ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824782

感想・レビュー・書評

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  • 同級生のふみちゃんのことが大好きな小4の僕が罪と罰を天秤にかけて司法によらず裁量権を振るうお話。
    「凍りのクジラ」でちょい役だったピアノ少年と言葉を失った少女が登場します。少女のふみちゃんのほうはヒロイン役に昇進してました。
    僕の特別で憧れのふみちゃんが事件後ショックで心を閉ざししゃべらなくなってしまったのは犯人のせいだと逆恨みして復讐を考える。社会的には器物破損で罰金刑と世間を騒がせたとゆうことで医学部から退学処分を受けたのだけど・・・・
    呪いの力を持ってる僕はそれでは犯人は反省してないと納得がいかない様子。
    どんな復習が妥当なのか苦悩するなか小4とは思えない発想にぶったまげました。それを天秤にかけるとは!

    作中、辻村さん遂にウサギ殺しを書いちゃったんだと動揺しました。どこまでがセーフでどこからがアウトなのかって彼女の判断基準にも興味持ってたのですが、ゴキブリはOKでも、小動物になると判断が別れるところだと思います。大きさではなく家畜やジビエ動物はOKでもペットはNGとかそうゆう見解もありますけど、ここでウサギとゆうジビエかペットか曖昧な動物を持ってくるとは流石ですね。判断は力を持った者に都合のいいものだったりするので相対的なんですけど深く考えさせる内容でした。裁量権についても同様で深く考えさせられたんですけど最初から、そんな力は使ってはいけないと言ってた母親が一番理解してるように思えました。

  • あ〜こういう話好きだわ(〃ω〃)

    ウサギの件はショッキングだけど。

    なるほど順番通りに読まないと良さが半減するね。

    ちょっと子供達が大人すぎる気もするけど笑
    秋先生とぼくの授業がとても引き込まれて良かったし
    後の作品で成長した2人に会えたことが凄く嬉しい。

    さぁどんどん繋がってきますよ!
    順番守って読み進めます(`_´)ゞ

    • 土瓶さん
      こ、こんなにいろんなところに配慮してオブラートに包んで、ハチミツかけて、ココアパウダー振って、あんことチョコをぶちこんだ甘々レビューに仕上げ...
      こ、こんなにいろんなところに配慮してオブラートに包んで、ハチミツかけて、ココアパウダー振って、あんことチョコをぶちこんだ甘々レビューに仕上げてるのに?
      か、辛口だなんて_| ̄|○
      ( ゚д゚)ハッ!
      そうかこれがイジメか(笑)
      2022/12/24
    • みんみんさん
      土瓶パイセン…また☆1レビューだし笑
      ☆1連続ってある意味凄くないか( ̄▽ ̄)
      土瓶パイセン…また☆1レビューだし笑
      ☆1連続ってある意味凄くないか( ̄▽ ̄)
      2022/12/24
    • 土瓶さん
      Σ(゚Д゚)ギクッ
      Σ(゚Д゚)ギクッ
      2022/12/24
  • 泣きました。
    泣きすぎて文字が霞んでしまい、読み進めることが難しいくらいの号泣でした。

    事件の描写は気分が悪くなるほど想像力を刺激するものでした。
    私までトラウマになりそうです。

    こんなことをしても器物損壊で済み、刑務所に入らず医者になれるなんて信じられませんでした。


    他の人が壊れるくらいなら自分が壊れることを望むなんて、どれだけ強くて優しいのでしょう。
    自分が死ぬのが怖くて泣くなんて当然のことじゃないですか。


    We make a relationship for our feeling and cling to other people because we feel responsible, need the person for ourselves, and don't want them to feel sad.
    Even so, we call it the feeling of love.

  • これは辻村深月さん版『罪と罰』や!
    と知ったふうな口を聞くと本家『罪と罰』を読んだことがないのがばればれなわけですが

    『罪』と『罰』被害者やそれに近しい人はどうなれば同じ重さになるのか、いや同じ重さになることはそもそもないのか
    ぼくと先生の交流の中でいろいろな案が示されます
    そして自分だったら?と考えさせられました
    自分がぼくだったら?自分がふみちゃんだったら?自分が市川雄太だっら?
    『罰』と『罰』の分量をメジャースプーンを使って正確に量れたらいいのだけど

    考えさせられる物語は苦手だ
    それについてもちょっと考えてみた
    さあこれについてあなたも考えてみなさいと言われてる気がする
    教壇の上に立った教師が出来の悪い生徒に向かってため息混じりに投げつけているように感じるのだ
    何様だ!と

    ただこの物語はちょっと違う気がした
    隣りにいる
    隣にいて私はこう考えるけどあなたはどう思う?と話しかけてきている気がする
    辻村深月さんが紡ぐ物語は同じ高さにいる気がする

  • 小学生の男の子が今考えつく最大の復讐。真っ直ぐな一生懸命さに心が打たれた。とても良かった。
    うさぎの事件の描写はキツかった。

  • エンターテイメントとして上質な作品でした。
    終盤の盛り上がりたるや思わずワクワクさせられてしまいましたよ。
    読んだ辻村作品の中では一番面白かったな。

  • これは時系列を追っていける本だったとは。かなり前に読んだ氷のクジラにもふみちゃんが登場しているなんて。。
    めったに再読しないのだけど
    どうしても読み返さなくては。。

    それにしても小学4年生の主人公が大人すぎる。策士であり常に冷静に物事を捉えている様にはびっくり。だけど一途な思いが彼を突き動かしていたんだね。
    秋山先生が熱いものを心に秘めていることにもじーん。
    言葉の意味をかみしめながら読むのにはとても骨がおれたけれどとても深いおはなしだった。

    子どもたちは夜と遊ぶ
    名前探しの放課後
    そして氷のクジラ
    よんでみようと思う。

  • 人に命令することができる不思議な力をもつ小学4年の少年が、うさぎ殺しの犯人に反省させようと面会に挑む。
    力が使えるのは一度だけ。うまく力を使うために、同じ能力を持つ大学教授と1週間の訓練をする。
    人を裁くとはどういうことか、教授との駆けひきも見応えあり。しかしこんなに10歳って利発だったっけか…?

  • 罪と罰についてとても考えさせられました。
    秋山先生が提起する問題を一緒に考えながら読んで、 主人公と先生との対話はもはやディベートのようだなと感じました。何が正しくて何が間違いか。実は何も間違いで無くて、自分が何を正しいとするか。 結局は自分の価値観と正義感にかかってくる。
    そこまでするのか、そんな罰でいいのか。 この答え は一生出ないから深いんだろうな。
    司法という制度の存在意義を感じました。

  • 罪と罰。
    めっちゃ考えさせらた。秋山先生が提起する問題を一緒に考えながら読んで、秋山先生の意見やみんなの意見に真摯に向き合った。
    何が正しくて何が間違いか。実は何も間違いで無くて、自分が何を正しいとするか。結局は自分の価値観と正義感にかかってくる。
    そこまでするのか、そんな罰でいいのか。この答えは一生出ないから深いんだろうな。
    司法という制度がなければ世界はめちゃくちゃになるんだろうなぁっとしみじみ考えた。
    とっても深い素敵なお話やった。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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