マジックミラー (講談社文庫)

  • 1353人登録
  • 3.32評価
    • (65)
    • (138)
    • (470)
    • (37)
    • (1)
  • 139レビュー
著者 : 有栖川有栖
  • 講談社 (1993年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853904

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有栖川 有栖
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

マジックミラー (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • アリバイミステリは苦手かも知れない(アリバイ講義は興味深かった)……。

    双子の探偵・双子の犯人、オチは綺麗だった。

  • 私の有栖川作品初体験はデビュー作の江神・有栖川コンビの『月光ゲーム』ではなく、火村・有栖川コンビの第1作の『46番目の密室』でもなく、このノンシリーズの作品だ。
    文庫派である私は単行本、ノベルスで刊行された作品が文庫落ちしてから読むのを習慣としている。この文庫落ちのスパンというのは3~4年が通例なのだが、東京創元社は概ねこの文庫化になるスパンが長く、しかもまちまち。『月光ゲーム』は単行本刊行後5年後で比較的早くはあった。

    余呉湖畔の別荘である女性が殺される。それは作家空知がずっと慕っていた女性だった。容疑者と思われた夫は事件当時福岡におり、またその双子の弟は新潟にいてそれぞれのアリバイは完璧だった。空知は亡くなった女性のため、その妹と一緒に独自に事件を調べる。
    やがて双子の片割れが頭と手首を切断された死体として発見される。

    時刻表トリックに双子の登場、そしてその片割れが頭と手首を切断された死体になるという、まさに本格ミステリ王道を行く設定だ。
    新本格組では法月綸太郎氏がクイーンの後継者としてデビューしたが、有栖川氏も熱心なクイーン信奉者であり、さらに自身国名シリーズまで出しているくらいだ。
    法月氏は早々に後期クイーン問題に直面し、悩める探偵となり、寡作家になってしまったが有栖川氏はデビュー以来着実に作品を刊行し、いまや現代本格ミステリの第一人者になっている。
    そんな彼の最初期の作品である本書にはなんと登場人物を介してのアリバイ講義が盛り込まれており、自らの知見の広さを披露するという度胸振りだ。基本的に私はアリバイトリック物のミステリはほとんど読んだことが無かったため、挙げられている作者は私の守備範囲ではないが、それでも興味が湧いた。

    そんなガチガチの本格ミステリを展開しながらも、お話としてもほんのりとしたペーソスが施されており、単なるパズル小説・トリック小説に終っていない。一番最初に「おっ」と思ったのはコーヒーか紅茶だったか、喫茶店で角砂糖を入れるところの何気ない描写。ここに他の新本格作家にはない情緒を感じた。
    そして最後の緊張感溢れるサプライズは映像的でドラマ化されても十分映えるシーンだ。いやむしろミステリドラマを意識したかのような演出だ。単純に関係者を集めて長々と推理を披露した上で犯人を名指しするというオーソドックスな本格ミステリが多い中、こういう演出は新鮮だった。そしてさらに仕掛けた作者の企み。これをフェアと取るかアンフェアと取るかはその人のミステリ嗜好によるだろうが、私は有りだと思った。

    新装版も刊行されたがそれもまた納得。時刻表ミステリは廃線や廃車となった車種もあるのですぐに時代の流れに風化されやすいが、現代本格ミステリの第一人者の初々しい頃に触れる意味でも、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。

  • 携帯もネットも無い時代のミステリ。
    時刻表トリックは苦手ですが、本書の根幹はそこではない。すごいというより呆気にとられる結末であった。

  • 良かったけど、時刻表トリックがどうしても苦手なので…
    私は『月光ゲーム』みたいなサスペンス系の方が好きかな。

  • やっぱり有栖川有栖は面白い。
    推理に必要な事柄をひとつひとつを丁寧に書かれるので
    安心して読めるというか。

    犯人は第一、第二の殺人ともに明らかなので
    どう成し遂げたか?を推理するもの。
    まあ、全然分からなかったけど。。

    でも、時刻表のトリックは
    あんなにうまくいくもんかなーと思った。

  •  えーっと。個人的にはイマイチ。
     んーっとね。
     最後、少しw( ▼o▼ )w オオォォ!! ってなったんだけど……。
     なんだか近頃、鉄道ミステリーとかいうのには、正直飽き飽きしてて……というよりは、推理小説に飽きているのかもしれないけれど。
     まぁ……なんつぅか……イマイチ。
     個人的には、推理小説よりも、ミステリーの方が好きかな……。
     いや、まぁ、推理小説も読まないことはないのだけれど……。
     やっぱり、推理小説のトリックそのものよりも、個人的には回りの人間に対する心理描写とか、そっちの方が好きだから、トリックのみで読ませようとする小説は苦手かな……。

