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- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061849778
感想・レビュー・書評
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本書は、1983年(昭和58年)に起きた大韓航空機撃墜事件をテーマに書かれたノンフィクション作品である
著者は本事件について「情報戦争」と「高度技術システムの落とし穴」という2つのテーマからアプローチしている
上巻が米ソ間の「情報戦争」からのアプローチであり、本巻は「高度技術システムの落とし穴」からのアプローチで、著者が提唱する「ナブ切替ミス」説に関する技術的考察について説明している
つまるところ、「どんな高度なシステムであっても、手順ミスは起こりうるし、どうすればそういったヒューマンエラーを失くすことができるのか」ということを考察するのが大切である、という点に尽きると思う
ただ、本書は事件後1年程度で書かれたものである
結論が出ていない状態のため、著者の自説による技術的考察が長々と書かれていて、正直蛇足っぽい
著者は「通常3年、5年、10年といった時間をおいてから検証して書くのがよい」として、実際、事故原因が解明もしくは結論付けられてから著作を書く方が良いと述べている
にもかかわらず、著者が本作を急いだのは、
・米ソの緊張関係から、時間をおいたところで確定的新事実が出てこない
・事件の内実を知りたいと思う人々の強い願望に対し応えたい
との考えから書かれたものである。
そのため、著者の自説について延々と述べられているのは仕方がないのかもしれない
読書状況 読書時間180分、ページ数460ページ詳細をみるコメント0件をすべて表示