零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826823

作品紹介・あらすじ

「零崎一賊」-それは"殺し名"の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。死んだ人間みたいな目をした少年と、顔面刺青の殺人鬼。二人の出会いが、そして語られることのなかった京都連続通り魔事件の真相がついに明かされる!零崎人識の動機と、その無惨なる結末は…!?新青春エンタの最前線がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • こういう別の登場人物の視点からもう一度物語を楽しめるってのは結構好き

    咲さんはいーちゃんの事情聴取のときこんなこと考えてたのか……ていうか江本さんの独白でもそうだったけどいーちゃんてそこまで禍々しいオーラ放ってたのか……。言葉を交わすだけで咲さんの精神磨り減らすとは、いーちゃん恐るべし

    最近人間シリーズ連チャンで読んでたから哀川さん久々な感じ。やっぱこの作品で一番清々しいのはこの人だね

  • ・「普通ってなんだと思う?」
     「知らねーさ。不都合の略かなんかじゃねーのか。」

  • 『殺し名』の第三位に列せられる殺人鬼の一賊、零崎一賊。
    その鬼子である顔面刺青の殺人鬼、零崎人識と、
    死んだ人間みたいな目をした少年。
    二人が出会ったあの京都連続通り魔事件、
    その裏側が今、明かされる――!
    零崎人識の「目的」とは?

    「人間シリーズ」の第四作にして最終作。
    殺人鬼・零崎人識の人間関係にまつわる四つの物語のうちのひとつ。

    「人間関係」もついにラストの四冊目。
    年が明ける前に読み終えることができてほっとしている。

    本作のタイトルは「戯言遣いとの関係」であるが、
    戯言遣いの彼はほとんど登場しない。
    前回の零崎双識以上に出番が少ないのだから、
    ほとんど看板に偽りありと言ってもいいくらいだ。

    ただまあ、戯言シリーズ本編を読んだ人ならわかるように、
    すでにこの二人の関係については語り尽くされているのだ。
    もう何年も前に、「クビシメロマンチスト」の時点で、
    あるいは「ネコソギラジカル」や「零崎双識の人間試験」の時点で
    充分にそこについての言及は終わっている。

    だからそもそもわかりきったことを語りなおしているという点で
    本作の存在自体が蛇足的であると言わざるをえない。

    では本作で何が描かれているのかというと、
    零崎人識に関する断片的なシーンが並べられているだけなのだ。
    戯言シリーズに登場したあんな人やこんな人が
    実は人識に遭っていた、というシーンが連続して描かれている。

    それによって、さながらモザイクアートのように
    人識の人となりを描き出す趣向になっているかというとそうでもない。
    描かれているのは本当にただの断片だけであり、
    「零崎人識」という像を結ぶにはピースの数がいささか不足している。

    いわば本作で描かれていることは、
    これまでに描かれてきた零崎人識についての「補足事項」であり、
    それゆえ、本作は単体ではほとんど意味をなさない。
    やはり、既刊のシリーズを読破していることを前提とした
    非常に限定された読者向けの作品なのである。

    そんな作品ではあるが、ラストシーンの雰囲気は良かった。
    「これにて終了」と強く感じさせる締めくくり方で、
    気持ち良い後味の残るシーンだった。
    これ以上、蛇足を重ねないことを切に願う。

    そろそろ、戯言シリーズの世界観については語るのをやめて良いだろう。
    西尾維新には、そろそろまた新しい世界を見せてもらいたい。

  • ―関係ない。関係ない。関係ない。関係ない。関係ない。関係ない。関係ない。―

    死んだような目をした戯言遣いの少年と闇の中を覗き込んだような濁った目をした殺人鬼の少年が、京都で出会ったのは十八年前の5月13日の金曜日
    これは人類最強の請負人が友人の警察官に語ったとある少年の自分探しの物語。