     というわけで、個人的には微妙だったかも……(別にケンカは売ってないけど)
     難しいよね。小説って。

  • 2015.11.13

    本格もの。時刻表トリック 双子

    『アリバイ講義』がおもしろい

  • 冒頭から双子の入れ替わりである事が明記されているため、純粋なアリバイ崩しものとなっている。第一の事件のトリックには少し無理があるものの、博多駅でのトリックは見事。※でもこれって健一が殺して彦根から、新一が大阪からスタートすればもっと簡単なのでは※第二の事件のトリックは殺害場所を錯覚させるものでこれも見事。謎解き役の私立探偵も双子というのはやりすぎ感があるが、それを生かした解決場面の演出は鮮やかで、最初の「ダイアローグ」が叙述トリックになってるのも洒落ている。

  • 犯人の検討は容易。
    ミステリ初心者でもわかる。
    ただ、そのアリバイ崩し(殺人手法)が難解。
    そちらに重きを置いたミステリなのね。

  • スピーディーでテンポの良い展開でなかなか面白かった(*´∀`)
    初期の作品なだけあって荒削りな感じがしますが良い意味での荒削りでした。

  • 知らずに手にしてしまった時刻表トリック……苦手です。

  • 犯人の目星はすぐについた。あとはアリバイ崩し。登場人物の心理描写などは浅くしか描かれておらず、アリバイ崩しに興味を持てない人にとってはつまらないかもしれない。
    最後のシーンはぐるっとまわって話が繋がったような感覚で面白かった。

  • 有栖川有栖の『マジックミラー』を読了。初期のノンシリーズ作品。

    この作品には、オレが苦手と同時に嫌いでもある時刻表トリックが使われている。これまでミステリはだいぶ読んできたのだが、実は時刻表トリックは本作が初めて。今までは意図的に避けてきた。

    単刀直入に言ってしまえば、時刻表を見て推理するのがとてつもなく苦手。本文とは別に時刻表の参照図がいくつか載せられているのだが、見慣れていないせいなのかオレは時刻表というものが嫌いだ。どうしても途中から思考停止してしまう。結果的に、トリックが時刻表の穴を巧みに突いていたものだとしても、作家には申しわけないが完全には理解できていないのが本音である。ああ、実に情けない……。

    ならば何故そもそも読もうとしたのか?それは、まず一つに有栖川有栖の作品であるということ。個人的にはこれだけで十分に立派な理由なのだが、それとは別に、この作品ならではの理由もあった。

    海外のミステリ黄金期に活躍した作家の一人、ディクスン・カーの有名な作品に『三つの棺』というものがある。その作中に「フェル博士の密室講義」というものが出てくる。登場人物が、あらゆる不可能犯罪ミステリの密室トリックを分類してみせるという内容で、未だに様々な作品でちらほら名前が引用されることがあるほど有名。

    この密室講義に倣ったアリバイトリックの分類を、『マジックミラー』では「アリバイ講義」として試みている。文庫版あとがきには該当作品も紹介されていて、これから読む作品の指針にもなった。アリバイトリックも実に多種多様だ。

    推理はまともにできなかったが、ストーリーはだいぶ楽しめた。ラストも上手く終わらせているし、ダイアローグから既に騙されていたと気付かされる。しかし見事に騙された時のやられた感もまた、ミステリの醍醐味の一つであるからやめられない。

  • クライマックスでの、ちょっと思いもしないところでのトリックに唸る。がクライマックスまでの展開が冗長という気もする。

  • 本格推理小説の王道。
    アリバイトリックを暴いて、犯人を見つけ出す。

    主人公の小説家と刑事が真相を探るべく物語が進んでいく。
    興信所の探偵が加わり、被害者の家族がからみ終盤へ突入する。

    双子の古物商経営者の妻が殺されるのが1つ目の事件、
    その双子のどちらかが殺されるのが2つ目の事件。

    最後は興信所の探偵が全てを暴く展開。

  • 純粋にダマサレました!トリック面白かった!

