回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

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著者 : 村上春樹
  • 講談社 (1988年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061843196

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有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2002/09/18

    また村上春樹の本の話になっちゃったけど、これも短い文章を集めたものです。村上氏の前書きによると、小説でもなくノンフィクションでもなく、「人から聞いた話」を文章型の「スケッチ」として書き留めたものを集めて文庫本型の「スケッチ・ブック」として出版した様です。「本当にこれ、実際あった話なのかなぁ」と思わず怪しんでしまうところもありますが、「本当に誰かから聞いた話」ということを信じて読むと関心してしまいます。実際に聞いた話を上手く文章に直すのって、かなり難しいことですよ。やってみるとよく分かるけど。村上氏の本って大抵内容よりも「表現法」等の「文章を書く上手さ」がミソだと私は思ってるんですけど、これもまた彼の「文章を書く上手さ」のショーケースですね。

    「本当に誰かから聞いた話」という事実(設定?)があるので、『夢で会いましょう』とはまた違う感じです。「本当にこんなことあったんだろうか」「それにしても上手く書き留めてるなぁ」とか思いながら、ちょっと不思議な気持ちで読みました。でも「まろやかな面白味」という共通点はあります。基本的に村上春樹の本ではそういうのが多いのかな。それほどトゲがなくて、どことなく落ち着いた感じがする。でもそれは私が読んだだけの範囲で言えることであって、彼の文章について全般的に言えることかどうかは知りません。

  • 2017年01月24日読了。

  • 「はじめに」で先制パンチ的に純な小説でなく、事実に基づくなんて言ってるが、実のところは闇の中?若しかしてシンプルに作家の言葉を信じれば良いのかもしれんが、それには歳を取りすぎたかな?当方は。
    まぁ確かに練られた風もなく、偶然の契機で世に現れた感じ。でも確かに村上春樹の手になるものという気はするところ、当たり前だがプロの仕事かな。
    個人的には『野球場』が好きかな。野球好きとは無関係に何だか普通の人間の壊れる様を見せられているようで。他作品もまぁいけると思います。

  • 現代の奇妙な空間――都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それらはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。

  • 高校時代の同級生と飲んだ時に、読み返すと面白かったと薦められたので本棚から取り出して、おそらく20数年ぶりの再読。
    作者も登場人物も30代で、読み返している僕が一気にその年齢を越えてしまったことに躊躇う。村上春樹は高田馬場のジャズ喫茶で『羊をめぐる冒険』を読み耽った20代の僕が向かい合う小説家なのだ。もうじき50になる物語の主人公にも脇役にもなれそうにない冴えない男が辛うじて80年代の風俗に懐かしさを感じながら、ページを捲るべき本ではないのかもしれない。
    この中の『雨やどり』から引用すれば、自然発火のごとくセックスが生じなくなってしまった中年男ということになる。その点では、元編集者を買う中年男という脇役にはなれるのだろうか。いや、財布の中身が心許ないので、それさえも叶わないのだろう。

  • 昔一度読んで、内容を忘れたのでもう一度読み返した。ムラカミさんが観察者のように登場するのが、新鮮だった。全然古さを感じさせない、面白い話ばかり。

  • 再読。
    1993年に発刊された文庫が手元にあるから、ちょうど20年ぶりに再読したことになる。

    全編にわたって漂う、独特の「さみしさ」のようなものが、なんとも味わい深い短編集。

  • 今回も9編の短篇集ではあるものの、作中の「僕」はご本人という設定。当人などから聞いた話をスケッチのような小説のようなスタイルで書いている、としている。ドイツの半ズボンの話や画廊の女が買った絵の話、出版社が潰れた女編集者の話、望遠カメラの話など。あと雑魚寝でHしかけた話など。

    今まで読んだ短篇集の空気は統一感があり、スラスラ読めて何も残らないというのが印象。否定しているわけではなく、ストーリー性なく淡々と進んでいく。前書きでご本人が言うように小説でもなくエッセイでもない、またノンフィクションでもない。不思議だ。

  • 実話の短編集だったが

    何も面白くなかった

    特に気になる文章も無かった

  • 購入者:宇都宮
    村上春樹の短編小説です。レーダーホーゼンという1発目の物語が個人的には好きです。長い年月を経て生まれた奥さんのだんなに対する嫌悪感を淡々と綺麗に表現しています。普通ならドロドロした感じになりそうなのも村上春樹が書くと綺麗になるのかもしれません。
    貸出:油谷
    短編小説だったのでとても読みやすかったです。
    久しぶりに村上春樹を読みましたがやっぱり好きだなーっというのが率直な感想です。私も宇都宮サンと一緒で最初のレーダーホーゼンが村上春樹の世界観がなんとなく出てて好きです。

  • 羽田への飛行機の中でさくっと読んだ。
    どこにでもいるような人の中にあるどこにもないようなことを拾い出してきて、わかるように書く。そして、どれもインタビューに近い形の、聞き書きのようなスタイルなので、なんだか会話をしている二人の隣にいるような感じ。村上作品の原点が垣間見え、彼の創作のエッセンスが詰まった一冊。

  • どれも読んだことはあるが記憶がないことが続いていた村上本で、唯一内容に覚えのある一冊。とりわけ、人生の折り返しを意識した話は身につまされる。本当に他人から聞いた話で構成されているのか。そこの自分はどれくらい関わっているのか。自分の世界の小ささ、あるいは偏りを再認識する。

