魔球 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7010
感想 : 530
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849310

感想・レビュー・書評

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  • 先が気になるので、どんどん読める作品でした。ただ、犯人あてをするサスペンスでもなく、犯人がわかっている上で人間の心理を描くヒューマンドラマでもなくて、社会問題に焦点をあてたものでもなく、中途半端であった気はします。

  • こないだ『変身』を読んで、なんだかあんまりだなあ、という印象
    だったので、もう一冊手にとってみました。
    野球サスペンス、ということでチョイス。

    これは、『変身』を読んだときにも思ったのだけど、非常に親切な
    エンターテイメント作品だ、と思った。
    図まで交えた親切な説明や文体、わかりやすく登場人物の性格を示して
    くれるエピソードの挿入、少しずつ消されていく犯人の可能性。
    章ごとに、視点を変えて犯人像が絞れていくその話の運び方、技術の
    高さと構成力の見事さは、非常に理知的である。

    しかし一方で、解説で賞賛されているほど、この作品が青春小説として
    優れているかはどうかは、にわかに判断しがたい。
    若者の「何」をテーマにしているかが、僕にはわかりにくかった。

    また時代設定も、なぜこの時代にしたのか。
    高度成長期における貧困層を題材にしたのかもしれないが、別にそこに
    必然性は感じないなあ、という印象である。
    なにかを訴える力は弱く、作者の世界観を提示するわけでもなう、歴史に
    残る作品ではないが、エンターテイメントとして十分な力を持った作品
    といえるのではないだろうか。

  • かなり古い作品だけあって時代を感じる。生活模様も現代とは異なるためなかなか感情移入はできずに進む。それにしても主人公の人生が苦悩すぎて辛い。最後弟に右腕切り落とすのを頼むとか怖すぎる。ノコギリに肉が絡まるとか表現もリアルで驚いた。

  • 主人公?の武志が苛烈というか、生い立ちから来るものだと思うが目的に一直線で人間味がなく、共感できなかった。その分結末に対して感動というか、ジーンと来る感じがあんまりなかったように思う。事件の犯人もなんとなく予想がついてしまった。
    序盤の二つの事件がそれぞれ進行し、「これがどう関わっていくんだろう?」と思わせる部分はワクワクした。

  • 爆弾による大企業への脅迫事件、甲子園を目指す高校球児が殺される殺人事件、相容れないような2つの事件が同時に起きる。
    企業への脅迫事件は、爆弾を仕掛けたことによる脅迫から始まり、社長が誘拐されるという事態にまで発展した。
    高校球児の殺人事件は、ある無名高校を甲子園まで連れて行った、たった2人の実力者が殺されるという事件だった。様々な情報から事実を整理しても、どうにも確からしい推理が立たない。そんな中、警察は1人の男性に着目した。おもしろいことに、その男性は脅迫事件の捜査部隊にも追われていた。
    脅迫事件、殺人事件の犯人は誰なのか、真相はどのようなものなのか。そして、2つの事件はどのように繋がっているのか。


    途中までは、2つに事件が同時に進んでいるも関係が全く見えなかったが、オチに近づくにつれてだんだんと繋がっていき、驚かされた。

  • 設定と結論が奇抜すぎて感情移入出来なかった。

  • 野球ネタのミステリが読みたくなり、20年ぶりくらいに再読。

  • なんか切ない…。

  • 伏線の張り方は相変わらず圧巻でした。犯人の悲しみがひしひしと伝わってきて心が揺さぶられました。ただ、動機が意外と単純だったのが少し残念でした。途中でだいたい予想がついてしまいました。

  • 東野さんはこういうの
    好きだったんだって
    よくわかった。

    もう結構過去の作品だしね。
    新鮮さを求めるにはちょっとつらいやね。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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