小説十八史略(六) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (606ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061851740

感想・レビュー・書評

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  • 元が興り宋が滅ぶところまで。
    このようにざっと見渡すとずっと権力への闘争が続く。今でもそれは続いているのだが、民はそれに翻弄され続けている。
    なんだかため息が出てしまう。

  • 事前知識がほとんどなかったのですべてが新鮮で面白かった。こんなに複雑で滅茶苦茶な歴史、ずっと天皇が続いてる日本では想像もつかない。

    どの王朝でも末期は国の存亡の危機なのに派閥争いや理想論に拘泥してちっとも役に立たない官僚たち、どこかの国の政府みたいだなと思ったりした

    この後の歴史も読みたいのだが続編的なものはないのだろうか

  • 本当に、歴史は繰り返しますね。

  • 南宋の滅亡で、十八史略は終わる。
    この著者の陳舜臣氏は元の十八史略を
    読んでこの本を書かれたんだろうが、
    その労力に感嘆する。
    中国4千年の歴史を宗の時代まで
    読んでみた感想は、これからの自分にとって
    世界の情勢を見た時に
    読む前と後では感じ方が変わったと思う。

  • 全6巻

  • 宋の滅亡で十八史略が終わる。

    ローマ史を読むなら塩野七生、中国史なら本書が社会人にはおすすめです。

  • 安史の乱以降の唐の歴史はなじみがない時代である。暗君が続き、宦官が実権を握るこの時代にも憲宗・武宗の中興ともいうべきましな皇帝がいたということはホッとするような気もする。唐末期の李克用、朱全忠などの節度使が軍閥となって跋扈する時代が五代十国の混乱時代へと続く時代の流れがよく分かる。それが逆に次の宋代においては文民統制で武力が弱かった!5代の混乱期から趙匡胤・趙匡義兄弟による宋の建国。そして経済大国としての発展、芸術家そのものの皇帝・徽宗による奢侈、そして契丹族の遼。女真族の金、蒙古族の元と宋の争いと和平などの動きが目まぐるしい。こうして漢民族の文化が徐々に北方の蛮族、南方はベトナムへと拡大していく時代だったのだ。特に遼・金と北宋、元と南宋の駆け引き、金との戦いで岳飛の活躍した時代など、現在の国際政治情勢をほうふつさせるような面白さがある。いよいよ南宋の滅亡による元の中国大陸統一を以て、長大な十八史略は幕を閉じる。

  • 中国通史はこの人が1番!

  • ここまで読んでしまうと、ぜひとも続きの元の時代を読んでみたい。
    それにしてもひとつの王朝は年がら年中お家騒動をやっている印象。
    まぁ人間数が集まれば派閥ができてしまうのだなぁと実感。
    それはどんなに少人数でも、大人数でもだ。
    異なる文化をもっている異民族が中原に思いをはせ、漢民族と対峙していく。
    今も昔もこの構図は変らない。

  •  唐の滅亡から宋の建国までの半世紀に5つの短命王朝が現れるが、一つとして中国全土を支配した王朝はない。歴史書で「五代」と区別される理由の一つには、支配した領域が中国の黄河中流の重要な地域だったからだ。「五代」の王朝の平均寿命は10年にすぎないが、宋は南北の両宋を含めて、300年つづいた。

     宋が滅びる過程では契丹の遼と女真の金という、漢民族以外の遊牧民族が南下したことが上げられる。両民族とも中国の豊かな文化に触れ、中国を一部支配するが軍の弱体化を招く。そんな中、野蛮人と称されるモンゴルが台頭する。モンゴルは元と国名を改め金を滅ぼし、ついには1276年に宋をも滅ぼし中国を統一する。

     始皇帝は別にして長期政権を作った武漢、唐宋、宋祖、ジンギスカンは中国の代表的英傑五人という。彼ら5人にしても結局は国を永続的に存続されることは出来なかった。時代が証明しているとおり現代が如何に進歩したからといっても、人間のエゴまでも無くすことは出来ないだろう、いつかこの平和な時代も終焉するときがくるのだと思うと感慨深いものがある。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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