十角館の殺人 (講談社文庫)

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著者 : 綾辻行人
  • 講談社 (1991年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849792

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十角館の殺人 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • さて島田氏の御手洗シリーズで本格ミステリに開眼した私は同傾向の作品を読もうと各ガイドブックなどに手を伸ばすようになったり、『このミス』などランキング本を読み漁ったりするのだが、その中で「新本格」という単語に行き当たった。
    色々調べてみると、松本清張以後、本格冬の時代と云われていた日本ミステリシーンにかつてのガチガチの本格ミステリを復興させようという動きを新本格といい、なにも今までにない斬新な本格という意味ではなかった。そしてそのムーヴメントの中心にいる人物こそがなんと島田氏その人だというのだから、これは何がなんでも読まなければならぬとそこに名を挙げられていた綾辻氏、歌野氏、法月氏、我孫子氏4氏の諸作を本屋で探し、一気に買い込んだ。
    そしてまずは綾辻氏の本書から手を付けることになった。既に私が本作を買ったときには既に『迷路館の殺人』まで文庫は出ており、しかも「綾辻以前綾辻以後」なる形容詞まで付いているのにはびっくりした。

    で、そんな前情報が期待を膨らましつつ、開巻したところ、実はお互いをあだ名で呼び合う登場人物たちにドン引き・・・。しかも彼らのあだ名が全て海外古典本格ミステリの大家のファーストネームで、いかにもミステリマニアが書きましたというテイストに、うわぁ、これ読めるのかなぁとすごく心配したが、物語が進むにつれて慣れてきた。
    探偵役として現れた島田潔の名前にニヤリとしつつ、奇想の建築家中村青司が設計したというわりには十角館って普通の建物だよなぁなどと思いつつ、読み進めていった。

    そして私も驚きましたよ、あの一行に。まさに時間が止まり、「えっ!?」という思いと共に足元が崩れる思いがした。しかもあの一行が目に飛び込んでくる絶妙なページ構成にも唸った。一行に唸ったのは星新一の「鍵」以来だった。
    実は犯人はすぐに解った。だから答え合せしたくて早く解決シーンに進みたくて、忸怩しながら読んでいたが、この一行で自分の甘さに気づかされた。というよりも犯人が解ってなお、これほどの驚嘆を読者に与える作品というのがあるのかと心底感心したのだ。そしてまだまだミステリの奥は深い、確かにこれは「新」本格だ、などとミステリをさほど読んでいないのに一人悦に浸っていた。

    今でも読み継がれ、新しい読者に驚きをもたらしている本書は歴史に残る傑作といえよう。こうして綾辻氏の名はこの1作で私の脳裏に深く刻まれることになった。

  • 約15年前、私に読書の面白さを教えてくれた本。あれから推理小説を貪るように読んだ。
    だけど、十角館を越える作品には未だ出会っていない。

    合宿に来た孤島で殺人が起こる。助けを求めたくても本土に連絡を取る術もなく、犠牲者は増えていく。自分以外はもう誰も信じられず…
    島で起こった過去の事件、送られてきた告発文、十角形の妖しい館が舞台を盛り上げる。
    やはり面白い。

  • 様々なところで評価されている本作、いつか読まなければと思いつつようやく読了。読み始めたらあっという間だった。
    本格ミステリーの衰退?が叫ばれて久しいが、本作に本格ミステリーの未来を感じた人が多いのは納得。いくつかのミスリードが最終的に合致していく様は、少年時代にワクワクしながら読んでいた「推理小説」を思い出させてくれた。小説ならではのミスリードが見事!

  • 悔しいな。見事に騙された。友達に是非読んで欲しいと言われたミステリ小説。初綾辻行人です。叙述トリックらしいと聞いていたから、騙されないように慎重に読んでいたはずなのに、それでもネタ明かしで「えええ!お前?!」と声を上げてしまった。ミステリの醍醐味とはいえ、こう綺麗にダマされると悔しい。差書は、キャラクタが捉えられなくて苦労したけれど、すぐに馴染みました。

    十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島。その館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上したその島の青屋敷で焼死したという。1年後、大学ミステリ研の七人が1周間の旅行に十角館を訪れた。恐ろしい罠が待っているとも知らず…。

  • 特にミステリ好きというわけではないんですが、なんとなく買ったこの本はとても面白く、一気に読んでしまいました。読後、予想外の展開に「やられた!」と思いました。

  • 綾辻さんの館シリーズといわれるモノ、ほとんど触れずじまいでした。

    で、どうしてこれまでであっては来なかったのか!
    この本に一番にめぐり合っていたら、諸先輩方同様に
    本格ミステリーを語れたのに・・・

    遅ればせながら、館シリーズ挑戦してみようと思います。

  • 名作!まさに名作!!
    僕なんかよりもよっぽどミステリーに詳しい方々が精緻なレビューを書いてると思うので、僕は簡潔に。

    孤島の洋館で連続殺人という、これぞミステリーと言いたくなるような舞台!社会派ミステリー全盛時代に古典本格ミステリーを踏襲し新本格というジャンルを築いた歴史的作品!!
    圧倒的リーダビリティにより読者を飽きさせず、たった一行でどんでん返しした演出は多くの読者を衝撃へと誘った!どんでん返し!これぞどんでん返し!!素晴らしい!
    僕をミステリーへ導いた思い出深い作品でもあるこの作品、ミステリーに興味があるけど、何から手をつければいいか解らないという人はまずこれを!!

