ハーレムワールド (講談社文庫 や 30-1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061846654

感想・レビュー・書評

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  • ハーレムの中の女王でいる主人公と普通の女ではなにが違うのか。いい男に人種は関係あるのか。

  • 黒人との混血であるサユリは、ティエン、シンイチ、スタンといった男たちと自由に交際していますが、男のほうが彼女に執着を示しはじめると、彼女は身をひるがえし去っていきます。そんな彼女のふるまいに、男たちは翻弄されながらもますます魅かれていきます。

    著者の比較的初期の作品で、これぞ山田詠美といった世界観がわかりやすいしかたで表現されているように感じます。「あとがき」には、「私はこの作品を、男たちに読んでもらいたい。絶対に損はしないよ。本当だよ。きっと女の愛し方が上手くなる」と書かれていて、男たちが変わる可能性を著者が信じていたようですが、わたくし自身は自分が度し難い衆生であることをたしかめるように本作を読みました。

    すこし気になったのは、中年の外交官がサユリに執着する自分が許せないために彼女に別れを告げるところや、サユリをめぐって張りあうシンイチとスタンのあいだにホモ・ソーシャルな連帯が生まれるところで、サユリはけっきょくはそうした男たちの態度を受け入れているようにも思えます。そうだとすると、著者は男たちが変わる可能性を素朴に信じているのではないのかもしれません。

  • なんだかまったりした本を読みたいな~。って思って
    思いついたのが山田詠美の本。

    この人の作品って、
    たいした。って言うか、複雑なストーリーじゃないのに
    なんだか実が詰まってて読み応えがあるのよ。

    この本のストーリーは
    サユリという混血の女の子が、いろんな男とつきあって
    一人の男に辿りつくお話。
    簡単に言えばそういうことなんだけどね~
    それだけじゃないのよね。

    いろんな描写がほんとに上手くて
    メイクラブのことも書いてあるんだけど
    この人の作品は、映画を観てるような感覚で読めるから好き。

    主人公のサユリって言う女も
    自分勝手極まりないのに、何故かすごく魅力的だし
    理にかなってるとこがすごく素敵。
    自分はそういうことできないから
    憧れに近い感じかな?

    やっぱり山田詠美の本って好きだな~。

  • この作品をクリスマス・イヴに読了するのも、また乙なのではないだろうか。

    はじめは、セックスばっかりか!と思ったが、自分の人生を振り返ってみると、
    決して人のことを言えた義理ではないことに気づき、思い直る。


    確かに、セックスの描写が多く、「ペニス」「ファック」などの卑猥な言葉や表現が連立しており、
    それこそ、例えば電車なんかで、隣の女性に覗き込まれると、

    「あんた真剣な顔して官能小説を読んでいるの?」
    「あんた私の隣で、官能小説読んで興奮してるの?気持ち悪い」

    などという意味合いを含んだ、怪訝な表情を向けられるのが容易に想像でき、怖くなった。
    そんな時おれは、これは決して官能小説ではない、そんな目的で読んではいない、と固く意思を持った目で見返すことができるのか自信がなかった、ということもある。


    中盤にさしかかった辺りで、激しく後悔と反省の念がこみ上げてくると同時に、夢中で読み進めることができた。

    おれもサユリの真珠の尻に敷かれてみたい。
    だがきっとそれは叶わぬ夢であり、サユリには全く相手にされないのであろう。
    そればかりか、二度と股間が復活できない位に激しく罵られ、泣きじゃくるに違いない。

    男を磨こう二千十一。

  • もう読んでる自分が完全に男の子でした。

  • 内容がちょっと薄いかな…
    こんなB***hな人生歩んでみたいような…そうでもないような。

  • この女性の生き方に賛同するかはべつとして、一つのハーレムが出来上がりそして壊れて行く様は迫力があった。

    山田詠美の文章は好き。綺麗だと思う。

  • 読みやすかった。それだけ。

  • 学生時代に買ったもの

  • こんなオンナノコいたら、やばいよね 笑

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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