四神金赤館銀青館不可能殺人 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825390

感想・レビュー・書評

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  • 湾を跨いで対峙する二つの館、金赤館銀青館。 両館で起こる不可能事件をミステリー作家の屋形は解くことができるのか・・。



     頭に数字が来るシリーズの最初。泉水館が潜水艦だったり探偵役が屋形だったり屋形船を示唆する伏線は多い。 そして船から連想される女体盛がこの作品をバカミスたらしめる。 まぁまともな館ものとして読む人はいないだろう、移動の描写が明らかにおかしいし・・・。 
     何も知らずに手に取ってしまった人はどうか寛大な心で。。。

  • 「三崎黒鳥館白鳥館~」が面白かったので、巻末に載ってたバカミスシリーズを読んでいくことにした。
    三崎~と同じようなオチで、この長い漢字タイトルのシリーズ全部こんな感じかな?作中作の部分については最初からネタ晴らししてるようなもんだったし、バカさ加減はこっちの方が上だったけど、三崎の方が好きだな。

  • バカミスです。前から気になってた作。
    二つの館で同時多発的に怒る惨劇、広い意味での叙述トリックが炸裂しますが、そんなことどうでもいいなぁ。
    作中の主人公の書く小説のトリックもとんでもなくバカらしい。おどろおどろしいタイトルですが、本格バカミスで、さくっと読めます。

  • 張り合う形で向かい合う二つの豪奢な館でそれぞれ起こる
    嵐の夜の不可能殺人、大量殺戮。
    相変わらず稚気がすごい。
    周到な伏線の数々も思わず感心してしまう。
    スリル満点の悲劇に興が乗った。
    束の間のドンチャン騒ぎ。あーよいよい。‬

  • 2018.7.6読了。

  • 館の秘密には笑った。屋形のペンネームにも笑った。ダジャレか!

  •  長らくその土地に君臨してきた四神家の金赤館と、それに対抗して出て来た花輪家の銀青館は、四神湾の対岸にある。
     嵐の夜、銀青館の主が殺され、しかも対岸の金赤館からは死体が飛んでくる。
     銀青館を訪れたミステリ作家の屋形やミステリ研究会の学生たちが謎に迫る。

     最初、屋形が何となくバカっぽかったので、何か入り込めなかった。
     名探偵コナンでの小五郎のおっちゃんは、コナンくんあってのあのキャラだけど、屋形の場合は、単体でこのキャラだったので、「は?」というか、「え?」て気持ちになった。

     この話の登場人物(例えば屋形)視点からしたら、単純な展開だけれど、それを文章によって読者に複雑に見せている書き方なので、何ていうか…その書き方で、ちょっと先が読める。

  •  バカミスというジャンルがあって、たまに読みたくなる。確かにバカバカしくて楽しめるが、残念ながら驚天動地のメイントリックがいまひとつ。湾をはさんで両岸に対峙する金赤館と銀青館に住む因縁の旧家一族たち。それぞれの館で起こる連続殺人事件と謎の死体移動。と書くと横溝正史ばりの舞台装置だが、バカミスなのでまったくそうはならない。大体登場人物一覧に出てくる一癖も二癖もある係累たちがそもそも物語には無関係でほとんど登場しない。騒ぎを起こすのは銀青館の訪問客である探偵役の作家と大学ミス研などの招待客だけだ。こちらは意外とまともな密室や時間誤認トリックが出てくるがもちろん底は浅い。金赤館の方は単に無差別殺戮で不可能移動のための死体を生産しているだけだ。銀青館の謎解きばかりにフォーカスされているので、肝心の死体移動トリックが物語の本筋と大して関係ない瑣末事にしかみえず、最後にバカバカしい種明かしがされてもああそうなので終わってしまう。もっと全力のバカミスで脱力させてほしかったな。

  • 一部のファンから熱狂的な支持を受けている倉阪鬼一郎の作品。前々から読んでみたいとは思っていたが,文庫派でノベルスはあまり好きじゃないので買っていなかった。しかし,ブックオフでノベルスを100円で購入できたので,読むことができた。
    読んだ感想は…霞流一以上のバカミスだった。バカミス自体は嫌いではないが,霞流一や倉阪鬼一郎は,文体からもバカさが醸し出されており,あまり好きになれない。もっと上品なバカミスが好きなのだ。
    メイントリックは,金赤館と銀青館が,館ではなく屋形船だというトリックと,作中作としてミステリ劇が繰り広げられているというもの。
    また,プロローグで犯人である四神波美が死体となっているような描写があるが,実は女体盛りをされているという真相であり,それが殺人の動機という描写もある。
    一言でいうならバカミス。個人的には,あまり好みでないタイプのバカミスだった。★2で。

  • そうきたか。さすが変格の名手。

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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