    今、きちんと読み返してみたところ…
    戯言遣い編をラストに据えるなら
    双識→出夢→伊織→戯言
    が正解なんだってさ!
    思いっきり間違えたよねっ!
    でも逆になんで↑の順番が推奨なのか分からない…
    双識と出夢はやっばり逆の方が分かりやすくないかな…?
    あと、個人的見解ですが
    やっぱり戯言遣い編をラストに据えた読み方が一番良いと思うんだけど、これは偏見だろうか!?
    他の順番で読んだ方々の感想をお聞きしたいものです。
    特に出夢編をラストにした読み方とか!
    凄い興味ある!
    話は脱線してしまいましたが
    今作は、おっかなびっくり
    戯言シリーズのラストから更に四年も経っちゃってる…!
    だから…
    えー、つまり…?
    いーちゃんも人識も…
    27歳!?
    うわっ!なんだこの妙に現実味を帯びた数字……!
    更にビックリなのは(いーちゃんの描写はないけど)人識が変わってない…。
    いや、そもそも戯言シリーズがそういう『変われない』物語なんだからそれも理の当然ってやつだ…。
    智恵ちゃんは、いーちゃんのことを
    『自己否定が極まり過ぎていて、自己の体内に収まり切っていない。彼は居ながらにして、周囲に悪影響をもたらすだろう。周囲の個性を根こそぎにするだろう。あれではすべてが……なるようにならない。だからこそ、変われない』
    って評価(……表現?形容?)してますが、今作の帯にもでかでかとこれ見よがしにプリントされていたいーちゃんの台詞。
    『変わりたいと思う気持ちは、自殺だよね』
    (これを独り言で呟いちゃうあたりが、いーちゃんの底の知れなさだと痛感しつつも)
    結局は
    変わる=自己否定
    西尾氏が言うところのマイナスになってしまう。
    しかしながらここで炸裂西尾節。
    『マイナスなことをプラスに、プラスなことをマイナスに描く』
    だから、戯言シリーズのラストシーン
    あおちゃんは(そりゃ、綺麗な青髪碧眼じゃなくなっちゃったけど)きちんと成長して、いーちゃんの前に現れた。
    更にそこで、いーちゃんが《笑う》んだよね…!
    今まで頑なに笑うことのなかったいーちゃんが笑うんだよ、これが。
    あっさりとしたその変化の描写に逆に度肝を抜かれたしがない一読者、ここに誕生…て感じ。
    いーちゃんが笑えるようになった
    あおちゃんが年相応に成長出来た
    『人を変えるのは時の流れだけ』って智恵ちゃんが言ったのも言い得て妙だけど、それが四年前の自己否定という《マイナス》の結果だったのにも関わらず、ネコソギラジカルの読後のあの安心感は何に起因するのかと言うと、西尾氏のポリシーによるものなのだと私は思ってます。
    誰かにとっての《幸せ》が誰かにとっての《不幸》であることは動かしようのない事実。
    だからこそ、《プラス》を《マイナス》に。《マイナス》を《プラス》に。
    対する人識にしても、八年前に《ドクター》に余命宣告的なことまで言われてたのにも関わらず、あおちゃん同様生きてる。
    それは、わざわざここにつらつらと書き連ねる必要もなく、今作の結びを読めば分かること。
    うん。でも個人的に不明瞭な部分もあってね。
    鈴無さんの《大きな戦争》の時の話読みてー
    とか
    人識はなんで三つもストラップ買ったのかなー
    とか
    零崎問識くんは誕生したんですか←←
    とか。思わないでもないです。
    でも
    人識が、七人目としていーちゃんを殺し損ねたことに執心しているシーンで、赤音さんが引用してた話を思い起こせただけで、満足。
    にしても、十二人とか七々見奈波とか
    たとえ偶然にしても、こんな綺麗に物語を終結させてしまうなんて
    西尾維新、恐るべし。
    クビキリサイクルから始まり、約九年間に渡った《戯言&人間シリーズ》
    今更ながら満喫させて頂きました!
    うん。面白かった…!

  • クビシメロマンチストの裏側。他者から見たいーちゃんと人識の対比がもっとほしかったなと。なので、木賀峰や魔女や世捨人の話は別の本にしてもらって、江本智恵と佐々沙咲の話や青赤の会話に絞ってくれたほうがうれしかったかなーと。

  • ≪内容覚書≫
    零崎人職を主人公にした人間シリーズ最終4部作の1冊。
    『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』を
    別視点から書いた物の様子。

    「江本智恵が殺された」件について、「ぼく」に聞きに来た
    佐々沙咲が中心にすえられ、
    京都の連続殺人事件が語られる。

    ≪感想≫
    戯言使い、ほぼ出番なし…!
    ……タイトル、戯言使いとの関係じゃなくてもいいような気もする。
    バトルした潤さんの方が目立っていた。
    『クビシメロマンチスト…』も読まないと、
    今一つ楽しみ切れないのかも。
    読み飛ばしている戯言シリーズへ手を出そうかと、思わされた一冊。
    商売うまいなー。

    人の分類に関しては、12のタイプに分けられる、
    というのが初耳だったので、へぇと思った。

  • 人間関係最終話なのにこれから読んだのは、所蔵がなく(以下略)。
    読み終わって一番印象に残ったのは、やはりいーちゃんは他の人達から見たら異常で、欠陥人間だという事。
    そうででなけりゃ零崎人識とは普通のように会話できないよね。
    特にササササキさんから見たいーちゃんは相当な真っ暗。
    表紙も象徴的でした。

  • "913-N
    人気作家コーナー","

  • 真相か、物足りないな。

  • 人間シリーズ完結巻

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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