炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)

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著者 : 高橋克彦
  • 講談社 (1995年10月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061859272

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炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • ここに来て急ピッチで物語が進行する。
    この本を読むまで存在さえ知らなかった清原家。奥州の陰にこんな一族の存在があったとは。
    結有や清衡の行動原理については賛否が難しいところ。大義のためにここまで己を殺して耐え忍ぶことについて、自分としては共感できない。
    作品を通して感じるのですが、脇役として位置付けられた人々が繰り広げる某略の醜いこと。。。私利私欲の権化となった権力者のみっともなさはいつの時代も同じですね。

  •  後三年の役。
     藤原(清原)清衡の勃興物語であるが、少数で勝ちを収める展開は、本来ならカタルシス満載のはずだ。
     が、余りに出来過ぎ。殊に前半、奥六郡の中の三郡を支配下におさめるまでがそうだ。その上、本巻の人物造形が、清衡に倫理的かつ全面的正義を仮託する如きなので、どうにも上っ面感が拭い去れない。
     清原氏に対する復讐心と忍従の日々による心理的成長が齎した清衡自身の謀略戦という展開の方が納得し易いが…。

     しかも一巻に全部を盛り込むため全体的に舌足らず。藤原経清の物語と比較して、バランスの悪さは顕著である。
     それゆえか、義家や結有の心理変化がト書き的に展開されるのみで、ホントに小説かと目を疑ってしまった。
     清衡が奥六郡に覇権を立てようとする上で、彼の心の裡を描くのに、母や疑似父との確執や葛藤は避けて通れない重要な要素と考えるからなのだが…。
     ここは台詞や行動、会話で描くべきだったのではないだろうか。

  • 後三年の役を舞台にした東北武士の物語。ここから奥州藤原氏は始まる。源義経を理解するならここから読み始めろ!!


     東北の歴史はブツブツと知る程度だけれど、脈々と続いていたことがよくわかって、歴史の勉強としても非常に理解が深まる。確かに正史ではないかもしれないけれど、この解釈は非常に納得がいく。というか、気持ちいい。


     前巻までの安部貞時や藤原経清らのように熱い感じは少ない。だけれど、生き残るには生死をかけないといけない、弱肉強食の時代を感じられる壮絶さを描いている。迫力ある描写は読みごたえあり。なんていうか…ページをめくるとその先は、血でべっとりしてる!!



     藤原清衡は…、我慢強かったから藤原清衡になれたんだろうと強く感じた。
     武士道とは「潔いこと」だと新渡戸稲造の著書で勘違いが広まってしまった。本当は、「初志貫徹」こそが武士道である。己の定めた崇高な志を実現するために、どんな困難も耐え、壁を乗り越える。
     「志」という不定形の物のために己を捨ててまで執着する。その心意気が「武士道」なのである。
     清衡にはその武士道を感じる。父である経清のようにプライドであっさり志を諦めるような体裁を気にする男じゃあない。
     江戸時代に作られた美学的武士像。そういうんじゃなない、リアリストな当時の武士像がわかる。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 後三年の役と奥州藤原氏の成立を描く第4巻。安倍氏と源氏の争いだった前九年の役と比べると、スケールも登場人物もスケールダウンの印象も、高橋克彦氏の筆の冴えはさすが。はずれ無しです。

  • 貞任と経清が前九年の戦に負け、その後の陸奥を頼義に味方した清原一族が牛耳る事になった。経清の妻の結有は、復讐を胸に清原の妻となり、清原との間に子供を持つ。最終的にはこの子(旧清原)と清丸(+頼家)が戦う後三年の戦が締結し、陸奥における黄金期のはじまりとなる。
    内紛が主題になっているのでちょっとドロドロした感じが否めないが、面白かった。当時の人がどこまで情勢を先読みしていたかは分からないが、家来や敵の心情を読みながら策を考えていたのかと思うと、現代人とあまり変わらないのではないかと思う。使う道具や、仕事が変わっただけで人間自体はあまり進化していないのかもしれない。

