迷路館の殺人 (講談社文庫)

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著者 : 綾辻行人
制作 : 相澤 啓三 
  • 講談社 (1992年9月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061852266

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迷路館の殺人 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 弟子を殺し自ら命を断った小説家。
    在り来りな推理だなと思っていたが、最後の章を読んで驚いた。
    言われてみれば明確に記述された文章は無く、勝手に想像した姿だったな…。

  • 館シリーズ3作目。
    作中作のお話は初めてで、本の中に本があるのが面白かった。
    スマホではなく黒電話、パソコンではなくワープロが出てくるところに時代を感じる(笑)
    時代の進化は話の展開を狭めてしまっているのかもしれないなぁ。

  • 迷路館。この題名を見たときにようやく本格ミステリらしい館が出てきたと思った。しかし表紙絵は記念碑のようなオブジェが森の彼方に見えるだけで「あれ?」と思ったものだが、開巻するやいきなり妙に凝った装丁だったのに驚いた。本の中に本がある、しかも講談社ノベルスを何から何まで模倣したそのデザインにニヤリとした。こういうのを作中作という趣向だというのを本書の解説で初めて知ったのだから、いかに私がまだヒヨッコだったのかが解るだろう。
    しかも中に収められた館の間取り図はもう生活すること自体を全く無視した本当の迷路が館の中に組み込まれてあり、逆に私は「コレだよ、コレ!」と喜んだのを覚えている。ここまで奇抜な館を用意するとリアリティ云々は吹っ飛んでしまい、もうその異質な世界で繰り広げられる殺人劇を今か今かと不謹慎ながら待ち受けるだけであった。

    建築関係の仕事に進んだ今だとこの館を見てすぐに「ありえない」と一笑に付すだろう。なぜなら日本の現行の建築基準法に全く適っていないからだ。しかもこれが日本で名高い建築家の手になる仕事だというのだから、抱腹絶倒、荒唐無稽とは正にこのことである。しかし当時学生だった私はそんなことは露知らず、純粋に物語に没頭することが出来た。これこそその時が私にとって読むべき時期だったのだと今になって思う。ちなみに私の専攻は土木であり、建築学は全くの門外漢であった。しかし就職すれば会社はそんなことには頓着せず、土木も建築も一緒くたでせざるを得なくなる。まあ、でもこれはいい誤算ではあった。

    さてそんな館を用意した綾辻氏はさらに本格ミステリ好きの中枢神経を刺激する設定を放り込んでくる。その館の主は宮垣葉太郎という本格ミステリの巨匠であり、そこで彼の弟子とも云える新進作家たちを読んで競作を行い、優れた作品を書いた者には彼の名前を冠した賞と賞金を送るという設定。いやあ、堪らない設定だ。しかもこのシチュエーションは当時の新本格シーンを牽引し、若い本格ミステリ作家を推薦して次々とデビューさせた島田氏、そしてその推薦を受けた綾辻氏、法月氏、我孫子氏、歌野氏の境遇をそのまま投影したようで、フィクションながら一部ノンフィクションのような錯覚を覚えた。だから作中に出てくるそれぞれの作家、評論家、編集者の実際のモデルは誰なのだろうと空想に耽ったりもした。
    しかし、これだけミステリ好きをくすぐる設定は冷静に眺めると非常に異様な光景である。なにしろこの競作は宮垣氏が自殺した状況下で行われるし、こんな住みにくい迷路の家にこもって創作すること自体もまた異様だ。そして連続殺人事件が起こるのだが、それでも逃げ出さず、館に居続け、捜索を続ける彼らは狂気の作家達と云えよう。全てが終わり、事が公になったとき、果たして彼らの社会的評価というのはどうなるのか?などという懸念が今更ながらに湧いてくる。

    しかし本書を読むのにそんなことを気にしてはいけない。本書は日本に似たどこか別の国で行われた事で捉えるぐらいの寛容さで臨めばかなり楽しめる作品で、私は館シリーズで2番目に好きな作品である。迷路館という特殊な館を存分に活用したトリックに加え、事件が終った後で判明する真相にはかなり驚いた(しかしこの真相は女性には不評らしい)。館シリーズと呼ばれるこのシリーズで初めて館が主役となった作品だと思う。

