猿丸幻視行 (講談社文庫)

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著者 : 井沢元彦
  • 講談社 (1983年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061830790

猿丸幻視行 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読み出しは「精神的な過去へのタイムトラベル物」かと思ったが、途中から(主人公と思っていた)現代の香坂は全く姿を現さず、当然過去の歴史にも何も影響を与えず、民俗学の知識を駆使したミステリーであったことに気付かされる。難解な謎解きもあるが、読後にある種の爽快感を感じたのは展開の巧みさによるものと思います。

  • 妻が高校生の時に読んで無茶苦茶面白かったと勧めるので読んでみました。
    暗号解読、天皇関係の争い、どちらもあまり興味を持てず、何とか最後まで読みましたが。歴史や漢文系が得意だったらもう少し楽しめたのかなあ。

  • 【メモ】

    『ちはやふる』で、新のアルバイト先の書店に「課題図書のタイトルを忘れてしまって…」とやって来るシーンがあって、その本というのがこの『猿丸幻視行』でした。

  • SF要素もある歴史暗号ミステリ。とてもおもしろい。梅原猛『水底の歌』やそれに対する反論なども取り込みながら、フィクションとして魅力的な結論を出している。なお、作中の折口信夫が上代特殊仮名遣に触れない点は、明治四十二年という時代設定を鑑みて矛盾しない(宣長や龍麿の指摘が橋本進吉によって「再発見」され、発表されたのは大正六年)。

  • この小説の存在自体はずいぶん昔から知っていて、それというのも、親戚のお兄ちゃんから興味深くこの本を紹介されたのがきっかけだった。それ以来気になってたから、かれこれ20年越しくらいでやっと読んだことになる。長っ。小学生時代、百人一首にちょっとハマってて、そういう話をしてたとき、猿丸大夫と柿本は…みたいな話になっていったんだろうと思う。そういう歴史論考的な内容だけでも十分楽しめたけど、ほんの少し、殺人事件をかませてあったのも、一筋縄ではいかない感じでよかった。長年楽しみにしてた分まで楽しめました。

  • 当時、叔父の薦めで読んだ記憶が… 兎に角「いろは歌」を空で云えるように覚えて同じように書いてみたりしたものです。

  • 折口信夫は、柳田国男よりももっと学者らしい孤高のイメージが強く、作家としても、死者の書という難かしい本を書いた作家という事で、一般には敬遠されているようだが、このイメージを吹き飛ばすのがこの本である。この作品で、折口信夫を金田一耕助なみの探偵にしたてあげた。
     井沢元彦氏は、この本を書くにあたってこう言っている。
    『謎とは「猿丸太夫の正体」、解明するのは折口信夫ーそう、彼しかいません。この謎を解明するには、国文学・民族学・歴史学・神道など諸学に通じ和歌、漢詩、謡などの素養があり、そのうえ推理力に富む、知的好奇心旺盛な人物でなくてはならない。それが折口信夫なのです。』
     この本は物語であり虚構であるのだが、主人公折口信夫があまりにも生き生きと描かれていて、本物のように思われるから不思議だ。

  • 読まなければと思いつつなかなか読めなかったけど、マンガ「ちはやふる」を読んでたらわざとらしく小説の名前が出てきたり(絶対推薦図書にはならんだろうw)、万葉集に少し興味を持ったのでとうとう読んでみた。

    こんなスゴい小説があったとは。

    なんらかの体系を下敷きにした話というのはものすごく面白いことがある。
    ハードSFなんてまさにそうだし、「写楽殺人事件」は浮世絵に代表される江戸美術史という体系がベースにあった。「症例A」は精神医学の臨床の描写が圧倒的だった。
    この小説は、上代日本文学と奈良時代日本史に潜む謎をベースにしている。

    この手の話は自分の専門分野だと「いやいやそれはないだろう」などと荒が見えたり、主流と離れすぎていると冷めてしまったりすることもあるかもしれないが、自分にとってはどこまでが史実で、どこからが創作かまったくわからなかった。

    いや、よくぞ考えた、この話。というか暗号と歴史上の謎解き。
    もしかしたら真実をついている部分もあるのかもしれない。
    スゴい。

  • 猿丸太夫=柿本人麻呂同一人物説。

    そんな歴史ミステリーに民俗学者折口信夫がその難問を解決する。話の展開は面白く読みやすい。ただ、私が柿本人麻呂やいろは歌、日本書紀、折口信夫などを知らないから、本来の面白さが分からないんだろうと思われる。

  • 暗号ミステリーとしても、歴史ミステリーとしても、
    史実を覆す楽しみを味わうにもオススメ。
    謎が明かさえてくるにつれ、背中がゾクゾクした。

  • 学校の指定図書として高校時代に読んだのですが、
    あまりの面白さにびっくり!
    時代小説で謎解きなんて、かなり斬新だと思います!