  • 3巻の主人公の子供が主人公。母親と2人で敵の館で暮らしているという過酷な生活。
    でもこの人が陸奥を纏めるようになるんです。どうやってそこまで登り詰めたのか。
    この人もすごく気丈。 

  • 観劇の予習でこの巻だけ読みました。
    人間関係と戦さのまぁ面白いこと。
    大河ドラマにもなったし難しいかな?と思ったけど続きが気になってサクサク読み進められました。

  • 経清の妻、結有が夫や安倍一族の仇、清原武貞の妻になっていたことがショックでしたが、ここで彼女が屈辱に耐え、後に清衡となる息子を守ったからこそ奥州藤原氏の繁栄があったんですね。
    でもそこへ至るまでの後三年の役は彼女の命を奪います。
    もう、すごい話だとしか言いようがないです。

  • 藤原経清の息子が清原清衡そして藤原清衡となり、奥州藤原氏へ。

    清原家の内紛を源義家との縁も活かし、なんとか乗り切る。
    そして源義家の影響力も排除することに成功する。

    私利私欲のない清衡だからこそ成し遂げたんだろうなあと思いました。

  • 2014/02/13完讀

    結有忍辱地嫁給清原武貞(後來改名叫貞衡),希望清丸(後來改名為清衡)有一天能重建安倍的國度。貞衡過世後,長子真衡繼位,意圖殺掉兩位弟弟,並且找來有平、源兩家血統的養子夫婦。清原家的大叔父首先發難,清衡為了拯救養子夫婦,和家衡一起叛變。清衡暗地和源義家聯手,並且用黃金之力讓義家重回陸奥守。在義家和乙那的策劃下,真衡遭到暗殺,奧六郡兩分,義家將重點分給清衡,但家衡以清原家領袖自居無法接受這個安排,因此假意和清衡交好,但暗地安排大軍夜襲清衡館,讓清衡的母親及妻小自殺,清衡終於決意與弟弟對抗。
    和義家連手的第一次戰役,卻遭到大雪的突襲,慘敗而歸。第二年義光帶著坂東武士來加入,清衡並採用收割對方糧食的計策,讓家衡空有兩萬兵卻被兵糧所敗,家衡及武衡、千任皆遭梟首。為了實現獨立國度的夢想,在義家上京報告此事前乙那和清衡便買通公卿讓此事做為私鬥了事,義家未獲恩賞無法重任陸奧守,清衡終於可以獨自邁向獨立的樂土。

    **

    義家對結有說的這段話很令我感動,抄錄下來:「勝ち負けは時の運、などと手前が申せば真に失礼かとも存じますが、恨みを持っての戦にはあらず。互いの身の置き場が異なったゆえと手前は心得ておりまする。この義家、以来、あのような強敵と相対することがござりませぬ。手前にとっても生涯の誉れ。命日を弔うは己の心を引き締めるためでもござる。武者の心を忘れぬがため。」另外,高喬克彥提到清衡這個人一開始在史書上看不出個性,好像只是一個好運的人,但應該不只這樣。因此他寫道「決して日和見ではない。善悪を超えて、ひたすら耐えるのである。そうすれば周りが自滅していく。死を恐れずに立ち向かう武士の道とは正反対だが、動乱の世にあっては清衡のように生きる方が遥かに難しい。清衡こそ真の英雄だったのかもしれない。」清衡和父親経清不同,忍辱負重,不會因為武士之意氣而隨意捐軀,慢慢等待時機來臨,想到徳川家康年輕時勇挑武田信玄,但之後靠等待時機而取得天下,一方面覺得除了運氣好以外,確實也可以說,真正的大將就應該是這個樣子吧。貞任當初在萩の馬場等戰爭也是敗在這點。真正潔癖的武士,終究是無法擔任清濁兼容的領袖,如果清衡不很潔癖,最終也無法狠下心來擺義家一道。

