奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2212
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827387

作品紹介・あらすじ

奇面館主人・影山逸史に招かれた六人の男たち。館に伝わる奇妙な仮面で全員が"顔"を隠すなか、妖しく揺らめく"もう一人の自分"の影…。季節外れの吹雪で館が孤立したとき、"奇面の間"に転がった凄惨な死体は何を語る?前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実が圧巻の推理を展開する。名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くして放つ「館」シリーズ、直球勝負の書き下ろし最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 待望の奇面館は実にストレートな本格でした。仮面、謎の会合、吹雪の山荘……など山荘ミステリのテイストを伏線らしく着実に使いながら、見事に騙してくれる。当初の予定より分厚くなっておりますが、ネタがわかるととても丁寧に書き仕上げた結果、という感じがします。それでも騙されてしまうのですが、綾辻さん、優し過ぎるぐらい丁寧です。
    私はいつも「ああこれはこういう伏線かな」と想像するものの推理はまったくど素人で、見事に騙し伏線にハメられ、あーあーやれたよーという、気持ちの良い悔しさを味わいました。
    毎度お楽しみである館の構造は、今回とても納得。ああなるほど、図面を見て何度も頷いてしまいました。館シリーズならではの楽しみですね。
    また終盤で語られる犯人の生い立ちというか、ここに至った経緯は、綾辻さん風味が出ていて美しい締まり具合。
    <本格ミステリの庭>で遊ばせてもらえました、大変満足です。

  • 「館」シリーズ9作目。
    本格ミステリ史上前代未聞の異様な状況下、名探偵・鹿谷門実が圧巻の推理を展開する!が謳い文句。
    最初から鹿谷門実が関わり、探偵らしく振る舞うのは珍しい気がする。

  • 売れているという巷の評判にのっかって手にとったものの、以前のショックが大きすぎてなかなか読むに至らず。ひょんな事から十角館を再読し(やっぱりいい!)、懐かしい名前の力で、漸く読む事が出来ました。当初から趣向に凝りすぎとは思ったものの正直、面白かった。3つの疑問に対する回答に満足。伏線の張り方もいい、読み返したくなる。でもラスト近くの全員がXXXXっていうのあれどうなの?「自分でもリアリティな基準では不可」をあえて出す必要があるのか疑問。これでもかのサービスし過ぎでかえって白けました。面白く読んでいただけに残念。

  • 最初に館の平面図だけで、登場人物の一覧がなかったのが不便で、自分なりにメモを取りながら読んだ。まさかそれも一つのキーだったとは。
    9作目になっても、全く違う趣向の設定がさすが。仮面を被らさせられたら、入れ替わりだと思っちゃう。なのに、それを否定されるし、だったらなんなの〜?と、アルバイトの新月さん目線で読めたのは、面白かった。
    設定で言うと、同姓同名、生年月日も同じとか、表情恐怖症とか、そもそもあの館のカラクリも、よりによって大雪だとか、色々無理がありそうだけど、それもなんでもあり。鹿谷の探偵役が板についてきて嬉しくなった。

  • 館シリーズ第九弾。

  • 不気味さは良かったけどドキドキ感が少なかったな。

  • シリーズ第9弾。
    吹雪の山荘の殺人事件。
    設定からして、いかにもな推理小説。
    正統派パズラーでありながら、本格推理の定石を、逆にネタにしているところも。
    ページ数の割に、ライトな読み心地。
    アルバイト瞳子の視点が、効果的だった。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-43f7.html

  • 久々の館シリーズ!絢辻ワールドが全体通して漂っている作品ながら、トリックその他はやや落ち着いた感じ?
    この人の作品って、前提が結構、力技だったりするけど、荒唐無稽にはならないのが魅力。
    館シリーズも残り1作!早く見たいような、見たくないような。複雑ー。

  • 久々の館シリーズで本格ミステリーに満足!
    ただ、最後のあたりから若干何がなんだかわからなくなったけど(笑)
    今回はスリルがちょっと少なかった気がするかなぁ?

  • 館シリーズ九冊目。館シリーズも残りあと一冊。早く出版されて欲しい気持ちと、終わってほしくない気持ちと。

    鍵のかかる仮面をかぶらなければならない館に集まった6人の男たち。中には代理で出席した鹿谷も。
    館の周りが雪で覆われた中殺人が起き、六人とも鍵がかかった仮面のせいで判別不可能な中、犯人探しが始まる。

    巻頭に登場人物の説明がなかったので、どの仮面が誰でというのを鹿谷が思い違いをするところがキモかなとか思っていたが、別の理由だった。

    鹿谷が語る言葉に、作者がこの作品を書くに当たっての大変さが伝わってくる言葉があり、なるほどと面白かった。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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