    ちなみにここで出てくる宮垣氏の畢生の大作『華麗なる没落のために』はその実、鮎川哲也氏の未完の作品『白樺荘事件』を指していたのではないかと私は思っている。まだ見ぬ巨匠の作品を一刻も早く読みたい、そしてそれは巨匠最後にふさわしい傑作に違いないという思いが込められているように感じた。

    で、ミステリを数こなした今、この3作を振り返ると綾辻氏はトリックとロジックという本格ミステリの王... 続きを読む

  •  久しぶりに綾辻行人読んだのですが、最後の最後まで読んで、ああそうだ、こういう話書く人だったってやっと思い出しました。本格推理の要素に加えて、叙述トリックを最大限に使うのよね……。そうだった。

     内容、展開は気持ちよーく推理もの。ただ、叙述トリック込みなので、こっち側に全部を読み解く裁量は、あまり与えてもらえない。自力で解くぞ、みたいな読み方がしづらいのですが……この辺は好みだろうなあ。

     ワープロとか、フロッピーとか、あの当時ならではの要素が懐かしかったです。こうやって小道具が古くなっていくのは、推理ものの宿命だろうか、とも。

  • 館シリーズは独立しているので、これだけで読んでもいいとは聞いていたけれどやっぱりシリーズ通して読んでいてよかったなと、読み終わった時にそう思いました

    まずは文庫の中で文庫を読んでいくという不思議な感覚
    そしてその作者を予想しながら本編(という名の文庫の中の文庫)を読んでいくのだけれど、見事にミスリードされました。

    文庫の中の島田の謎解きが完了したとき
    がっかりしてしまったのですが
    そのあとのあとがき、そして冒頭部分から仕掛けられていた
    叙述トリック
    がっかりからのどんでん返し、そしてまたどんでん返し
    一気に、これすごい!という感想にひっくりかえってしまいました。

    名作といわれるものは、やはり名作だったのだなぁと思いました。

    作中使われているトリックが古すぎて到底考えが及ばなかったのは仕方ないですが、昔のワープロの仕様などがわかってちょっと面白かったです。

  • 複雑なつくりになっている迷路館。そこに住む宮垣という小説家によって数名の作家が集められた。そこで、宮垣が亡くなり、しかも遺言として警察に通報せずそれぞれ小説を書きその遺産を与えるという。しかし、次々と作家たちが死んでいく。

    鹿谷が、この事件を体験し、書いた小説とされているのが面白い。そして鹿谷と島田との関係。なんとなくこの関係は続けて読んでいるとすぐにわかるのだけど最初の島田は誰だかわからなかったな。そして鹿谷がこの小説を書いた意味も。典型的な叙述トリックとも言えるけれどとても面白いし騙された。

  • 逆転に次ぐ逆転という結末は面白かった。
    作中作という形式は初めてだったので、真相が明らかになるクライマックスが早く訪れてしまい戸惑った。
    確かに最後は「あーっ!」という裏切られ感はないことはなかったが、しりすぼみ感も感じた。
    本編の推理がサクサク進みすぎている感じがした。

  • 2015/11/23 読了
    第一作『十角館』を読み終え、二作目が見当たらなかったため、第三作である『迷路館』に手を伸ばした次第である。推理小説はおろか小説すらまともに読んでいない素人には到底思いもつかない伏線が絡み合い、読了後の疲労感はなかなかのものだった。一度読み終えたはいいものの、再び読み直す必要がありそうだ。作品に惹き込まれてしまう

  • どうひっくり返して来るかと期待せざるをえない展開。小説の中の小説で、小説が書かれるというメタの重層構造。最後は「らしい」どんでん返しで見事にまとめてくれた。

  • 再読。だいぶ前に読んだきりだったので、内容についてはほとんど記憶に残っていなかった。ただ何となく『首切りの論理』における犯人の出血を隠すため、という部分の『犯人の出血理由』が月経であるということは覚えていたが、「飯島智生が女性」であることはすっかり忘れていて、まただまされてしまった。第二の清村殺害の際の石膏マスクのすり替えにはすぐに気が付いたが。。。ギリシャ神話の内容をなぞらえつつ、アンフェアにならないぎりぎりのラインで読者をだます手法はさすが。何度読んでも楽しめる作品。

