V.T.R. (講談社ノベルス)

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著者 : 辻村深月
制作 : 倉花 千夏 
  • 講談社 (2010年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827042

V.T.R. (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • チヨダ・コーキのデビュー作。TとRの物語。
    テンポいいし、さくさく読める。テッドだの、A、S、Yだのお友達の説明が続くのはあいかわらずだが。
    Rが何をしたかったのかがよくわからん。Tはトランス・ハイだったのね。
    V.T.Rは、Rが可愛がっていたロボットの記憶装置。
    繰り返すが、Rが何をしたかったのか全然わからない。Tはカッコ良すぎるわ。

  • チヨダ・コーキのデビュー作。スロウハイツの住人達はこれを読んだのね~と思いながら、正直期待していなかったのですが、どうして、どうして面白かったです。設定が面白く、次どうなるのかなぁと結局一気に読まされてしまいました。そして、やられ方は やっぱり辻村さんという気がしました。 そして、この腑に落ちない感じを残したのは、作者がチヨダ・コーキだからなのでしょうか。

  • 辻村深月の『スロウハイツの神様』に出てくるチヨダ・コーキのデビュー作。話の内容は人殺しを許されたマーダーであるティーとティーが愛するアールのお話。軽く読める内容だけど、ティーの目線で進むからかちょっと癖がある文章。ライトノベルってこんな感じかなぁーという感想でした。
    奥付の著者・チヨダ・コーキの名前と編集者・黒木智志の名前、表紙裏のコーキのコメントがよかった(笑)

    誰の胸にも響かないかもしれない……、
    と言いつつ、すいません、本当は自信あります。
    作家になれるなんて、デビューできるなんて夢みたいだ、と言いつつ、ごめんなさい。
    僕にはこれしかできないから、きっとこれは必然なんだって思うんです。

    初めまして、チヨダ・コーキです。
    これからよろしくお願いします。



    [ネタバレ]



    結果としてティー=トランスハイって何となく読める展開だったけど、アールがトランスハイの銃(過去に殺人現場でミスして忘れたもの)を遠く離れた地のオークションで落札してお守りのように持っていたのはやっぱり、愛なんだなぁと思わずにはいられなかった。出来れば生きて2人に再会してほしかったな。。

  • 辻村さんが作った「チヨダ・コーキ」が書いたデビュー作。
    さらっと読める。
    何も考えずに読んでたけど、やっぱきたな。辻村お得意のドンデン返し。
    やっぱこれがないと辻村作品じゃないでしょ。

    端々には伏線がきっちり張られてたんだけどね。

    今回は特に感情移入することなかったから、たぶん簡単に読めたんだろうな。

  • あまり辻村さんぽくないなぁ。
    という感想でしたが、読み終わってから、この本がスロウハイツの作中作、「チヨダ・コーキ」の処女作として書かれたことを知りました。
    なるほど、そういえば文体も意識的に辻村色を出さないようにされてて、たぶん作者知らずに読んだら辻村さんとは思わなかっただろうな。
    作中作を、作者が書く。読者からすると面白い試みだけれど、同時に難しさもあるでしょう。作中作とはいえ、読者が抱くイメージというのは、作者の掌中から放たれてしまうもので、万人に納得の作中作には仕上がらないと思うから。
    高校生のデビュー作としてはまさにこんな感じなのかもしれないけど、「チヨダコーキ」がこの作品でものすごく熱心なファンをつかめるかというと少々微妙な気もしてしまいました。(スロウ・ハイツを読んだのがかなり前なので、この小説の位置づけを忘れてしまいましたが…)

    舞台は、殺人を職業にする1000人のマーダーがいる社会。
    その設定は置いといて、一体主人公たちのいる世界がどんな世界なのかが、作品からはわからないのが残念でした。
    いつのどういった時代を想定しているのか、架空の国の荒廃した社会なのか、文明のそれなりに栄えている社会なのか。
    かと思えば、郵便局やら宅配便やら公衆電話やら携帯電話やらATMやら登場させて、こっちの世界っぽくあり、というか妙に生活感があり…。
    主人公の元恋人、アールの謎を追う形で物語は進むのですが、せっかくの舞台もあまり生かされていないような…最後までもやもやっとしたものが残ります。

    なんてエラそうに書きましたが、いつか、「辻村深月」の、本気のSFもしくはファンタジーが読んでみたいです。

  • 初チヨダ・コーキ作品

    世界観が面白かったんだけど終わりか方が・・・。
    『スロウハイツ』でチヨダブランドが絶賛されてたわりに、デビュー作のわりにインパクトがだいぶ少ないな。

    そしてハンターライセンスならぬマーダーライセンスか(笑)
    「殺し」の表記が多かったからこれがチヨダブランドの一端を担っているのかなと。

    ティーからアールへ、アールからティーへの想いよりみんなからティーへの想いの方が私は強調されてたように思う。
    んで、あの中で一番悲しくてさみしいキャラはJじゃないかな。切ないというか。残酷というか。
    Jからティーへの想いは推し量れないだろうな。

