決壊石奇譚 百年の記憶

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著者 : 三木笙子
  • 講談社 (2013年5月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828421

決壊石奇譚 百年の記憶の感想・レビュー・書評

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  • 近頃、なんだか石づいてます。
    呪いのかかった殺生石、火星からの隕石、ときて、今回は「決壊石」。

    人が強い想いを抱いて石に触ると、その想いが石に流れ込む。
    それが石の器としての容量を超えて溢れ出したときを石が「決壊」したといい、その石は決壊させた人の強い想いを記憶として宿す。

    決壊石の記憶を読むことができる特殊な力を持ち、祖父から石と記憶を引き継いだ大地。
    舞台である北国の田舎に越してきた徹は、駅に降り立ったときに感じた一陣の風に似た大地と、彼の語る石(鉱石)の話に惹かれる。

    徹と大地の話を中心に、良治(りょうち)と伝(つたえ)、航(わたる)と賢一という彼らの祖父や父親の世代の話がそれぞれの決壊石を通して、絡みあいつながっていく。
    石の記憶は読み取るだけならまだしも、後悔などの感情までも自分のものとして受け継いでしまうので不条理というか、厄介……。受け継いだ子たちが自分のものではない苦しみに囚われて不憫です。

    読者目線だから思うことだとわかっていても、徹も良治も航も、もっと自分と相手の信頼関係に自信を持ってほしいと思うことが度々。
    相手を大事に思うあまり、嫌われること・赦されないことを怖がり、一人で秘密や罪の意識を抱え込んで、苦しむ姿がもどかしくて、見ていて悲しい。
    徹と良治と航。血のつながりなんて関係なく、真面目すぎて優しすぎるところがとても似ている。

    闇に囚われた徹が、大事だと想い・想われている人たちのもとへ還ってきますように。

    明治~昭和の中期頃と思われる時代がお話ととても合っていて、きれいで少し哀しいけれど優しい世界でした。
    三木笙子さん、次は帝都シリーズを読んでみよう♪

  • 石の持つ辛い記憶を受け継いだ少年たち。彼らなら、過去を乗り越え、あったかい記憶へと生まれ変わらすことが出来るでしょう。
    それなのに、このラスト!この想像する事しかできないこの終わり方には悶絶しちゃいますね。彼らのその後はもちろんだけど、良治さんの書いた手紙を伝さんは結局読んだのよね?とか、芦原家の迷信をあまりにも深く信じてるところとか、芦原くんの想いとか、伝さんの銅鏡とか、気になるとこがいっぱいあるんだけど、本当にこれで終わっちゃうの?もったいないですよ~
    でも、航の怯えようは、良治の後悔からだけではなくて、自分が事の原因である久守の子孫だからってのもあるんじゃないでしょうか。過去の理から逃れられないのが、石の記憶を読むことができる人間の宿命なのでしょうか。この若い2人が断ち切ってほしいものです。

  • 何冊かこの著者の作品を読んだが、どれも人間関係が上手く語れていない。
    大地が忌避されている描写が薄いので、徹との親しさが≪特別≫に思えない。

    ラノベで1冊毎に鉱石にまつわる事件やら話やらをつなぎながら
    5~10冊くらいの時間をかけて「実は……」
    とやるべきあらすじを、それほど枚数のない1冊にまとめてしまった印象。

  • 表紙に魅かれて読みました。
    三木さん2作品目だけど、いつも何かとても惜しい。
    中盤は面白いと思った。だけど序盤と終盤は
    想像と違う方面に走って行ってしまったような気がする。

    それぞれの因子は好きなんだけど
    硬くて遠回りすぎて、なかなか進まなかった。

    いくら読んでも頭の中で物語が映像化されない…
    というか、イメージしにくかった。

    鉱物、記憶、継承、十和田、環状列石、幕末…
    と、わんさか盛り込み過ぎて、読み疲れる。

    ちょっとBL臭もあり、セリフに時々ドキッとするけど
    いまいち引き込まれなかったかも。

    ちなみに秋田出身の三木さん、地元には鉱山学部(今は改名された)
    や、鉱山博物館、銀山や銅山など炭鉱の町が多かったりする。

  • 思わせぶりな物語の〆方!どーしてくれんのよ?この悶々と切ない気持ちを。ハッピーエンドを想像できるからまだ良いけど。世代を引き摺る程の後悔の念を継承していながら(主人公の父)、逃げの一手ばかりと言うのは解せないな。それ程強い後悔なら「どうぞ気の済むようにしてくれ」って潔くならないものかな。守りたいもの(主人公)があるからかな。ところで三木さんの作品って、どれもそこはかとなく何気にビミョーに腐センサーの針を反応させる様な気が…。

  • 石に刻まれた「人の記憶」を読み取り、その想いを引き継いでしまう能力が招く、哀しいすれ違いと優しい友情の物語。登場人物に根の悪い人が出てこないため、アクはない。むしろ誰も彼もが相手を思いやっているので、きれいすぎて逆にやや落ち着かない気も(苦笑)。展開としては切ないが、ドロドロした愛憎劇がお腹いっぱいでちょっと心を休めたいという時には、ちょうどよいかもしれない。描かれていない事件の結末は予想のつく形ではあるものの、余韻を残すというよりは物足りなさを覚えたラストなので、できればもう少し引っ張ってほしかった。

  • 石に刻まれた記憶を受け継ぐ三世代に渡っての物語。江戸時代、野見伝と柿崎良治ふたりの友情がうまれ、そして相手を思うが故に起きたすれ違いが、約100年の時を経て解かれようとしている…。 ラストいいところで終わるんだけれど、ラスト云々に限らず、この本には胸に優しく残る文がいくつかあってよかった。
    2人の友情は、時を超えても続き、2人だけのものではなくなって、人と人を結びつけた。

  • ここで終わってもらっては困る。

  • 三木作品としては期待外れ

  • 宝石好きな人なら、
    内容はともかく、
    読めると思う。

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決壊石奇譚 百年の記憶の作品紹介

同級生の大(だい)地(ち)に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹(とおる)。
鉱石の話になると途端に饒(じょう)舌(ぜつ)になる彼と過ごすうちに、
徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。
特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。
大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝(つたえ)から記憶を受け継ぎ、
昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。
話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をする――。
水晶、瑪(め)瑙(のう)、琥(こ)珀(はく)、翡(ひ)翠(すい)……、鉱物が照らし出す真実とは?

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