- Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061841130
作品紹介・あらすじ
ここにはキリストが様々な姿で出てくる。それぞれの画家がそれぞれの思いの中で、一番描きたかったキリストなのであろう。信仰であろうか。美学であろうか。受胎告知に始り、十字架、復活、そして最後の審判に至るまで、ラファエルロ、レンブラントなど世界の名画44点と、エッセーでたどった、「キリストの生涯」。
感想・レビュー・書評
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受胎告知、そして誕生から十字架の死、復活、再臨とイエス・キリストを描いた44作の絵画を著者が解説とは言え、美術的な観点からの説明ではなく、著者の信仰的な観点からの解説である。イエスの受洗の絵(ピエロ・デラ・フランチェスカ作)から、光世さんが「受洗は十字架の一端かもしれない」と語った言葉に目から鱗、と明かしているのは、その通りだと感じた。ティントレット「ガリラヤ湖のキリスト」絵については、水の上を歩いているとは見えないとし、画家の信仰を示しているとの解説は、本当に新鮮だった。
そして有名な「最後の晩餐」は裏切りの予告直後であり、その空気を表しているとの解説も改めてこの絵をその視点から見てみたいと思わされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キリストの生涯をキリストに関わる絵画と三浦綾子のエッセイで辿っていく。
三浦綾子さんの文章からは、背筋がピシッと伸びており、どこか気高さのようなものを感じた。 -
絵の魅せ方が先ずダメだ。
文庫なら文庫としての絵画の魅せ方がある筈なのに、絵を大きく見せようと見開きにして、全体像を、絵そのものを台無しにしている(最後の晩餐は特に酷い)。これだから文庫型のこの手の本はダメなんだ。サイズが小さいなら小さいなりの工夫が全くされていない。1987年発行なのにその辺を改訂しないのはどうなのか。価格だけは私が購入した頃より跳ね上がってるというのに(税込540円→現在税込825円)。
対照的に三浦綾子氏の本文は面白かった。キリスト教を知らない、若しくは敬遠する一般人にもこれくらいの短文はとっつきやすいと思う。一般人で西洋美術好きな自分は時系列なキリストの生涯をざっくり知れて楽しかった。
彼女にはクリスチャン特有の選民的押しつけがない。クリスチャンへの問いかけはあるが、少なくとも不特定多数に向けるものは、この本の中にはあまり見受けられない。さすがプロだと思った。加えて三浦氏自身が書いてるが、絵に関しては門外漢。絵を見る視点は一般人で素直で純粋さもある。
軽く読める絵画鑑賞本。大人の絵本といった趣だろうか。 -
これまでも、これからもキリスト教信者にはならない。
だけど、教養として読んでおきたいと思った。
結果、読んでよかったと思った。昔から絵画が好きだったから、本の中にも、見たことのある絵画や、前に見たものと同じ構図の絵画があった。「なるほど、その神聖さを伝えていたのか」「たしかにこの考えはいいな」と思うことが多々あった。ただ反対に、女性の人権意識が薄くて「ん?これはよくないなぁ」と思うときもあった。この本だけを見てキリスト教を判断するのは正しくないので、もっとキリスト教という一文化を知りたいと思った。私と芸術とキリスト教。その関係を深める第一歩としては、手軽で読みやすい一冊でした。 -
三浦綾子のことを全然知らないで読み始めたら、最初の方のページに、十三年間療養していてギプスベッドに臥ていたって書いてあったからどんな人なのかなと思って検索したら、ずっといろいろな病気に苦しんだ人みたいだった。
宗教って悪い部分もあるけど、こういう人の心の支えになる時は本当にすごいなと思う。
最近読んだフランクルの『夜と霧』にも収容所に入れられた人が宗教への関心に目覚めて、疲れ切って飢えてぼろぼろの時にささやかな祈りや礼拝に感動したこととかが書いてあって、オスカー・ワイルドの『獄中記』にもそういう感じのことが書いてあったなと思った。 -
キリスト教のいろんな絵・・西洋画?を紹介していく本です。「イエスキリストの生涯」とタイトルがなっているけど、絵画紹介のほうが私はしっくり来るかな・・。
三浦綾子さんは評判が良いのは聞いていたけれど、読む機会がなかなか無かったので、この機会に読んでみた本です。
正直、絵画に解説・・というと、つまらない企画だなぁと、私の好みで思ってしまう。タイトルだと、三浦さんがイエス様の生涯を小説で描いているのかな?と思ってたので。
現代人の感覚だと、昔の西洋画ってわかりにくくてピンと来ないので・・。なので、★を1つ減らしました。
しかし、三浦さんの文章力は、やっぱり、スゴイ!と思いました。男性が書いているかのように、力強いです。ちょっと他の三浦さんの本を、読みたくなりました。
三浦さんの小説でクリスチャンになった!という人もいるくらいなので、この本で、少し、片鱗を見たというか、奥深さを見ました。
この本は、絵画紹介という企画物だったと書かれてたので、企画物でない、生き生きとした形態の文は、もっとすごそうです。 -
それぞれの画家が描くさまざまなキリスト像がある。少しずつ少しずつキリストという人の輪郭が見えてくる。やっぱり聖書を読まなくちゃ始まらない。
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残念ながら絵画の素晴らしさが分からない。キリスト教でもない。
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絵画でたどるイエス・キリストの生涯。