琅邪の鬼 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827189

感想・レビュー・書評

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  • 時代は、秦の始皇帝の時。舞台は、中国の東端の琅邪という小さな港町。海の向こうには、蓬莱が見える。
    斉の王室に伝わる「双龍の璧」が商家から紛失。それを発端に奇妙な殺人事件が立て続く。
    幾つかの絡まった事件を秦の方士徐福が、その謎を紐解き解決する。曰く、璧を縦糸とし、男女の愛を横糸とした事件。
    故事や易を盛り込んで、当時の市井が書かれている。
    徐福は、最後に登場なのだけれど、日本に渡り大和政権を建設したとか、秦氏の先祖といった伝説があり、それを楽しんだ創作なのかなと。
    方士の登場する小説とすれば、方位術に期待しましたけれど、易を一度たてただけです。そのあたりは、もうひと推しお願いしたかったです。
    シリーズっぽくなっているから、書いているかもしれないけど。

    • 土瓶さん
      そもそもタイトルが読めないな。

      ろうじゃ?
      そもそもタイトルが読めないな。

      ろうじゃ?
      2023/10/27
    • おびのりさん
      ろうや です。
      本当にある地名だと思う。
      ろうや です。
      本当にある地名だと思う。
      2023/10/27
  • 秦の中国統一直後に山東半島の根元にあった貿易都市琅邪を舞台に起こる怪事件の数々.名探偵が最後の数ページで謎解きをするというパターン.始皇帝暗殺を書いた「邯鄲の誓い」と続いてるところが面白い.最後のところは徐福が日本に渡ったという伝説を知っていると解りやすいと思う.

  • 中国古代・秦の時代を舞台とした伝奇ミステリ活劇。甦る死体、消え去る屋敷、などなど謎が次々と繰り広げられ、一気呵成的に解決する様は大いなるホラ話と言う感じで面白いですね。最後に歴史的ポイントをついた部分も嫌いじゃないです。前半なかなかストーリーが展開しないような気もしますが、それも各キャラクターを描く為かと思えば納得。ラストにそのキャラクター達が1対1の対決をするという、少年まんが的エンターテインメント展開には驚きましたが。

  • 秦の始皇帝時代を背景とした新本格的ミステリー。ハイライトの謎解きシーンは少し鮮やかすぎる嫌いがなきにしもあらずですが、エンタテインメントであればこのくらい派手でもかまわないでしょう。次作も楽しみです。

  • 2010年。第44回。
    中国、秦が中国を統一した頃。琅邪(ろうや)という地方で起きた殺人事件。
    奇想天外な事件ばかり。蘇った死体。また死んだ死体。盗まれた壁。一夜にして、家族使用人と家ごと盗まれた遺体。どうやって収束するのか?
    登場人物も、衰弱していく西王(金持ち新興商人)の子供たち。好きな人がいるのに親のいいなりに結婚させられる東王(金持ち商人)の次女。皇帝がたてた研究所で医学を研究する人々。市井で飲み屋をする人々。それぞれ、個性豊かに語られる。
    探偵役によって見事に収束する。
    戦国の世を懸命に生きた人々。学問に生きたり、武道に生きたり。流されるしかなく、盗賊になったり。根っからの悪人が誰もいない。

  • 『人のした事であれ鬼の仕業であれ、物事には必ず『理』というものがあります。人がそれを怪奇と呼ぶのはその結果だけを見ているから、あるいは、その一部だけを知っているからです。多くの人は一つの事件の部分部分だけを見ているから、不思議に思えるのです。

    私はそれらの話を聞いて、その隠れた部分を考え合理的に組み上げます。今度の事件もこれ以外に考えられません。』

    収拾がつかないかと思いきや、きれいにまとまってて面白かった!

  • う~ん、キャラもそれなりに多岐に富んでるし、一応戦闘シーン的なものもあるし、一応謎解きしてるし、おもしろそうな要素はありありなはずなんだけど…なんかはまりませんでした。テンポ?探偵役が急に出てきて一瞬ですべて理解したうえ「おまえ誰やねん!」な感じだから??

  • 中国が舞台の小説は初めて読んでみましたが、これは大当たりだった。やっぱり読み方の難しい漢字は出てくるが、総じてルビが振ってあり作者からの読者に対する優しさが垣間見えました。
    ただ中国が舞台なだけあって、日本人には馴染みのない単語も多いかも。それも作者目線から読者に分かりやすく説明されており、読み進めるのに問題はなかったです。

    シリーズとして続刊も出ているそうで、購入を検討したいけど、ここのレーベルは文庫本のくせにちょっと高いんだよね……。

  • いろいろ事件が盛りだくさんで、ラスト、都合がいいなぁ、と思うけど、飽きずに楽しく読み続けられる。
    小難しいこともなく、面白い。
    続きも読んでみようと思う。

  • 第44回メフィスト賞受賞作。
    秦の始皇帝時代の中国を舞台にした伝奇ミステリー。
    港町・琅邪で奇妙な事件が続発、求盗(警察官)の希仁が徐福塾の方士たちとともに真相に迫る。
    甦って走る死体、棺の中で年をとる美女、一夜にして消失する屋敷など事件が派手派手なのと方士たちの異能のせいでファンタジーのようだが、ラストで謎や伏線が一気にロジカルに解かれてしまうのが爽快。
    次々と登場するキャラは本の分量に対して少々多すぎるし、視点がころころ変わりすぎのような気がするが、書き分けがしっかりしているので混乱することはなかった。でも最後は風呂敷広げすぎのような。
    ラノベチックなのに作者が1954年生まれというのがすごい。次巻も期待。

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著者プロフィール

1954年、長崎県生まれ。福岡県立八幡南高等学校卒業後、陸上自衛隊勤務を経て、古書店を開業。ライフワークである邪馬台国研究を進めるうち、自身初の小説となる『琅邪の鬼』を着想。視覚障害を抱えつつも、家族の献身的な支えの中で執筆を進め、2010年、第44回メフィスト賞を受賞しデビューを果たす。現在、福岡県北九州市在住。

「2013年 『死美女の誘惑 蓮飯店あやかし事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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