    これを読んでもいまいちミステリーの面白さが解らなかったって人はまあ、名探偵コナンっていう面白い漫画があるのでそちらをオススメします。

  • 引き込まれた。最後の種明かしが巧みである。26歳の時に執筆した作品であることを後書きで知り、これまた驚愕。
    最初に、ちょっと臭うな…と疑った人物が犯人であることが最後に分かり、ちょっと嬉しかった。(その時点ではほぼ勘に近いものであったが…笑)
    物語に散りばめられた源氏物語や古今和歌集などのエピソードが興味深かった。

  • 積読で暫く置いてあったのを、やっと読んだ。
    とても面白く、最後にズドンとやられた感が良かった。

  • 【軽いネタバレ有】この時代の本格派の分類される作品は、個人的に得意な文体ではないことが多いので、読みづらいことが多いんだけども、比較的大丈夫だった。その上でトリックそのものはしばらくわからなかった。勘違いをさせることが目的であったとしても、ピンと来ない人には意味のないものだし、場合によっては継承されたと考える(これもひとつのミスリードなのかもしれないが)こともできてしまうのが、なんとなく消化不良。ただ全貌をしった上で何が一番もっともかと言われたら、今回のやり方ということになるんだろうなぁと思う。

  • 久しぶりに再読。細かく考えられているミステリー。孤島に建てられた十角館にミステリ研究会が滞在し、次々とメンバーが殺されていく。一回読んだはずなのにまた騙されました笑 叙述トリックはだから好きなんだなあ。

  • 綾辻行人のデビュー作というか、デビュー前の作というか。ネット上では非常に評判の良いミステリ。

    孤島に建つ密室で起きる連続殺人を解こうとする、被害者でもあるミステリ同好会の7人。そこにお誂えの建物主とその周りの心中事件が絡み、死者からの手紙が届くという、非常にクラシカルな謎解きミステリである。

    中村青司に中村紅次郎 (青と赤)、謎の建物、ミステリ好きが集うとなると、中井英夫の「虚無への供物」を思い出して、若干嫌な予感もするが、あちらほど知識をひけらかして、メインストーリーが霞むということもないので安心できる。

    また、外界から離れた密室ミステリ(リゾートミステリ)に多い、内部の構造や位置関係、死角だのをコテコテといじる話かともおもいきや、別視点で島田、江南(コナン)、守須(モーリス)の3人によるストーリーが展開するため、密室ミステリにありがちな、異様な閉塞感も感じずに気楽に読むことができる。

    凝った殺人に対して、動機が弱い感があったり、横溝作品などに比べると、見立ての意味が中途半端であったりするが、全体には面白く読めるので、☆4かなあと思う。

    しかし作品全体で鼻につく、登場人物の各ニックネームが、ファーストネームとファミリーネームの混在であるところが異様に気になったので、星を1つ減らす。

  • 評判の高い本書。評判どおりに面白い。

    読んでる間ミスリードの連続、こいつが犯人かと思いきや
    こいつか?えぇ!この人が!!!
    と。言う具合にとてつもなく楽しめた。
    改訂版も読んでみたくなった。

  • 面白く読めたんだけど、いろいろと無理がありすぎなのがちょっと。
    不可能ではないとは思うんだけど。
    やっぱ無理だよ。

  • 見事などんでん返しでした。もしかして彼が…?と思ったときには時すでに遅し、種明かしの一行ですべてを悟ることになりました。推理小説研究会ならではのトリックも面白くて、きっとミステリ好きさんほど引っかかってしまったのでは?と思います。
    エピローグはまさかこのまま終わるのかな、ともやもやしていたところであのような結末を迎えたので、とてもすっきりしたし綺麗な終わり方で納得できました。
    私のような読書初心者、本を読むのが苦手な方にも読みやすさ、量ともにおすすめです。

  • 読み返したのは、何度目でしょうか。綾辻さんの代表作です。
    舞台は、孤島に建てられた十角館と呼ばれる十角形を意識した館で、大学のミステリ研究会のメンバが集まり、次々と殺されていくといった、クローズドサークル物です。

    犯人の独白から始まっていますが、その中で述べているように、完璧な計画をたてての犯行ではないため、殺人トリックや犯人の行動には、少し雑に感じる部分もありますが、全体的なストーリー及び、読者が犯人を理解する有名な一行には、何度読んでも素晴らしさを感じます。

    是非とも、事前情報をあまり取り入れずに犯人は誰だろうと考えながら読んで欲しい作品です。

    あと、エピローグを読んで「??」となった人は、プロローグを読み返してください。

  • 物語を読み進めるにつれ、どはまりして、先が気になってしまうとても面白い展開だったら。
    孤島モノの本格ミステリーにはまるきっかけになりそう!

