日、メンバーの一人が殺害され、被害者のしていた腕時計が消失!犯人の意図に臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が迫る表題作のほか、ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室と、本格ミステリファンには堪えられない超絶品全4編。有栖川有栖の真髄がここに。

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