  • 私が想像するチヨダコーキの作品にしてはちょっと弱いなっていうのと、
    え、そこで終わり?っていうのと、
    ん?これでは意味が分からないっていうのと・・・。

    軽い文章に最初は戸惑いましたが、
    辻村さんらしい人物描写は好きでした。

  • 「スロウハイツの神様」に出てくる
    チヨダコーキの作品。
    チヨダコーキが書いた、
    ライトノベルで、デビュー作。
    コレが重要です。
    あくまでも、辻村深月では無い。


    主人公のT目線で話が進んで行き、
    物語の本質"R"へと、徐々に
    遠い関係者から、近い関係者へと
    外堀が埋まっていく。

    全く相手にされてなかったテッドから
    よく立ち寄っていた店の2人
    そして、Rの心理を知っているカウンセラーから、
    最後の姿と、事情を知っているドクター
    そしてタイトルにもなっている、
    RからTへの"V.T.R."が録画されているロボットへと。

    その進行の中で一緒に
    Rがしていた事から
    ロボットの廃棄場ストーリーと掛けて、
    それをしていた理由、
    そして、Rの最後へと綴られて行き、
    主人公の正体、そして、その周りとの関係や
    優しさ、そして救われなさが垣間見えるラスト。


    Rとの別れた具体的な理由などは
    一切書かれていませんが、
    それはT目線の話だから仕方ないのかも知れませんね。
    彼は別れた理由をダラダラと語る様な
    人じゃないような気がします。

    お馴染みの伏線もあり(キディちゃん、など)
    スロウハイツの住人を思わせる人物が出てきたり
    辻村作品らしさもありました。

    ストーリーと言うよりは
    辻村深月と言う作家に★5つです。

  • スロウハイツの神様の作中作。
    展開も早いし、やっぱり騙されたし面白い!
    けど、未解決な部分も残ってしまい若干不完全燃焼。

  • 合法的に人を殺せるダークヒーロー「マーダー」が暗躍する世界を舞台とした物語。
    ある日、腑抜けのマーダー・ティーのところに、三年前に別れた恋人で凄腕マーダーのアールから、電話が来る。
    「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」
    やがてティーはアールの言葉通り、彼女の酷い噂話を耳にする。
    アールの目的は一体何なのか、ティーはアールの足跡を追い始める。

    『スロウハイツの神様』の登場人物である人気作家、チヨダ・コーキのデビュー作という設定。
    本の装丁も、カバーがリバーシブルになっていたり、奥付が二重になっていたりと、嬉しくなってしまうような仕様になっている。
    でも『スロウハイツ』を読んだことがなくても、楽しめると思います。

    地の文が主人公の一人称で、ライトな感じ。
    言葉のセンスとか言い回しが、コウちゃんらしいなぁと何だか納得してしまいました。
    アールがどうしてああいう行動を取ったのか、それについて明記されていないので、そこで賛否が分かれているように見受けられますが。
    個人的には、はっきりと書かれていなくて良かったかなと思う。
    言葉で説明されたら陳腐に感じてしまったような気がするし、著者である辻村さん(コウちゃん)の「ここは読者の解釈に任せる」という意図を感じるような気がするから。
    想像するしかないので正解かどうかはわからないけれど、私は何となく、アールの気持ちがわかるような気がします。
    ちょっとやるせなくて、でも少しだけ希望が見えるような終わり方なのが堪らなく好きです。

    辻村作品の登場人物を思い起こさせるような設定のキャラが出て来るのがまた嬉しい。
    「料理の上手い画家」「孤児院で、洗濯機に突っ込まれたり乾燥機で回されたり」「大事にしていたウサギを殺された」などなど…あの作品の登場人物を下敷きにしているのかな?と考えながら読むのが楽しいです。
    ティーは、『子どもたち』の恭司かなぁ。
    アールは、気性が激しくてでもそれに自覚があるというところからして、これまた『子どもたち』の月ちゃんかなぁと。
    環の要素もありそうだけど。

    それから個人的に感じたのは、作中作を講談社ノベルスでやろうとしたのは、辻村さんが好きな綾辻さんの館シリーズに対する、オマージュなのかな?ということ。
    奥付が二重になっているのは『迷路館の殺人』を思い起こさせるような。
    とある一行で話のからくりがわかる、という仕掛けは『十角館の殺人』ぽいかなぁと…これは類推しすぎかな。

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