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- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061853546
感想・レビュー・書評
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なんとはなしに、数年(いや10年以上か)ぶりの再読。姉の邦子さんを彷彿とさせる文章に改めて巧いなぁと感心。全くの勝手な感想だけど、末妹の和子さんが邦子さんに関して著している何冊かの作品からよりも、保雄さんのこの1冊から、姉と弟の深い関係性をより強く感じる。姉の尻尾を一番多く掴んでいたのは父ではないか、また(父の次に)理想の男性であったのでは門倉のおじさんだったのではないか...こうした考察は、それが正しいか否かは別として、末子のさらに女性である和子さんにはし得なかったものと思う。10歳近く下だった和子さんに対し保雄さんと邦子さんの年齢が近かったせいかもしれないし、長女であった邦子さんと、父敏雄さんの他に家族で唯一の男性だった保雄さんの絶妙なタッグのためなのかもしれない。そしてこの本には、邦子さんの不慮の飛行機事故後、遺体確認に一人で台湾へ向かった保雄さんの日記が併録されている。死後30年以上が経ち、この本の著者である保雄さんも、姉弟の母であるせいさんもすでに故人となっているが、家族にとっても大きな存在であった向田邦子さんの突然の死は、家族それぞれの生涯に渡って影響を与えたものと思う。
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