ひねくれアイテム (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825871

感想・レビュー・書評

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  • 星新一の弟子である江坂遊のショートショート作品集。

    星新一とは作風が違うがどれも上手くまとまっておりさすがという感じ。

    たまにはショートショートもいいですね。

  • 忘了(^^;。ブクログ開始前に既読でした。48篇のショートショートだが、何故かⅠ・Ⅱ部構成。きっと何か意味があるのだろう。 Shinichi Hoshi's scion?

  • 「ショートショートの神様」星新一の唯一の弟子であり、
    知る人ぞ知る作家である江坂遊の最新作品集。
    ショートショートを48編収録。

    江坂遊のことはまったく知らなかったし
    ショートショートという形式の作品には
    今までほとんどふれてこなかったのだが、
    この本は表紙を見てなんとなく購入した。

    ショートショートの水準がどのくらいなのか、
    どのような内容のものが一般的なのか
    などと言ったことは知らないのだが、
    本書を読了してみて思ったのは、
    「あまりにパターンが一辺倒すぎやしないか」
    ということ。

    どれもディテールは少しずつ違うのだが、
    展開の仕方、骨格、発想、表現のスタイルなど
    構造の部分で似通っている作品ばかりなのである。
    もっと他の可能性はないのか、
    と思えてしまうのは素人考えなのだろうか。

    モノローグ、あるいはダイアローグのみ、
    つまり、いわゆる“地の文”がない、
    という作品が多いのだが、
    会話の進みがやや不自然に感じられるのもどうかと思った。
    あれだけの短さの中で話を進めなければならないので
    やむをえない部分もあるのだとは思うが。

    しかし、ダジャレのようなオチのものが多いとはいえ
    たくさんの不思議なアイディアにふれることはできるし、
    またそのアイディアがどのように発想されたのか
    想像しやすいものが多いため、その手法を覚えれば
    ある程度自分自身で活用することも可能となるだろう。

    個人的に好きな作品を挙げるとすれば、
    本格ミステリ的な狂った動機が素敵な「ウィビコフの指揮棒」、
    急展開の意外なラストに驚かされた「何でも半額の街」、
    シンプルで寓話的な味わいが良い「とっかえべえ」、
    もっとアイロニカルな展開につなげることもできそうなのに
    意外なメッセージを投げかけて終わる「抽斗の中身」、
    そのまま「世にも奇妙な物語」のシナリオとして使えそうな、
    平凡ではあるもののまとまりの良い「死闘販売機」、
    “奇妙な世界”の奇妙さを無効化するような
    外からの視点での書き方とオチが良い「ハンノキの話」、
    本書の中では一番怖かった「親切な隣人」、
    何よりベースとなるアイディアが秀逸で、
    そのアイディアを一歩進めたオチも凄い「実験ベビー」、
    これもアイディア・オチの切れ味ともに秀逸「夢塵島」など。

    もっと違うタイプの作品も読んでみたいが、
    しかし、これはこれで安定した面白さがあるとも言える。
    何より、短くて読みやすいのが良い。
    講談社ノベルスから出ているもうひとつの作品集、
    「仕掛け花火」も、いずれ読んでみたいと思う。

  • 読みづらかったし引き込まれなかったです。

  • ビデオ予約が面白かった。

  • 久方ぶりの新刊です。やっぱりおみごと! と言うほかありません。一気に読むのが勿体無くって、ちまちまと読み進めました。ショートショートの醍醐味いっぱい。
    どれもがユーモラスで不気味でブラック。このさじ加減が絶妙。お気に入りは「あなたしか見えない日」「ハンノキの話」「親切な隣人」など。「とっかえべえ」もしんみりする話でよかったなあ。

  •  ショートショート作家である著者の新作。綾辻・有栖川の復刊セレクションで入手困難だった「仕掛け花火」が手に入るようになり、ますます手軽に楽しめるようになった江坂ワールド。一口にショートショート作家と言ってしまうと、どうしても星新一が思い浮かべられ、子供の童話といったようなイメージになってしまうが(星新一も好きですけどね)、江坂遊の作品はどちらかというとブラックジョークに近い。ちょっとしたジョークの背景をさらに掘り下げて一つの小説・ショートショートにしたような雰囲気。ブラックと言っても、悪夢のようなバリー・ユアグロー的ではないので、そこはご安心を。もちろんそれ以外にも、純粋に「いい話」や愛のファンタジーのような作品も多々見受けられ、なんとまあ多彩なショートショート集だろうか。
     最後に私の好きな作品を5つ。解説の高井信が選んだベスト5とほとんどかぶらなかったが、48もショートショートがあれば人の好みがはっきりと分かれるのだろう。
    「とっかえべえ」「次の停車駅」「モコと僕の曖昧な関係」「何でも半額の街」「雨の中の娘」

  • 星新一が見出した、「ショート・ショートしか書かない作家」
    江坂遊のショートショート集。
    1篇につき数ページで完結してしまうので、気軽に読める。
    ちょっと皮肉の効いたオチは、オムニバスTVドラマ
    「世にも奇妙な物語」が好きな方ならきっと気に入るだろう。

    わたしが気になったのが、特に女性の話し言葉だ。
    昭和40年代の作家が書いたような印象だった。
    小道具は今を感じさせるものばかりなのに、どこか時代錯誤な感じがする。
    あと10年もすると、そのズレがもしかしたら
    奇妙な味わいになるのかもしれないが、今はちょっとしんどいなと思った。
    1篇が短いせいか、オチが推測できてしまう話の運びも物足りない。
    海外を舞台にしたショートショートが個人的には好みだと思った。

  • 1篇数分で読めてしまうショートショートが48編☆
    短いけれど極上の味わいとオチです(笑)

  • 目次を開いたときのワクワク感が、読み進めるうちに奇妙に揺らぎます。この才能、恐るべし。

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著者プロフィール

一九五三年、大阪生まれ。「星新一ショートショートコンテスト‘80」で「花火」が最優秀作に選ばれデビュー。星新一に師事し千篇以上の作品を執筆。近刊『花火』『無用の店』(以上、光文社文庫)はその傑作選。主な著書に、『仕掛け花火』『ひねくれアイテム』『鍵穴ラビリンス』(以上、講談社ノベルス)『あやしい遊園地』『短い夜の出来事』(以上、講談社文庫)『小さな物語のつくり方』『きまぐれラボ』『チョコ★ド』(以上、樹立社)など。

「2016年 『30の神品 ショートショート傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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