本格ミステリー宣言 (講談社文庫 し 26-11)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 176
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854390

感想・レビュー・書評

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  • 綾辻以降っていう言葉で新本格の隆盛は語られがちですが、やっぱり昨今のミステリー界に最も貢献したのは、島田先生に違いないわ…。こういう人が日本のミステリー界を牽引してくれる時代に生まれて、本当に幸せです…。

    ありがとう、島田先生。
    ありがとう、講談社←


    「本格ミステリー」に対する島田荘司の真摯な愛をひしひしと感じられる宣言書です。

    「本格」という言葉の意味の変遷や再定義、綾辻・歌野・法月三氏に贈る激励、そして何と言っても豪華な面々による対談が嬉しい(笑)。

    個人的には、「本格は雰囲気」って濁した綾辻先生の論に賛成。島田先生みたにストイックにカテゴライズを試みるのも好きだけど、我孫子先生の大雑把な考え方も好き〜(笑)。しかし、商業的だな…。

    彼等が作り出したムーブメントに対する彼等自身の評価が一致してたことが、何よりも嬉しかった。先生達の作り出した偉業は、私達読者が語り継いでいくことで歴史に残していってみせるんだぜ!←

    ただ、ミステリー論と銘打つなら、島田式・本格十戒、みたいなキャッチーなものもあっても面白かったな〜。ダインとノックスはいくらなんでももう古い…(笑)。


    松本清張という巨大な「社会派」の才能の前に完敗した嘗ての「本格派」の反省。

    ミステリーの背骨たる「本格派」の書き手達を育てることで、本格ミステリー再興に寄与したいとする姿勢と、その活動が広義のミステリーを生むだろう、という期待。

    大満足!
    ただし、特にミステリーファンでない方には、自信を持ってオススメしません!!(笑)

  • 島田荘司のミステリ評論や巻末解説、綾辻行人・法月綸太郎などとの座談会などが収められた小品集。
    「本格とは雰囲気のことである」という島田・綾辻両氏の主張や、切り裂きジャックに対する考察などがあり、(主に)島田荘司の本格に対する考え方が垣間見れて面白い。

著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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