  • 久しぶりに村上春樹を読んだ。驚くべきことに、以前よりもかなり面白く村上春樹を読んだ気がする。年の変化か何かだろうか?あと、本著のような短篇集は一気にがーっと読むよりも、一話一話ある程度感覚を開けて読んだほうが、全体的な面白さというか、印象がくっきりとするな、と改めて思う。

  • 春樹さんの作品で一番好き。

  • 学生時代(1988)に買って読んだ文庫本。
    なんと定価280円(税なし)。
    短編集で、その中の「プールサイド」という話が好きで何度か読み見なおしていた。
    35歳を人生のターニング・ポイントとする話。
    昨日、私もその歳になり、もう一度読みたくなって読んだという訳です。
    人は確実に老いていく。さあ、残り半分がんばろう。(01.02.11)

  •  初出は1985年10月の単行本。「はじめに」によれば筆者はこの作品を「正確な意味での小説ではない」としている。他人から聞いた実話を文章化したというのだ。それを<スケッチ>と呼んでいる。しかし、これが方便であることは明らかだ。たとえ自分の実人生を書いたとしても、ストーリーのある文章にまとめた時点で小説であある。まして本書の短編小説群は完全な小説の形をとっており、内容も小説以外の何ものでもない。
     筆者がかような前置きを置いたのは、描かれている人間模様を読者にリアルに感じさせるための仕掛けである。回転木馬は筆者に言わせれば人生のあり方そのものらしい。人は自分の人生を持っているが、それはメリー・ゴーランドを走る木馬そのもの。決まった経路を同じ速度で回り続けるだけ、決して装置の外に出ることはないのだ。それなのに人間はあたかも誰かと競争をしているかのように毎日を送る。これが書名の由来なのである。他人の人生を知ることは自分が生きられない別の人生を知ることだというのだ。そこにあるのは断絶である。これは筆者のその後の作品に一貫して流れる考え方のようだ。
     小説は、筆者によれば<スケッチ>は8編あり、中では「プールサイド」に注目した。「プールサイド」は35を迎えた男が人生の折り返しを意識して生き方を変えていくとないようだが、話題となる男は自分の人生そのものを2つに切り離し、別の人生を送ろうとしているのだ。新たな人生をやり直そうとしているともいえる。しかし、実際には当然ながらそれは不可能だし、どんなにシェイプアップしても体も心も確実に老いてゆく。そして他人はそれを傍観者としてみるしかない。そしてそれは自分の話でもある。そういう話になっているのだ。
     私は村上春樹はやはり短編作家なのではないかと思っている。まだ読み込めていないからもしれないが、氏のドライな作風は短編にこそ相応しいと思うのである。

  • 短編小説集です。もっとも、村上さん自身がこの文章は、・・正確な意味での小説ではない。・・と初めに述べています。彼はこれらの「文章をスケッチと呼ぶこと」にしたようです。

    私は村上さんの小説をきちんと創作順に読んでいるわけでないのですが、なるほどこのような比較的初期の頃の文章に出会うと、その後に生みだした長編小説に書かれているディテールが浮かび上がってきます。
    小説に使いきれない”おり”のようなものがたまっているとこの頃の村上さんは語っていますが、今思うとそのように沈殿したおりが姿を変えて物語をしゃべり始めたんでしょうね。
    今回の”スケッチ”では私は「プールサイド」の風景が気に入りました。

  • 読んですぐ感想書かなかったのも悪いけど
    実際読んで特に感想もなかった、
    というかこの本が駄目だったのか
    合わないのか、私は春樹さんの良さがいまいち分からない。
    盗見する話しとか、ドイツのズボンの話しとか、
    何が楽しいのか分からない。
    ノルウェイもいつか読まなきゃと思いつつ
    思ったより男性視点というか、男性作家ならではの世界のような
    気がするので(映画を先に見たのも駄目だった)
    多分読まない。残念。

  • プールサイドの男の話が忘れられない。

  • タクシーに乗った男 が好きだったかな。
    あ、あんまり覚えてないや。また読む。

    追記:
    読み直したら思ってたより良かった。
    嘔吐1979、雨宿りが好き。

  • ありふれた日常について少し深く覗いてみるとほとんどの物事が奇跡的な物事の集合体によって成り立っているということに気付かせてくれる作品。どこにも解決し得ない平凡な出来事もこの文章を通して読むことで少なからず意味を持ったように感じる。村上春樹の実話を文章にした作品はどれもすごく生き生きしていて面白い。

  • やはり村上春樹作品は短編が好いなあと思った。
    村上春樹自身巻頭で述べている通り、この作品は小説ではなくスケッチで、私はまた違った目線でこの作品を見つめることになった。
    果たして本当に事実のみなのか疑ってしまうが。
    (『風の歌を聴け』のあとがきにでてきたハートフィールドが現実の人物でなかったため)

    作者に語る人々が現実の人物でもそうでなくても、作者が語る彼らの話は素敵なものばかりで、ニヤリとしてしまうものばかりだった。

  • レーダーホーゼン
    タクシーに乗った男
    プールサイド
    今は亡き王女のための
    嘔吐1979
    雨やどり
    野球場
    ハンティングナイフ

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