邪魅の雫 (講談社ノベルス)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (2006年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (824ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824386

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邪魅の雫 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

  • 事象が、発信・伝達者や受け手により変容していく。
    それにより、殺されるべきでない人々が殺される。

    加害者と被害者の関係・全体像をつかむのに大変だった。

  • 世界と世間と社会。
    いつもながら、語られる薀蓄には妙に説得力がある。
    妖怪が登場していないせいか、読み易かったのだが時代が現代のような感覚だった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14392791.html

  • 妖怪色がそんなに強くなく、薀蓄がものたりなかった。
    が、やはり最後の締めは面白い。

  • 誰もが自分の見ているものは他人が見ているものと同じだと思い込む
    モノは壊れていくためだけに存在する
    不思議だと当たり前に言うのは、解釈の押し付けである

    本にも書いてありますが、「連続殺人」ならぬ「連鎖殺人」を取扱っています。凶器の伝達と供に、殺意が伝達しています。 

    現代の凶器は「情報」でしょうか。誰かが特殊な犯罪を犯せば、メディアを伝ってそれに触発された誰かが同じ犯罪を犯す。例えば、先日の複数の無差別殺人事件は、その一種ではないかと思います。

    小説の凶器とは違って、情報は無尽蔵に、そして残酷に広がります。現代の流れとして、小さな子供には危険な情報は見せないようにする働きかけがなされていますが、「その情報は危険だ」という判断基準を与えることの方が重要なのではないでしょうか。実体のない情報を覆い隠すことなど、不可能に近いのですから。
     
    21世紀は「情報の時代」。使い方を誤らないようにしなければなりません。

  • 前作がややパワーダウンしたかな?という印象でしたが、持ち直した感じです。ただおどろおどろしさは少ないです。禁忌的なテーマも無いしね。
    黒幕の人の肝心な所の心情や榎木津の発言・行動の描写が割と少なくサラッとしてる分想像すると楽しめるのですが、直接知りたい読みたいという人には物足りないかもしれません。

  • 盛大な失恋話。
    どこまでもかっこいい榎木津探偵関係のお話です。ちょいちょいしか出てこないのに良いところ掻っ攫っていく。
    京極堂シリーズには珍しく、あまりウンチクが出てこないので普通の推理小説として読めました。
    ただ、郷嶋さんはお仕事空振りでしたね。それとも海をさらうのかな?

  • 再読。
    重かった。物理的に。
    一気に読める分量じゃないけど、
    一気に読まないと本当に混乱する。

    登場人物のレギュラー陣が、
    らしくないのがたまりません。
    「僕にもか。」 これ!!!

    妖怪があんまり出てこなくてそれはちょっと物足りないけど、
    邪魅については豆腐小僧で解説してあるからいっか。

    すぐに読み返す気にはならないけど、
    またもう一回読んだら分かるかな。

  • エノさんの女性関係

  • 妖怪蘊蓄がない為かなんとなく物足りなさを感じました。とはいえ、随所にお気に入りのシーンとかがありそこそこ楽しめました。相変わらず人物相関図がないと訳分かりません…(笑)

  • これまでの京極堂シリーズとは一線を画す本格ミステリー。このシリーズにこれまでに通底する異界色は薄く、人間の認識や認知に重きを置いた心理的ミステリーであった。

  • あいかわらずとてもおもしろい。

  • 800頁強。物理的にも重かった。

  • 著者のサイン入り本を持っていて、家宝。榎木津が増田の名前を呼ぶところで身悶えた。

  • 高精度で次の行動の予測できちゃう人って実際いるよね。半分くらい開示されていたが故に謎を纏っていた事件の流れが、真相が繙かれて見ればただ一人に結び付く、というギリギリのスマートさは嫌いじゃない。関係者全員不幸な中でも、最後の榎木津の台詞が泣き笑いを誘う。そりゃあ切ないよなあ。

  • 関口が結構喋っていて感動した。でも、関口はまた事件後鬱になるんだろうな。
    山下が大活躍していた。十円禿があっても今の山下の方がかっこいいと思うよ。
    あと大鷹うぜえと単純に感じた。『百鬼夜行 陽』でも合わなかった。

  •  榎木津の過去編。薀蓄成分はやや控えめ。坊さんのお話の三分の一程度だろうか? では誰がストーリーを回していくかというと、主に青木と益田。関くんはピンポイントで登場し、中々に骨のある一面を見せています。彼、自分のためではなく誰かのためになら必死になれるのね。行き過ぎれば自棄にも繋がる――鬱症状を持つ方の一側面ですね。夫婦仲がちょっと心配だが新作で触れられるんでしょうかね? 青木と某公安のやり取りは、テレ朝の刑事ドラマを見てるかのスリリング感がありました。刑事物の醍醐味。――最後まで読んだ末に、人を突き放すには勇気が要るということを私は学習しました。大切な人間を傷つけぬよう振る舞うのにも。

  • 榎さんが出ないけども榎さんの話、というのかなあ。今回の話はこのシリーズ特有のおどろおどろしさというものがあまり感じられなくて、いつものような感じはしなかったのだけど、それでもやっぱり興味深く読めたのは榎さんの内面を少しでも知ることができたからってことなんでしょう。榎さん、意外と常識人だったんですね(どういうイメージを持っていたのかという話)
    物語の筋がはっきりとしていなかったように感じるからか、最後の最後までなんだかなあといったふうに読んでいたのだけど、最後のシーンでこのために読んでいたのだと気付いた。それもどうなんだという話なんだけども。連鎖的に起きる事件の裏側にはひとりの人間がいたわけだけど、その展開だと絡新婦と比べちゃうよね。
    個人的に、関口君が人間関係を鞄に例えていたところがとてもよかった。あれを読むと、関口君の人間関係のおもしろいところがわかる。
    あと、関口君と益田くんって、奥のところは似通ってんじゃないかなあ。関口君と榎さんの関係が垣間見れてよかった。