  • 「十角館の殺人」の後に読むと、なるほどねと思う箇所が多くなると思います。

  • 今回は作中作という形式を取っているが、これが何を意味するか最期までわからない、血液と言うところで犯人は女性ではないかと思ったりしたが、その時点では該当する女性が思い浮かばなかった、そして最後に種明かし、完全に叙述トリックに騙されてしまった。さらにエピローグでまで叙述トリックに騙されてしまい、作者にいいように遊ばれた感じがする。

  • 館シリーズの第三作。
    20年ぶりに再読。
    当時はブクログのような記録も付けてなかったし、現在よりも乱読だったため忘却の彼方へ置き去られていた一冊。読み始めてすぐに気がついた、これ読んだことある!って・・・。
    けど、ストーリーを含めて細かいトリックなんかも覚えてないし、気合を入れて読んでみた。

    うん、面白い!
    実際に起こった殺人事件を作中作として、本書のほとんどの部分はこの作中作が占めている。
    ・<プロローグ>
    ・『迷路館の殺人』 鹿谷門美
    ・<エピローグ>
    の三部から成る本書は、プロローグとエピローグ以外は作中作。

    作中作の中で事件の解決を見るのだが、エピローグでまたもひっくり返される展開。
    叙述トリック的な要素も加味した本格とでも言える小説で、これは、相当、注意して読まないと真相に気がつかないんじゃないか?
    実際、20年ぶりに再読した自分も、エピローグでは「おっ!」と唸った(完全に、トリックを忘れていたw)

    ただ、このような大掛かりな館を用いての推理小説だと、どうしても「秘密の通路」だの「秘密の部屋」なんかが必要になるのか、その部分は好みじゃない。もちろん水準以上の本書では、被害者がある人物を指さして息絶える場面等、よく工夫されている。

    ☆4個

    背表紙~
    奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた!完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。

    迷路の中に掛けられた仮面やワープロ等、小物の使い方も上手い。再読とはいえ堪能した一冊。

    館シリーズは第一作から順に読んだ方が楽しめると思う。

  • 何回か話は転がってくれるのだけど、震えるほどの驚きが来ず若干期待外れ
    最後は小気味いい感じで終わったのでよかった

  • 作中作中作。ダイイングメッセージ。見立て。他多数…。
    過剰にも思えるほど、凝りに凝った仕掛けが魅力的。
    平面図だけでテンション上がったのは自分だけじゃないはず。

  • 2015.5/24〜26。館シリーズ第三弾。舞台は迷路の館。実際に起こった殺人事件を下敷きにした作中作という構造。今回もたくさんひっくり返されて大満足。

  • 素晴らしい。上手い。面白い。迷路館を舞台とした事件が行われ、作中作が使われるわけだけど、きれいに足元すくわれた感覚。作中作が読み終わって驚き、作品が読了して驚嘆。心臓を食べられてしまったよう。ほんと楽しかったと言える小説。完成度が高いなって思う。これだからミステリは止められないよなー

  • 館シリーズの3作目!

    今回も中村青司さん設計の館が舞台となります!

    今回の館は玄関以外全て地下室でミノタウロスが閉じ込められていたラビリンスをモチーフにした館になります!
    建築基準法は無視でしょうね(笑)

    さて、今回は小説の中にある小説で、ひっくり返されて畳に受け身を取ったつもりが、畳が無くて床下に落とされたという感じです!

    是非ご一読下さい。

  • 作中作型式だったので、最後の<エピローグ>でどんでん返しがあるだろうとは思っていたが…
    なるほどね~

  • 再読で結構忘れていて、変にあった記憶に踊らされてミスリードされまくり面白く読めました(笑)。
    しかし本の作者名がもう少しどうにかならなかったのかいつも思ってしまいます(苦笑)。

  • ややこしくて面白い。

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迷路館の殺人 (講談社文庫)の作品紹介

奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた。完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。

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