  • 再読。若き日の折口信夫
    が挑む謎の歌人・猿丸太夫の正体とは……。
    史実や文献に隠された秘密を探る推理パートに加え、”いろは歌”をつかった暗号解読がスリリング。導入部のカーの歴史ミステイ風のギミックも愉しい。

  • この本に出逢って以来、10年位 井沢元彦~梅原猛氏 ラインに
    どっぷりハマってしまいました。
    私の読書のジャンルを大きく変えた、思い出の1冊です。
    最近10年は舞台を中国に移し、宮城谷昌光~白川静氏 の世界に
    毎夜 旅しています。

  • 薬でトリップ。

  • 20年以上前に読んだ時は
    とてつもなく面白く感じて一気に読めたのだが…

    若い頃のような集中力がないせいか
    暗号解読の詰めで読み進めに苦戦した。

    不自然さを感じる部分もあるが、
    そこは大事ではないと思える力作である。

    解説における著者のことばで

    「現代の謎を過去の人間に解明させる。
    それも最も適した人材を選出し、謎の解明を委託する。
    …そんな夢を描いてみたのが、この物語です。」

    とある。

    折しも年明けにこの本を読み終えた。
    初夢にこんな壮大なドラマが見られたら…と期待してしまう。

    以下、あらすじ

    49の万葉仮名に隠された暗号とその秘密を解くミステリー。

    舞台は昭和55年の東京と
    明治42年、東京、大阪、奈良、近江と山城の国境にある猿丸村。

    主人公、香坂は製薬会社の新薬実験である
    過去幻視効果(過去の人間の意識の中に入ることができる)
    を体験することになる。

    家に伝わる猿丸額の謎を解くべく過去へ旅立った香坂は、
    まだ若き明治の民俗学者、折口信夫の意識の中に入りこみ
    暗号解読を見守る。
    (猿丸額:猿丸大夫の霊を祭った神社に奉納された額)

  •  自分の好きな国学者(折口信夫)が探偵役をつとめていると聞いてホイホイされた一冊。その後、勢いで「人麻呂の暗号」にまでつっこんでしまったのは今となってはよい黒歴史ですorz 若気の至りだと思って、苛めるのはもう勘弁してください>関係者各位

    「過去の人間と意識をリンクさせることが出来る新薬の被検体のバイトに応募して、」明治42年の折口信夫と同一化する(彼がなにを考えていたかを知ることができる)ことになった―――という冒頭からして力ずくトンデモアクロバットミステリーですが、流石の筆力でしっかり書かれているので、作品世界にさっと入っていくことができます。
     「いろは歌」のあの解釈(咎なくて死す)や「奥山歌」の暗号なども、「いかにももっともありそうだ」と思わせてくれて、作品世界にどっぷりとおぼれて楽しめました。殺人事件はいっそなくてもよかったかも、と思いましたが、折口信夫の「嗜好」についての解釈を通すためには、やはり必要だったのかとも。

  • ジャンルはなんだろう……暗号小説? 推理もせなあかんしなぁ。変な小説。悪い意味じゃなく

  • 中学の頃に読んだのが最初。歴史が好きだったので、隠された歴史というのも魅力的だった。

  • ちょっと前の小説だけど、やっと読んだ。いま現在を舞台にした小説だと携帯がなかったりすることで違和感を感じるけどこれは大丈夫。ほとんどの部分が明治時代。
    柿本人麻呂や万葉集などについて教養小説にもなる暗号小説。ずっと残っていく名作だと思う。

  • この作品を読んだ後は雅な古典の世界にはまったような錯覚に陥ります。(笑)歴史上の人物といろは歌の謎を独自解釈で追っていく内容なのですが、これぞエンターテイメント!と呼べる作品だと思います。

  • 久々に納得のいくミステリー(というか謎解き?)小説に出会えました。
    お父さんに貸してもらって読んだ本なので、初版1983年、手元にあるのが1996年の24刷目。
    なんか歴史を感じるねwwww

    主人公は、うーん、多分折口信夫。明治四十二年のはなし。
    だけど、実際の主人公というべき人は香坂明、昭和二十九年生まれの二十六歳。
    香坂は、過去の人間の意識に入り込むというR新薬の実験台として、折口信夫とリンクしてほしいと頼まれる。

    折口は研究していた猿丸と柿本人麻呂の関係の謎解きをしていた。
    彼の友人、柿本はあの猿丸太夫の末裔だと聞き、2人は謎解きを始める。
    が、突然の事故―柿本の父と同じ方法での「殺し」ではないかと、折口は事件の真相を暴いていく。


    「いろは歌」や「奥山歌」、殺人事件、どの謎をとってもきちんと筋立てされていてすごい。
    若干、中学生には難しい気もしたけど、やっぱり史実から謎を解き明かすというのも凄いと思う。
    これは流石、江戸川乱歩賞取れちゃうのも納得です( ̄ー ̄)+

  • 最初に読んだのは中二の時だったかなwwwなんか現代人の主人公が折口信夫(大正-昭和期の国学者)の精神に入り込んで、柿本人麻呂と猿丸太夫の謎を解く、という、今思えばものすごいトンミス。でも、いろはうたや有名な「奥山に〜」の歌を暗号として読み解いたり、それらしい文献を並べたりしてあって、子供だったオイラはめっちゃ興奮したもんです。その分、一応出てくる殺人事件が取ってつけたように浮いてますけど^^;

  • 小学生の頃に親に薦められて読みました。「いろはにほへと」はロマンですねえ。

  • 江戸川乱歩賞を受賞したデビュー作。歴史ミステリーという新しいジャンルか。

  • 井沢氏のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞作。

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