夜中の薔薇 (講談社文庫)

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著者 : 向田邦子
  • 講談社 (1984年1月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831827

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夜中の薔薇 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 向田邦子さんのエッセイ。
    食べ物のこと、旅行先でのことが、興味深く書かれていた。意欲的に生きてこられた方なのだと思った。
    特に、「手袋をさがす」が印象的です。気に入るものが見つかるまでは、決して妥協を許さない…今でこそこんな自立した大人の女性が増えてきていますが、向田さんは、そういった現代女性のパイオニアだったのではないでしょうか。

  • 気にいるものが見つからず手袋なしで冬を過ごすような会社員時代の著者に
    上司が言った言葉が胸にささりました。

    10代の前半に読みましたが 「気にいらない物がそばにあるとおちつない」
    という自分の性格を変えたいと思っていた私に投げかけられた言葉の様に
    感じました。

    今も性格は変わらず。

  • 終盤の「手袋を探す」「時計なんか恐くない」がよかった。20代の女の子向けかもしれないけれど、40代が読んでも。向田邦子の負けん気を少しだけおすそ分けしてもらった。

  • 理想の女性、向田邦子。「手袋をさがす」がとっても好き。

  • 向田邦子の文章が好き。(他者にも自分にも)観察眼が鋭くて流石だなと思う。手袋をさがすと時計なんか怖くないが特に好きで、自分のことを少し肯定でき心が軽くなった。折に触れて何度でも読み返すだろうと思う。

  • 201507読了
    ベルギー旅行記が含まれている。
    20100210読了
    向田さんのエッセイは歯切れが良い。テンポが好き。切り口も好き。小難しい説明的な文章やだらだらとした叙述的な文章はいらないけど、ただなんとな~く活字が欲しい、そういうときに最適。旅のお供。

  • 5年前「手袋をさがす」を読んで、向田さんが大好きになった。
    痛いところをつかれた、と思った。なんど読み返しても胸のあたりが「うう」と詰まる。もっともっとと上ばかりを見ていた自分。さらに上をいく人に憧れて、がむしゃらに追いかけては疲弊していた。かといって、妥協をして、手頃な手袋で我慢したところで、結局は気に入らなければはめないのだ。本当にそうだと思った。周りの友人達の幸せそうな姿が、なんだか遠くの世界の出来事のように見えた。

    大学の卒業旅行でイタリアで買った大好きな傘を5、6年使っていたが、それが壊れてから、まだ気に入ったものが見つからない。値が張ってでもこれは、と思うものが欲しい。でも、どこにも見つからないから、今は雨が降るたび「いけてないな」と思う傘をここ何年も使っている。

    手袋に関して言えば、この小説を読んだ直後に友人がミトン作家になっており、オーダーメイドで思う通りの手袋を作ってもらった。こういう手もあるのか、と思った。あるものを探して見つからないのであれば、自分に合う形を作り出せば良い。手袋であれ、人であれ、仕事であれ、職場であれ。今はそう思っている。

    それでも、私が時折この小説を読み返して胸を「うう」とさせたくなる理由は、向田さんが二十二歳のあの冬の晩にした決意が、あまりに男前で涙が出るほど格好良いから。運命の神様にけんか腰でタンカを切ってじたばたしながら「手袋をさがしつづけて」いた向田さんに、喝を入れてほしくなるからだと思う。
    ———————————————————————
    十人並みの容貌と才能なら、それにふさわしく、ほどほどのところにつとめ、相手をえらび、上を見る代りに下と前を見て歩き出せば、私にもきっとほどほどの幸せはくるに違いないと思いました。そうすることが、長女である私の結婚を待っている両親にも親孝行というものです。

    —今、ここで妥協をして、手頃な手袋で我慢をしたところで、結局は気に入らなければはめないのです。気に入ったフリをしてみたところで、それは自分自身への安っぽい迎合の芝居に過ぎません。本心の不満に変りはないのです。

    —でも、この頃、私は、この年で、まだ、合う手袋がなく、キョロキョロして、上を見たりまわりを見たりしながら、運命の神さまになるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰で、もう少し、欲しいものをさがして歩く、人生のバタ屋のような生き方を、少し誇りにも思っているのです。
    ———————————————————————

  • とてもいい本だった。
    手袋の話しが好き。

  • 地元の図書館で何気なく手に取って「手袋をさがす」を読んだ時は衝撃だった。内容はもちろん、綴り方は揉まれてきた人のとる距離感で、本当にこういう生き方だったことの裏付けなように感じる。やるせないもやもやをかかえながら生きられるのはこうして、やるせなさが確かにあることをアウトプットしてくれる人がいるからで、わたしはこの文に救われた、たくさんいるだろう女性のうちのひとりです。

  • 皆さまのレビューと同じく、最後の3編が特に良かったですね。

  • キャリアを重要視し、働く女性はみな「手袋をさがす」が好きだと思う。
    自分が自分らしく生きることを、潔く自分で認めることの難しさよ。
    結婚、出産、専業主婦で〜みたいな「女の幸せ」を手放して、
    頑張っていると、ふと前も後ろも見えず佇みたくなる。
    これで良かったんだっけ?と自問自答して、夜眠れなくなる。
    そんな眠れない夜に読みたい1冊。