  • このシリーズではこの作品が一番好きです。
    孤島モノが好きなので、ずっとわくわくしてました♪
    館の形から王道路線突っ走っていて、王道好きな方にはお薦めです(*^^*)

  • 読みはじめてから、もしかして…?と思った内容が結末だった。犯人の何食わぬ様子で頑張ってるのを面白く読めました。次々に死んでいく様子はなんとなくインシテミルに似てたかも

  • 真相がわかったときは驚いた。本を読んでいて衝撃を受けるのはとても楽しい。
    ただ動機にあまり納得出来なかったのが少し残念。

  • 最後の犯人明かしに、え~っ!となる本格ミステリー。このタイプは特に感想が書きにくい。人物が独特なニックネームで登場するのできちんと把握しながら読み進めるのがミソ。

  • 貰ってからかれこれ5年くらい読まずに暖めてしまった1冊。

    表紙が地味なのと、
    裏の説明から何となく古くて重い、正統派ミステリーかと。

    でも実際は、すごく読みやすかった。

    スラスラ読める。

    同年代がいっぱい出てくるから、感情移入しかけたけど、
    気持ち入ったら殺られる!

    と、必死に傍観者になった。

    スリル満点。
    どんでん返しにも見事にはまった。

    ただ、ラスト、
    犯人分かってからの下りが長かったから、もう1捻りあるんじゃないかと期待してしまった。


    何より、
    これを書いたのが著者が22歳のときというのに驚愕。
    天才だ。

  • 一度読んだはずなんだけど、完全に内容を忘れてた。
    犯人が誰だったかも忘れてた。
    アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の犯人が誰だったかは、ちゃんと覚えてるのにな。

    「そして誰もいなくなった」になぞらえたようなストーリー。
    けれど、オチは違う。
    でも似ている。でも違う。

    角島の登場人物はすべて、ミステリー研究会の会員でニックネームで呼び合っている。
    私は登場人物の名前を覚えるのが苦手なので、ニックネームと、その人物の特徴をメモにとっていたのだけど、ヴァンだけ、身体的特徴がほとんどなかった。なので、ヴァンだけ、どうにも脳内に人物をイメージする事が出来なかった。
    そこに、作者の意図が隠されていたんだな。今思えば。

    江南のニックネームが「ドイル」だったので、なんとなく守須のニックネームは「ルブラン」だったのかな、と思い込んでいたけど、読者がそう思い込むであろうことを考えて、登場人物に「守須」という名前をつけたのか、と、今になって思う。

    今は誰も住む人のいない孤島。そこで起きる殺人事件。
    孤島という、ミステリの定番のような設定に、当然、犯人はその孤島にいる登場人物の一人であろうと思わせる。
    外との行き来は可能ではあろうが、なんとなく、外部の者の犯行は有り得ないのではないかと思わせる。
    読者に「思い込み」をさせるのが上手い。

    20年以上も前の作品なので、登場人物のセリフが古めかしい気はした。
    例えば、女性であるアガサのセリフ「~だわ」などといった、いかにも女性的な喋り方。
    私もよくは覚えていないけれど、20年前の女性は、そういう喋り方をしたものだったのだろうか。それとも小説にすると女性はどうしても、そういう喋りにした方がいい、みたいな風潮があったのか?

    これを映像化するのは難しいだろうな、と思う。また、漫画化も難しいかも。登場人物の顔を出さないようにするというのは不自然にもなるし。やはりこれは、文字だけの小説だからミステリとして成り立つんだろうな。

    十角館の設計者であり、そこに住んでいた中村青司。角島で以前に起きた謎の殺人と思われる事件。
    それらがストーリー全体にずっと罹っているのだけど、それが、現在起きている殺人事件の推理に余計な視点を作ってしまう為、現在起きている殺人事件のなぞ解きが難しくなってしまっていた。
    それも作者の狙いであるのだろうけど。
    中村青司の影がずっとチラつくせいで、外部犯の可能性をどうしても捨てきれなかったけれど、ある意味外部犯でもあり、内部犯でもあった。

    一度読んでいたにも関わらず、守須の一言があるまで、犯人が誰だったのか全然思い出せなかった自分が、ちょっと情けない・・・。

  • ミステリーデビューした小説。ミステリーは難しい。ミステリーの読み方を知らない。ミステリーにはコツがいる。ミステリーは奥が深い。この小説についての的確な感想が、早く持てるといいな。

  • ザ・ミステリーって感じ★

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十角館の殺人 (講談社文庫)の作品紹介

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

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