迷路館の殺人 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061852266

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    館シリーズ3作目。前回の王道ゴシック路線からは
    また異なる作中作などによるトリッキーで
    「騙し」に拘ったような異色作。

    今更粗筋や概要は...アレなのですが、作者自身が
    割とハイな状態(開き直ったとの思える)
    で書かれたようなテンションの高さと稚気と、
    挑戦具合が伺えます。
    館シリーズの前提として、ミステリにおける
    ある意味のタブーを最初から度外視した仕掛けに
    ついては、予備知識なしでは、脱力ギャグに
    なってしまう恐れがありますね。

    更にはアンフェア(?)スレスレの叙述トリックによる
    「真」犯人の告発も今作の賛否両論が分かれるところ
    なのかも...。そういう意味でも「騙し」に
    拘った当時の綾辻氏の苦悩の向こう側を何となく
    思ったりしましたw。でも、個人的に最後まで
    一気に読ませる作品で充分に面白いと思ってます

  •  ふと、思い立ってPSの「YAKATA」(綾辻監修のゲーム)をやり始めたら、無性に読み返したくなった。
     で、思うこと。
     やっぱり綾辻行人は天才だ。高柳にとってはもう他の作家と同一レベルで語ることが出来ないくらいに、特別だ。
     伏線の張り方、オチの持っていき方どれを取っても好み。
     論理も重要だけどそれ以上に意外な結末を。
     以下ネタバレにつき反転。
     作中作の形を取っていて、性別トリックっていうネタ自体は覚えていた。だからじっくりその伏線とかについて読んでいけたが、やっぱりすごい。
     はじめに「島田」と名字だけで書いてあるところも叙述トリック。鹿谷門実ってペンネームが出てきたのがこの作品がはじめてだから、それをうまく使っているわけだ。
     抜粋。
    「(略)単に話を面白くするためだけの法螺だったわけでもないんだから」
     作中作の作中で自分が吐いた嘘にたいする島田潔の弁明。おそらくこれは、この作品全体のオチに持っていくための伏線の一つなのだ、とそう言いたいのだと思う。

     ミステリのトリックだけではなく、それとは別にオチを用意する。こういうものこそ高柳が書きたいものなんだろう。

    03.12.27

  • とても面白かった。最後にどんでん返しがあるシリーズにはまっている。死んだ人が犯人なのかな、くらいの想像はしていたが、最後にそれがひっくり返るところは面白かった。

  • 久しぶりの館シリーズ。「この人が犯人だったりして~からのやっぱり!」をあっさりと裏切られ、「えー!そんな仕掛けが!」とビックリしてさらに、最後にも仕掛けてあるという、気持ちいいくらいにしてやられました。面白かった☆

  • 迷路館、わくわくしながら読めました。大胆な展開とスピード感が素晴らしく、一気読みです。単純な面白さで言ったら、ここまで読んだ館シリーズで一番かと。
    最後のどんでん返しそのものは、個人の特定はできなかったのものの、こういう風にくるだろうなぁというのは予想できたのですが、そこに予想を上回る作品中の仕掛けと論理的な説明が加わり、おおおっと唸るラストに。
    一歩間違えば陳腐になりかねないところを、そうはならない絢辻さんの構成力と文章力の巧みさはやはりすばらしい。

  • 大御所推理小説家の還暦を祝うために招待された作家4人に評論家、編集者夫妻、島田潔。
    館の主人の自殺から行われることになった遺産を巡っての競作。
    その小説のとおりに殺害されていく作家たち。

    館内部が迷路で神話なども絡み合ってもー最初から最後まで盛り沢山!
    読者に解かせる気の無い秘密の通路は賛否両論ありますが、金田一シリーズを読んでからの館シリーズなので全然気にならないw
    隠し通路の発見方法なんかは冒険譚のようでワクワクします。
    作中作という構成も新鮮だったし、最後にまたどーんとひっくり返されるので読み終わった後の満足感は結構なモノ。
    もう騙される気まんまんで読んだ方が楽しめるなと割り切って読みましょう。

    2012/12/12-13

  • 犯人はうすうすわかってた。でも、明確なトリックには気づけず。。。
    最後のエピローグのところでまさかの、でも綾辻さんらしさ全開でやられてしまった。
    ストーリー自体は並かもしれないけど、エピローグの小ネタだけで個人的には満足できましたw

  • お友達からのおすすめの作品。
    おもしろかったよ!最後はビックリした!
    作者の名前、もう少し頑張って考えたらわかったかもしれないなー!

  • まさか最初からミスリードされてたとは。。。びっくり!!!やられたー!!!と。
    しっかしほんと毎度秘密の通路は反則だよな~それでも面白かったんだけどね~
    本のなかに本があって面白かった!

  • 性別が違うってトリックは他でも見たことあるけど、これは全然気づかなかった。殺人のトリックは大したことないと思ったけど、ラストで判明するどんでん返しは良かった。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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