神様ゲーム (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 495
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828315

作品紹介・あらすじ

小学4年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。大嘘つき?それとも何かのゲーム?数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。猫殺し犯がついに殺人を?芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが……。

少年少女のためのミステリーシリーズ「ミステリーランド」で、読む子供、子供にトラウマを残し続けたと言われる 「神様ゲーム」が講談社ノベルズより発売!

感想・レビュー・書評

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  • 一体全体これはなんだったんだ。
    というのが読後の素直な感想。
    ラスト6ページからの衝撃が凄すぎる。
    と思ったら、ラスト2ページに真の破壊的な結末が待っていた。
    一体なんなんだこれは。

    とにかくまぁ謎の多い作品だった。ミステリと呼んでいいのか?問題作だ。

  • ミステリーランドの一作として刊行された時はもっと子供向けだと認識していたため今まで読んでなかったので読んでみたけれど、流石は麻耶雄嵩先生色んな意味で容赦がない。オチは非常にこの人らしい締め方だったのでもやもやすると同時に「これぞ麻耶雄嵩!」とも思えた。

  • 小学生が主人公のミステリー小説。最初はその題名どおり、子供のゲーム感覚のミステリーと思いきや、最後には「一体これはミステリー? ホラー? ファンタジー?」と読者を煙に巻く終わり方をしている。
    密室トリックを使い、古典的な手法で謎を解いていき、一体どうなるのかと最後まで読まずにはいられなくさせるのだが、最後は「えっ! どうして?」と読者を惑わせる作品だ。モヤモヤした感じを味わうミステリー小説だと言える。

  • これは、どう受け止めれば良いのだ。
    このもやもやを、どう解消しようか。
    ゲームがどんどんゲームじゃなくなり、最後の結論が「そっち?!」っていう。
    でも、割と序盤の一言が伏線になってたりして、そこは面白かった。

  • ファンタジーか?

     オカルトではないが、超視点の物語と見れば楽しめると思う。しかしながら、ラストの意味がわかんない。燃えたのがなぜあの人なのか? 流し読みしたからかなぁ。

  • 手に取ったのは新書版でしたが、もとはミステリーランドの作品ということです。
    乙一の銃とチョコレートもそうでしたが、ミステリーランドの作品いくつかは子供に見せるには痛烈すぎるような毒がきいています。
    かつて子供だった大人も読んでいいとのことなのでそういう人向けなのかなと。良いですね。
    子供向けとしてはどうかなと思ったのですが、読み終わったあとじっくり考えてみると、作者さんの意図したものかは分かりませんが「神頼みなんかするとろくなことにならないぞ」という教訓的な意味があるような気がします。

    神様、鈴木くん。彼のいうことは果たして絶対なのかどうなのか。
    話としては主人公の推理が一番しっくり来るのですが、神様が指したのは全く別の結末。理不尽に思え、えっ?と思ううちに唐突な幕切れ。
    後味が悪く残る面白い話でした。こういう雰囲気、とても好きです。
    わたしは、どんなに理不尽でも、説明が上手くつかなくても、全ては神様の言う通りだと、思うことにします。


    とても余談で私事ですが、この本には神様が「有限に有限を重ねても有限にしかならない」的なことをいう場面があったように思います。
    人間と神様の差、人間の限界ということを指したことばなのですが、同時期に読んだノーゲーム・ノーライフというライトノベルに、「有限に有限を重ねて無限に近付く」的な言葉があってすこしニヤリとしてしまいました。こちらも人間の限界を指す言葉です。
    真っ向から対立する言葉です。どちらが正しいとかそういうことではなく、ただ、私的にニヤリとしてしまいました。

  • 一行目:「芳雄。お誕生日おめでとう。」
    さよなら神様のほうを先に読んだので、遡る形になった。
    さよなら~のほうが圧倒的に面白い。
    猫殺しの犯人を追ううち、クラスメイトの英雄が殺された。猫殺しがエスカレートし、人を…?それとも犯人は別にいるのか。神様の言葉をもらいながら、少年探偵団は動き出す。
    犯人は、もう1人のクラスメイト、ミチル。共犯者はーなんと主人公の母。んなバカな。主人公の父が共犯説でキレイにおさまったのに。でも、神様は絶対だ。
    混乱のうちに、ページ切れ。子供向けのミステリーランドの作品でこのオチというのがすごすぎる。

  • 『神様ゲーム』麻耶雄嵩   講談社

    何と言ったらよいのか…。絶句。
    これ、「ミステリーランド」と言うシリーズの第七回配本なんですが、このシリーズのキャッチフレーズが「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ですと。ブラックジョークか?(^^;;
    多少の覚悟はありました。こちらでも何回かご紹介有りましたし。しかし…小学生が主人公で、少年探偵団が出てくれば良いってもんじゃないでしょう(´Д` )前半はまだしも、後半はトラウマになりそうな展開といやミス度。

    子どもが読んだらうなされそう。意味わかんない子もいるかも。
    自分を「神」と名乗る目立たない転校生がトイレ掃除で一緒になった「僕」の問いかけに答える「神の回答」。それがどう裏付けられて行くのか?と言うミステリーは読ませるけれど、最後、良いのかこれで⁉︎

    何だか世の中知らない事は知らないままの方が良い様な気がするのは私だけ?

    後味の悪さを、前回のご紹介で「笑える」ほどの…と言って下さった方の言葉を思い出し、強制的にB級ホラー映画の場面に一部脳内変換し、あり得ない設定と場面を思い浮かべて笑う事にしましたハハハ……>_<…

  • 流石麻耶さんと言わざるをえない作品でした。
    子供向けにしては、好きな子が目の前で死んでしまったり、親とその子が、とかちょっと内容がハードモードすぎるかなぁ、と。
    全然ジュブナイルでは無いですよね…。

    ミステリとしては良く出来ていたと思います。
    一応ちゃんと「母さんが小さいから~」「母さんが小さな躰を~」という記述もあるのでフェアではあるのかなぁ。
    そう考えながら読み返すとミチルの言動もちらほらそれっぽいのがありますね。
    全知全能の神様が小学生という設定が面白いです。

    でも逆に神様なんて居なくて犯人は父親かもしれない、という考え方も面白いんじゃないかな、と思います。
    そいいう読む人によって解釈が変わってしまうもやっと感が良い味を出しているのでは無いでしょうか。

    ひとつ気になるのはタイトル。
    神様ゲームの英訳がGOD'S TRUTHになっている事。

  • 最後に「ファ…ッ?」となったのはやはり私だけではなかったようで。読後すぐは「母が共犯だったのか…でもどうやって?」のハテナがいっぱいだったんだけど、いろんなレビューを読んで、これが父への天誅だったという解釈もできるのか!と目から鱗。あと、読んでいる時は「神様が本当かどうかは重要ではなく、ミステリの要素として『鈴木が言っていることは正しい』という情報の出し方をしたかったんだなぁ」と納得していたが、それすらも否定できる(この小説の範囲内では)ことに他の人のレビューを読んで気付くという…。通ぶることすらできない自分に恥ずかしくなる。
    正直内容はあまり気持ちの良いものではなく、ラストのモヤモヤも相まって嫌な気持ちになる。ただ、ミステリとしての余白の残し方が上手で、いろんな人の考察を読むのが楽しい。個人的には本編よりもそっちの方が楽しかった。そういう意味では面白い小説。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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