    這一卷很好看,不過家衡偷襲清衡館的那一段實在太慘太慘了,天命無道,就像清衡最終達成統一奧六郡,趕走義家時那一刻的天問「父上、これで良かったのか?」,我覺得這個呼喊好沈重。

  • 2013/10/07読み始め2013/10/09読了

  • 奥州藤原氏一代目の誕生。義兄も異父弟との戦い。源義家との出会い。そして奥州平定へ。結有と貴梨と澪丸の死には泣けた。

  • 第4巻は後三年の役前夜からその終結まで。清原氏にかわって藤原氏が奥州の覇権を握る。期間が短いとはいえ前九年の役に3冊かけたことを考えると、だいぶ早足になったという印象。
    初期のころからすこしだけ言及されてきた奥州での楽土建設という理想だんだんと強く押し出されつつある。これが奥州藤原氏の栄華につながるのだろうが、問題はそれをどう描出するか。単に近畿の朝廷の力の及ばない半独立国家というだけでは楽土とは言えない。一方で、歴史的には半独立国家であることにはかわりないわけで、あとは中尊寺建立の背景といったところに依らざるをえないのではないかと思う。そうではなくて、朝廷を中心とした体制に対するオルタナティブとしての国家制度を提示できるのか。最後の第5巻はここが焦点になるし、作品全体としての成否もこれのかかっている。

  • 2012-117
    主役が経清の息子、清衝へ。
    敵の中で、20年を耐え
    とうとう立ち上がる。
    本当に忍耐の人。

  • 平安後期の陸奥を舞台にした全五巻の長編。
    第一巻~第三巻はいわゆる前九年の役での安倍氏と藤原経清、源氏を巡る話。
    第四巻は藤原経清の遺児、清衡が後三年の役を通じて安倍氏の血を再興するまでの話。
    第五巻は奥州藤原氏が滅亡する際の源義経との関わりを描く話。
    本巻(第四巻)は、第一巻~第三巻のエピローグ的な位置づけか。あとがきで著者が書いているところでは、藤原清衡の人物像をどのように描くかが難しかったとのこと。但し、清衡が実際にどのような人物であったとしても、前九年の役の敗者であったはずの安倍氏と藤原経清の血が勝者の清原氏を最終的に呑み込んでしまう経緯は、あたかも貞任と経清の恨みがそうさせたようで、史実の面白さをあらためて感じさせる。

  • 亡き経清の妻・結有は清原氏の妻となり、その子・清衡と共に、安倍氏の再興への想いをひたかくしながら、苦渋の日々を送る。さまざまな謀略の渦に巻き込まれながら、多くの命を失いながら、経清は生き延び、奥州の統一を図る。

  • ここまで来て、本当の主役はこの東北という地なのかなあ、と。ここまで来たらあとは一気に読みたい感じで困る。

  • 第四巻は、奥州藤原4代の始祖、藤原清衡の生涯を描く。『前九年の役』にて安倍氏敗北後、敵方の清原氏に母と預けられるが、最後は源義家と共に清原氏を破り、奥州の統一に至る。『後三年の役』が舞台になるが、数々の人間ドラマ(母子、異母兄弟等)を絶妙に描いている。
    清衡は父経清に通ずる武士としての一本気な心に加え、現実を直視する政治力を備える。清衡の戦いの舞台での戦略眼は読んでいても爽快。

  • 東北、東北地方、平泉、岩手などを舞台とした作品です。

  • 持ってるのはハードカバーですが…

  • ・7/? 4冊目も難なく読了.

  •  朝廷の支配が及ばぬ、平安末期の東北地方。ここに一大勢力を築いた、奥州藤原氏。東北出身のミステリー作家である著者が描いた一大ロマン。

     その父祖、亘理権野大夫藤原経清は蝦夷(えみし)の豪族、安倍氏の娘を娶り、源義家の奥州征伐で安倍方に寝返る。時は流れ、その子孫である藤原四代は東北に覇を唱え、豊富な鉱物資源をバックに隆盛を極める。しかし、栄華は長くは続かなかった。

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