カンガルー日和 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7975
感想 : 615
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838581

作品紹介・あらすじ

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。都会の片隅のささやかなメルヘンを、知的センチメンタリズムと繊細なまなざしで拾い上げるハルキ・ワールド。ここに収められた18のショート・ストーリーは、佐々木マキの素敵な絵と溶けあい、奇妙なやさしさで読む人を包みこむ。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的にはあまりハマらなかったかなぁと。
    物語の始まりを予感させつつも余韻をもたした終わり方をするので、個人的には消化不良感がありました。

    私は割と一気読みタイプの人なので、世界観が流させていくような感覚があり、本の読み方も作品の面白さに影響するのかなぁと思いました。こういう短編集は夜寝る前に一編ずつ噛み締めながら読むと良いのかもしれません。

    しかし文章がまとまっていたこともあり、割と読みやすい印象を受けました。

  • 1981〜83年発表の短編18作品収録。変化に富んでいて楽しく読めた。

  • 村上春樹作品はこれが2本目。まだわたしが理解できていない魅力がたくさん眠っていそう。

    文章は分かりやすいのにストーリーが難解で不思議な読書体験。舞台みたいだなと思う。起こっていること自体は理解できるけれど、そこに込められた意味を読み取れない。まだまだ村上春樹作品に挑戦したい。

  • 10ページ程度の17個のストーリーが詰まった短編集。
    ぶっとんだ想像力と世界観に圧倒される小品もあれば、
    ほろ苦い余韻の残る大人の恋愛を描いたストーリーまで
    楽しむことができる。

    最後の「図書館奇譚」だけは、まとまったページ数がある。
    ファンタジーと切ない要素がちりばめられた、
    本好きな少年の大冒険である。

  • 村上春樹氏の短編は、初めて読みました。
    とても短いものから、長めの「図書館奇譚」まで、不思議な物語がずらり。
    村上氏らしい言い回しやキャラクターが素敵です。
    私は「カンガルー日和」「100パーセントの女の子に出会うことについて」「鏡」「スパゲティーの年に」「図書館奇譚」が好きです。
    どれも短編なので、気になった話は読み返したり出来るのが良いです。

  • 久しぶりに読んでみた。  眠い  の短編で、眠けが覚めた。
    このストーリーの中で、眠たい 僕、は、眠気を追い払うためにやたらに英語のスペリング.テストを頭の中でつづってみる。corn potage soup ……簡単すぎて効果なかった。?  私、わからなかったぞ?じまん、?、にしても、お洒落な話を、相変わらずに。   バート.バカラックはお好き?  では、主人公の  僕 は ペン.ソサイエティー という会社で、手紙の添削をし、感想と指導の手紙を書く、というアルバイトをしていた……    手紙好きの私には、印象的な、ストーリーだった。

  • 高校生のとき、現代文の教科書に村上春樹の「鏡」という文章が載っていた。小説なのかエッセイなのか分からない語り口で、授業中にこっそり最後まで読み、「これはおもしろいぞ」と思っていた。大学生になり、つい最近、『カンガルー日和』を手にとって読んだら「鏡」が入っていて、ああ、出会い直すことができたぞ、とうれしくなった。

  • タクシーに乗った吸血鬼は言い回しに笑ったし、図書館奇譚は脳味噌ちゅうちゅう表現や、羊男の登場、全国の図書館でそんなことが行われているとは…というファンタジーで面白かった。

    「それでは幽霊と吸血鬼の違いとはいったいなんですか?」
    「幽霊というのはつまり肉体的存在に対するアンチ・テーゼだな」
    「しかし、吸血鬼というのは、肉体を軸にした価値転換だ」p44

  • この作品は全18作品で構成された短編集である。どの作品もメルヘンチックな世界観で描かれているが、どこかリアリティを感じる。これは恐らく作中に描かれる風景が、私達の日常生活に酷似しているからだと思う。雨が降った次の日の朝、街中の裏路地、薄暗がりの廊下、古本特有の匂いがする図書館。誰もが経験したことのある風景の中に、隙間風のよう違和感なく入り込む摩訶不思議な設定が、読者を虜にする理由の一つだと思う。現実と非現実の中間のような世界観、これがハルキ・ワールドなのだろうか。
    初めて読みましたが、かなリ読みやすくおすすめの本です。『5月の海岸線』『4月の晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』この2作品が特に面白かった。

  • ふって笑える感じが好きで気づいたら家に3冊ある(無駄)

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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