小説十八史略(五) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061851504

感想・レビュー・書評

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  • 隋から唐へ。なかなか波瀾万丈なのだが、いつも兄弟、皇后、皇太后、その親族の争いになるパターン。
    なかなかそれを脱するのは難しいのかもしれない。いつの時代のどこの世界でもこんなパターンが多そう。
    玄宗は思っていたよりも若い頃は、有能だった感じを受けた。それでも唐の傾きが始まっていたのだ。それ以前に則天武后がいたのだったと気づく。

  • 予備知識全くないので、則天武后…なんか聞いたことあるな〜とか思ってたら「このあと朝廷を簒奪して周を立てるのだが」とかサラッと書いてあっておいおいおい大王朝のはずの唐に入ってまだ三代目だよ??とひっくり返った。中国史、人材が豊富過ぎる

  • 唐が衰退する直前までの歴史である。

    唐は貞観の治という中国史上最も平和な時代として有名であり、李世民(太宗)から始まり、則天武后や楊貴妃などスターに事欠かない時代である。

    しかし他の時代の例に漏れず、初代の皇帝(高祖)は極めて優秀なのだが、その後の跡継ぎが無能で、政治を放ったらかしにして側近が私腹を肥やす→農民が怒り狂う or 別の側近がクーデターを仕掛ける というテンプレート。

    正直、この展開は見飽きました。。。

  • 唐の2代太宗・李世民が子供のころからいかに大物だったか、兄の李建政との比較が分かり易い。隋の煬帝の無軌道ぶり、その最期も印象的だが、唐の初代・李淵そして李世民以外の皇帝も凡人揃い。いずれも女性に溺れる…。いかに李世民が傑出した皇帝だったかを感じることになる。則天武后以後も武后の娘・安楽公主、高宗の韋皇后、高宗の妹・太平公主らが次々に女帝の地位を狙っていたというから唐も安定していたとはいえないことに驚いた。若き日の玄宗がそれら女性の野心を砕き、2回のクーデターで韋皇后、太平公主を除き、地位を盤石にするのだが、後年の楊貴妃に溺れた醜態は思いもつかない。安禄山、史思明らの反乱と彼らが、女性に溺れ、同じ轍を踏んで滅びていく姿に、本当に人間は懲りない動物だ。玄奘、阿倍仲麻呂、鑑真や書家の褚遂良、顔真卿らも登場し、政治の世界との繋がりも興味深かった。

  • 中国通史はこの人が1番!

  • 2015/7/30百足さんから借りた。

  • owner:Koga

  • 大唐国の勃興から滅亡のあたりまでがこの5巻。
    はるか昔に1~4巻までを読んでいたのを思い出しながら。
    わが国の阿部仲麻呂なんて人も唐の役人になれるのだから、これはもうなんというかアメリカ。
    まさしく当時の長安は今でいうニューヨークであり、世界帝国だったのだなと感慨深く読む。
    それに比べ今の西安は、面影もなくなってしまったな。

  •  隋から唐へ時代は移り、女帝武則天が一時、周国と改め恐怖政治を行う。当然長続きはせず、敵対する派閥に取って代わられるわけだ。政治の世界では相変わらずの混乱振りだが、民衆は唐時代はわりと平和に過ごしている様子が伺える。

     唐の末期には楊貴妃の権力をよりどころに、親族が政界では大きな派閥をつくる。権力が集中すると当然、粛清が行われ、それを察した者たちの巻き返しがあり、楊貴妃一派も皆殺しの憂き目に合うのだった。時代はどんどん流れているがやっていることは何も変わらず、権力争いばかりだ。十八誌略もラスト1巻どうにかたどり着けそう。

  • 【分類番号】13-07
    【保管場所】本社工場

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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