綾辻以降っていう言葉で新本格の隆盛は語られがちですが、やっぱり昨今のミステリー界に最も貢献したのは、島田先生に違いないわ…。こういう人が日本のミステリー界を牽引してくれる時代に生まれて、本当に幸せです…。
ありがとう、島田先生。
ありがとう、講談社←
「本格ミステリー」に対する島田荘司の真摯な愛をひしひしと感じられる宣言書です。
「本格」という言葉の意味の変遷や再定義、綾辻・歌野・法月三氏に贈る激励、そして何と言っても豪華な面々による対談が嬉しい(笑)。
個人的には、「本格は雰囲気」って濁した綾辻先生の論に賛成。島田先生みたにストイックにカテゴライズを試みるのも好きだけど、我孫子先生の大雑把な考え方も好き〜(笑)。しかし、商業的だな…。
彼等が作り出したムーブメントに対する彼等自身の評価が一致してたことが、何よりも嬉しかった。先生達の作り出した偉業は、私達読者が語り継いでいくことで歴史に残していってみせるんだぜ!←
ただ、ミステリー論と銘打つなら、島田式・本格十戒、みたいなキャッチーなものもあっても面白かったな〜。ダインとノックスはいくらなんでももう古い…(笑)。
松本清張という巨大な「社会派」の才能の前に完敗した嘗ての「本格派」の反省。
ミステリーの背骨たる「本格派」の書き手達を育てることで、本格ミステリー再興に寄与したいとする姿勢と、その活動が広義のミステリーを生むだろう、という期待。
大満足!
ただし、特にミステリーファンでない方には、自信を持ってオススメしません!!(笑)