下天は夢か(三) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850606

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  • 言わずと知れた戦国の英雄、織田信長を題材とした小説。
    その彼の生涯と取り巻く歴史を単なる英雄物語ではなく、リアルに、質実剛健に描こうとする筆者の意思が感じられる作品。信長の世界飛躍への夢の名残を残して、物語は幕を閉じる。

    全体としての出来はそれなりだとは思うのだけど、なにかもう一つ物足りない感じも覚える。筆者の物語を織りなすペースが、読者の盛り上がりのリズムとシンクロしにくいものなのかもしれない。

  •  津本版信長公記の、全4巻中の第3巻。
     石山合戦の始まり、そして三方ヶ原合戦から信玄死去。そして義昭追放と浅井・朝倉滅亡まで。

     物資補給の意味、そしてその前提となる商業圏・経済流通圏の意味合いを意識して叙述する本作。
     2巻に若干触れられていた叡山焼打ちは、本巻で主に描写されるが、その理由が浅井・朝倉支援への報復と、彼らと三好軍団との流通・連絡網の遮断、奪取にあったとも読める叙述は面白い。
     また、キリスト教支援は彼らの持つ技術(中でも造船技術)の収得にあったという指摘もまた広域流通掌握の一形態とも見え、興味深い視座。

  • (1992.11.28読了)(1992.07.24購入)
    (「BOOK」データベースより)
    新しい封建支配確立のための真の敵、一向一揆掃討に腐心する信長に、味方内の陰謀家、将軍義昭の画策する危険が絶えない。敵対する比叡山延暦寺を焼き打ちし、浅井・朝倉勢を攻め落し、伊勢長島の一向宗徒を殲滅する、息づまる死闘の連続。魔王の如き武威を振う信長の心は、次第に疲労してゆく。

    ☆津本陽さんの本(既読)
    「下天は夢か 一」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 二」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15

  • 新しい封建支配確立のための真の敵、一向一揆掃討に腐心する信長に、味方内の陰謀家、将軍義昭の画策する危険が絶えない。敵対する比叡山延暦寺を焼き打ちし、浅井・朝倉勢を攻め落し、伊勢長島の一向宗徒を殲滅する、息づまる死闘の連続。魔王の如き武威を振う信長の心は、次第に疲労してゆく。

  • 和歌山などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書に『明治撃剣会』『柳生兵庫助』『薩南示現流』『雑賀六字の城』『修羅の剣』『大わらんじの男』『龍馬』など多数。

「2022年 『深淵の色は 佐川幸義伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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