    (824P)

  • なんだか、勝手がちがう。煉瓦本というのだったかな、ノヴェルズの体裁で厚さが4センチ強。厚みはいつもと同じなのに、手にした感触が軽いのだ。舞台が大磯、平塚という海に面して開かれている土地だからというわけでもないだろうが、禍々しさも足りない。ひとくちでいえば物足りない。世界が濃密に構築されていない。

    一番の原因は、役者が揃っていないことだろう。榎木津や木場修といった濃いキャラクターがちらっとしか顔を見せず、狂言回しを務めるのは、木場修の後輩で青木という刑事と以前は刑事で今は榎木津の下で探偵をやっている益田。関口も登場するが、それまでの巻き込まれ形のキャラクターはすっかり影をひそめ、傍観者としてお付き合い程度の登場だ。これでは、話が面白くなろうはずがない。

    事件は青酸カリに似た毒物による連続殺人だが、犯人と目星をつけた人物が次々と毒殺されていくのに、警察は何一つ効果的な対策をとることができない。青木と益田はそれぞれ京極堂を訪ねることで、事件の周縁部には達するのだが、後手後手に回る裡に6人もの人物が殺されてしまう。最後はいつものように京極堂が登場し事件は解決するのだが、京極堂の憑き物落としも心なしかあっさりしているような気がする。

    凶器が毒物だけに事件の背後に帝銀事件や七三一部隊の影がちらつくが、事件の核心はそれらとはちがうところにある。キイワードは世間。人間が何人か集まればそこには世間ができあがるが、同じ人物が関係していても相手が変わったり場面が変わったりすれば、そこにはまた別の世間が作られる。それらは決して社会を構成することなく、そこだけに作られた小さな世間でしかない。しかし、人はともすれば狭小な世間を世界と勘違いし、愚かな行動を起こしてしまうものだ。

    相変わらず、時空を超越したかのように「受容理論」を引用して書評について講義する中禅寺秋彦のテクスト論やベルクソン譲りの時間論、それに柳田國男張りの「世間」話についての長広舌が、ともすれば平板になりがちな刑事事件の解決に新しい光を導き入れ、京極夏彦らしい世界を垣間見せるのだが、それらは事件を解釈する際の蒙を啓く助けにはなっても、事件を解決するものではない。事件を一気に解決するには、「探偵」が必要なのだ。その探偵榎木津が、理由はあるにせよ、いつもの生彩を欠いていては、事件はいつまでたっても解決しない。京極堂が探偵の代理を務めるなど笑止である。

    犯人及び関係者のモノローグを多用し、よく読めば、事実にたどり着けるような配慮はなされているが、「殺人」の動機も微妙だし、人物関係が不必要なまでに錯綜しすぎていて、読み終えた後でもすっきりしない。京極堂に言わせれば、こちらの頭が悪いからだろうが、これまでの京極作品には、こんな読後感は持たなかった。どんなに入り組んだ事件であっても、中禅寺の登場によって快刀乱麻を断つようにすっきりしたものだ。それに、これは評者個人の感想だが、読後、読んでいる者にも憑き物が落ちたような独特の清涼感があったものだが、今回の作品ではそれが感じられなかった。次回作では個性的なキャラクターが活躍することを期待したいものだ。

  • 相変わらず分厚いなあ。今回は毒をめぐる話。連続して起きた毒殺事件をいつものメンバーが追う。そして最後はいつもの通り京極堂が締める。これまでのシリーズと比べて少しスケールが小さいか。明確な動機を持った犯人がいないというのも入り込めない要因かも。閉塞感や幻惑感なんかが薄い感じだな。

  • 京極夏彦作品3つ目。

    これは、私としては「京極夏彦らしい作品」って言えないものだったなぁ~って思ったの。
    ストーリー的には面白かったんだけど、
    帝銀事件のことや731舞台のこととか興味をそそる話も出てきたし。。。
    でも、イマイチそこらへんの推理小説みたいなチープさが漂ってた気がしないでもない。。。

    なんか、こう奇妙さがもっと欲しかったなぁ~。って思うのよ。

    PCで検索してみると、やっぱり京極ファンには不評だったみたい。



    それでも一気に読んじゃったけどね。
    次に期待!

  • 登場シーンは少ないはずなのにとんでもなく濃い榎木津感
    事件は榎木津さん絡みだけど登場自体は少ない
    でも榎木津さんの内面に初めて触れられた気がする

    神崎さんは榎木津さんと対等になりたかったのかなあ
    きっとただそのままでいれば良かったのにどこかで間違えて
    しまったのだろうと
    榎木津さんはちゃんと神崎さんのこと好きだったろうに
    切ない

    益田、青木と名前を初めて呼んだところはハッとした

    内面といえば益田さん、この人の軽口は処世術だったのですね!
    ああ愛しいよ益田!
    関口さんと知り合って病気を勉強とかほんっと良い子!!
    そして関口さんは今回すこぶる元気でしたね。
    回復は順調っぽいこの調子でうつ病全快するといいなあ

  • このシリーズが大好きです。
    なんつー読みにくい本だ!と思ってたのに、なんでこんなにハマってんだろ。

    個性的な登場人物たちが魅力的だったのが一番の要因だけれど、京極堂の謎解きには毎回はっとさせられる。
    まったく違う視点からの答えは、確かに世の中には不思議なことなど何もないんだと納得してしまう。

    とにもかくにも、早く新刊をお願いします!薔薇十字探偵ものも好物だけども、本編を!本編の続きを!

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「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「-自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると-死ぬよ」。

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