  • 資料番号:010770428
    請求記号:F/ムコウ

  • 書店ガール4に登場していた本。母親の勧めで、シューカツ生が人生について考えるきっかけになる本。

  • 「手袋を探す」がすきです。

  • 向田邦子は名前だけで、作品や人柄は全く知識がない。読んで、こんな人が近くにいたならば、発されるエネルギーに逃げたくなるか元気をもらうか、どちらだろうと思った。
    「男性鑑賞法」と最後の3編が好き。当たり前なのだろうけど、人間を描く言葉選びが上手。男に対して採点甘めというか敬意、(きっと自身も含め)女に厳しいという印象。テレビって男社会なのかなあ。

  • まだまだ続くマイ邦子ブーム。だが自身が書いたエッセイ、小説の類はあとは『眠る盃』でそろそろおしまいか。暮れにCS、TBSチャンネル2にて向田邦子のエッセイなどをもとにこしらえたドラマの再放送を一挙に放送、ぽちぽちとみているが、知っているエピソードがあってうれしいのだけれど、やはり自身が書いたストーリーではないので、ドラマ自体はいまいちなのである。

  • 正直初めはだらだらと読んでいた。可でも不可でもなくといった塩梅で。
    けれども最後の三編特に「手袋をさがす」を読んで、ああいい本を読んだなあとしみじみ思うことができた。素敵なエッセイです。

  • 自身のことを書いているエッセイの部分が好き。とても感性豊かでいいセンスを持っていたのが伺える。しかしだからといって高飛車ではなく、人間くささもあって読んでいて心地いい。

  • 本当に何気ない日常をこんなにも鮮やかに書くことができる向田さんの感性に憧れます。

    いろんなことに目を向けて、人一倍アンテナをはって初めて成せることだと思います。

  • エッセー集、文章はさすがにうまく、端麗である。内容は料理のレシピや旅行記や日常の人間観察など、著者の生活密着の視線がおもしろい。戦中の女学生の話とか、戦前、戦中、戦後のサラリーマンの暮らしとか、なかなかにおもしろい。「手袋をさがす」という文が入っているが、若い女性の人生の彷徨はわかるが、ちかくに居たら強烈な自己主張はちょっとはた迷惑な人物でもあるなと思う。

  • ドラマ脚本家で作家の筆者のエッセイ集。

    私的なことを書きつつ余計なものや暑苦しさが一切ない文体が読んでいて気持ちよい。食のこだわりエッセイが盛りだくさんで、改めてレシピ「向田邦子の手料理」を紐解きたくなった。

    「手袋をさがす」の気に入るものが見つからず毎日不満なことだけが明らかで、ただどうすれば良いのかわからない、という感覚がわかりすぎて全文引用したいほど。ただそんな自分と違うのは筆者が納得いく方法をとことん考え抜いてること。それが明瞭な文で言語化されており、共感しながらも手の届かない人だと感嘆した。
    向田さんの達観には届きそうもないけど、自分なりの手袋との付き合い方を真剣に考えよう。

    鋭い洞察と楽しいこだわりに満ちた一冊。繰り返し読みたい。

  • ほとんど「手袋を探す」のことしか、覚えていません。
    「手袋を探す」だけ、何度も何度も読み返しちゃう。
    自分は何を探してるのかとか、
    向田さんのこの話に置き換えるとすると私の自然の枝ぶりってのは、どいつのことなんだろうとか。
    自分の望みを、しかしあんな風にきちんと分かっていることが、あたしにはすごいことだと思われます。

    望みのことばかり考えていると、しおしおと何もなくなってしまいそう。
    結局、いつも、目の前にはひとつひとつのことしかなくて。
    それをどうするかを考えていくことでしか、前には進めないのじゃないかしら。

  • 全話洞察力に優れ面白いのだが、特に印象に残ったのは「手袋をさがす」の、あの満たされない気持ちの巧みな描写だ。

  • この本の中の「手袋をさがす」というエッセイが読書会の課題図書だったので一冊読んだ。


    『手袋をさがす』

    「気に入らないものをはめるぐらいならはめないほいがいい」
    と若き向田は言う。

    「男ならいい。だが女はいけない。」「女の幸せを取り逃がすよ」
    と上司は言う。

    せいたく、虚栄心、
    ほどほどで満足しない、
    もっと探せばもっといいものがあるのではないか。

    でも結局妥協して手頃な手袋を買っても気にいらなければはめない
    →結局治らない
    →考えても仕方がない

    自分の短所を修正するのではなく、それを特性と考えて積極的に捉えること
    →自分が生き生きする

    結局は元来の自分を修正せずにそのまま活かした結果

    →運命・人生は「元来の自分」に基づいて自ずと決まっていくものかもしれない。
    目標を決めてそれに向かって努力していく人生とは対極の考え方

    向田邦子の結論
    「生まれ変わらない限り、精神の整形手術は無理なのではないでしょうか」

    →変わることはできない。
    だったら認める。その上で生きる。活かす。

    おれは逆。
    すぐに手元にあるもので満足してしまう。
    見方によっては長所、見方によっては短所。

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