卒業 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061844407

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾氏の初期作品はあらかた読んでたつもりだったが、コレは読み逃してた。加賀恭一郎初登場作にして、彼が刑事になる前の学生時代の話。
    初期の東野圭吾作品は、若者達の群像劇を描いた“青春ミステリ”が多い。デビュー作の「放課後」しかり「学生街の殺人」しかり本書しかりだ。また、スポーツをストーリーに絡ませるのもこの頃の特徴で、「放課後」はアーチェリー、「魔球」は野球、「眠りの森」はバレエを題材にしたミステリだ。本書では剣道と茶道を扱っており、ストーリーにも密接に関わってくる。

    「放課後」で乱歩賞受賞デビュー後第一作品ということもあり、プロットもトリックも荒削り感あり。登場人物は無駄に多くリーダビリティに欠け、ホワイダニットは納得感に欠ける。ハウダニットはちょっと複雑なので「そうか!なるほど!」とはならない。とはいえ、父との関係性等の加賀恭一郎のバックグラウンドを垣間みれるので、シリーズファンには読み逃せない一冊だろう。
    本書が刊行されたのは1986年、昭和時代。飲食店内で遠慮なく煙草が吸え、電話は固定電話にかけて家族に取り継いでもらう、そんな時代だ。平成を経て令和の今現在でも第一線で傑作を粛々と書き続ける東野圭吾氏。稀有な才能を持つ偉大な作家だと、改めてリスペクトした次第。

    《加賀恭一郎シリーズ》
    1.卒業
    2.眠りの森
    3.どちらかが彼女を殺した
    4.悪意
    5.私が彼を殺した
    6.嘘をもうひとつだけ
    7.赤い指
    8.新参者
    9.麒麟の翼
    10.祈りの幕が下りる時
    11.希望の糸
    12.あなたが誰かを殺した

  • 218 私が夫のことを今も慕っているということはあなたがたもよく知っているでしょう。でも私がこんなふうに考えるということまでは知らない。自殺の動機とはそういうものだと思うのよ。原因はあなたたちならきっと知っているはずなの。でもその原因が、どういう経路で死と結びつくかまでは本人にしかきっとわからない。

    --------------------ーー

    37年前の作品。
    加賀恭一郎初登場。
    本屋さんで『希望の糸』をみつけて、読みたくて、でもどうやらシリーズものらしく、まずは1作目から読んでみようと。

    正直な感想は、あんまりおもしろくなかったかも。
    文体・言葉が古い部分とか、言い回しとか読みづらかった。これは昔だし初期の作品だからしゃあなし。
    あとトリックとかもあんまりピンとこないし、雪月花式も難しいし、展開もそんなに引き込まれなかったなあ。
    何度か挫折しそうになった、、

    加賀さんが初めて登場したってことでまあよしとしよう。
    加賀さん、高校大学一緒の仲良いグループ6人のうち3人死んでるのきつすぎん?
    フィクションとはいえ、自分だったら立ち直れないかも、、

  • 大学4年生7人仲間の1人沙都子と、加賀の2人の視点で描かれる。
    仲間2人が死に、残りの仲間内で犯人の疑いをもつ心の揺れ具合が何とも苦しい。
    結局のところ、「そんなのありか!」と思ってしまったけど…ラストシーンの沙都子と加賀のやりとりの意味も「??」という感じ。
    期待度が高すぎたかな…

  • 加賀恭一郎シリーズ第一弾 
    あれ?刑事じゃない? 大学生の加賀恭一郎でした。でもこの頃から謎解きは得意だったんですね
    茶道のトリックは難しいかったけど 面白いお話でした。

  • 加賀恭一郎シリーズ1作目。普段、伊坂幸太郎さんばかり読んでいる僕には、重い腰が上がらなかったが、ふと手に取ってみた。面白かった。

    序盤はなかなか読むペースが上がらず、まだ先の長いし、ページ数も文字数も多いし、リタイアしそう...とも思ったが、中盤を超えたあたりから読む手が加速し、あっという間に読んでしまった。

    これから加賀恭一郎シリーズを読むにあたり、時代変化に伴う描き方や言葉遣い、時代背景など楽しめる要素はたくさんあると思うと、胸が高鳴る。

    面白かったがなんとなく☆3です。

  • トリックが難しい!笑
    これは普通に読んでるだけじゃわからんかもなぁと思った。
    読んでてあれが伏線だったのか、と思うところが読み進めていくとわかって面白かった。

    動機がふわっとしてるなーと感じた。
    人が人を殺す理由なんてそんなもんなんだろうが。

    仲間の7人のうち3人も死んでしまうとは思わなかった…

  • ミステリー小説としては面白いが、東野圭吾の他作品に比べると物足りなさが。
    人の感情とはちょっとしたことで残酷な悪魔となる様子が描かれているが、第三者的立場からすると、ここまでか、と思ってしまうことも少なくなかった。

  • 帰国中に公開された「祈りの幕が下りる時」を見て、加賀恭一郎シリーズを読み返しています。こちらでは2月に卒業式。長女の卒業・入学準備、加えて旧正月、オリンピックとなかなか読書に集中できていません(汗

  • 著者が28歳位の時の作品である。
    大学生が主人公の、学園ミステリーというところ。
    加賀恭一郎が大学4年生で初登場しているのが、面白いところ。
    この作品でも、謎解きをしているが、この後の作品で何度も登場することになるのは、当初から想定していたのだろうか。
    まあ、それはないような気がするが。

  • かなり珍しいと思うのですが!茶道のトリックなんて!
    難しかったけど、斬新だなと思いました。

    しかし、皆さん本当に大学生?すごく大人っぽいなーと…。
    自分が馬鹿なだけですけどね。

    加賀恭一郎さんは絶対男前ですよね。面白かったです。

    最後のシーンはなんか切なかった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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