  • 正統派ミステリなのにアンチミステリ。この作品を一言で言うならこの言葉に尽きる。時刻表、双子を用いたアリバイトリック、そのベタさを制約にしていながら7章ではその分類化、考察を示して、本作のトリックを解くフローチャートを読者に明確にしている。つまり、読者が真犯人に辿り着くことを前提にしたミステリであり、これは手練手管で読者を騙す本来の推理小説でない。推理作家が推理小説を書くときの工程、心情が垣間見える作品だった。

  • 長編ミステリー。
    アリスはでてこないけど違う推理小説家が出てくる。
    アリバイトリックの分類とか、アリバイトリックへの意気込みとか、著者の思いがとても伝わってくるくだりがおもしろい。

  • 犯人の予想はついたけど、それでもそこそこ楽しめた。犯人当てより、アリバイを楽しむ感じがした。
    アリバイ講義が勉強(?)になった。やっぱりミステリー作家さんて、すごい!!!

  • 可もなく不可もなくって感じのミステリー。

  • 今月の11冊目。今年の123冊目。

    アリバイトリックを使った作品。鮎川氏の解説がちょっとべた褒めすぎる。正直、自分がアリバイトリックが好きではないせいか、そこまで面白いと思わなかった。ところどころ事件に関係ない微妙な感じの文章が気になった。全体的には、普通な感じ。

  • 初めて読みました。有栖川さん。
    ミステリーなのですね。面白かった。
    トリックが、まず斬新。
    時刻表トリックにはいろいろありますが、
    まさかこうくるとは。完敗でした。(←えらそうに)

    いやいや双子でしょ。犯人でしょ。
    アリバイ楽勝でしょ。
    って中でのトリックですから。
    そうとう分からないトリックを仕掛けなきゃね。。


    ストーリーは、双子の1人と結婚した姉が、湖畔の別荘で殺された。
    姉には1億円の生命保険がかけられてた。。。
    双子には完璧なアリバイがあった。
    姉の元彼、推理小説家の空知雅也はそのトリックを見破れるのか?
    そして起こった第二の殺人。。。
    犯人は。。。


    最後、ちょっと負に落ちない終わり方がおしい。
    空知があんなミスをするとは思えないし、
    突然出てくるもう一組の双子にも笑えないし。
    ってかもうちょっとそれを匂わせてくれたら。。。

    なんて負け犬の遠吠えですが。。。
    と、とても楽しく謎解きが出来た小説です。
    ぜひぜひだまされてください。

  • 『ミステリは近代人の合理精神が排斥しようとした謎=神秘を、近代人御用達の合理精神で蘇生させた文芸だと思います。…その推理小説的神秘を実現させる手段が『トリック』と『意外な論理』でした。この二つが『推理小説のテクノロジー』あるいは『手法』とも言うべきものです。この二つは神秘を実現する手段だったはずなのです。ー本来は。』有栖川有栖最高!『アリバイ講義』素晴らしかった。

  • おもしろかったけど、全体的に意外性はあまりなかった。私、アリバイトリック崩しよりも、犯人が意外な作品の方が好きみたいだ。アリバイは、確実じゃなくてもなんとなくわかっちゃうから。だったら最初から犯人が明示されてた方が燃えるかも。

全139件中 1 - 25件を表示

マジックミラー (講談社文庫)に関連する談話室の質問

マジックミラー (講談社文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

マジックミラー (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

マジックミラー (講談社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

マジックミラー (講談社文庫)の作品紹介

双子の兄弟が殺人犯?しかし兄の妻が余呉湖畔で殺されたとき、兄は博多、弟は酒田にいてアリバイは完璧だった。やがて第二の殺人。兄弟のどちらかが被害者らしいが、死体からは頭と手首が失われていた。犯人の狙いはどこに?犯人の大トリック、多彩な伏線が、結末で読者を仰天させる、大型新鋭の傑作。

マジックミラー (講談社文庫)の新書

ツイートする