緋色の囁き (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061859999

感想・レビュー・書評

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  • あいかわらず殺人の描写がエグかったけど全体的にテンポが良くて読みやすかった。
    最後に犯人がわかる場面では「えっ!そっち!?」ってなったけどそんなどんでん返し的な感じが綾辻さんらしくて良かった。

  • 厳格な女学校を舞台に繰り広げられる殺人事件。
    タイトルの『緋色の囁き』に込められた女性特有の
    禍々しさが全面に出てくる。
    思春期の女子らしい特有のヒステリックな糾弾や危うさ、
    弱々しさが底辺にあり読んでいて、なんだか厭な気分になる。
    幼児期のトラウマと精神を病んでしまった母の濃い血を
    受け継いだ主人公もまた母と同じ道を歩むのだろうと匂わせる終わり方。

  • 高校2年の冴子は突然、産みの親の家
    宗像家へと引き取られる事となった。
    そのまま宗像家が運営し、
    母方の伯母が校長を務める聖真女学院へ
    編入する事になり寮へ入った。
    この女学校は古い歴史を持ち、
    時代遅れとも言える厳格な校風で知られる。
    新たな環境に慣れる暇もない内に、
    クラスメイトが惨殺されるという
    連続殺人が発生する。
    記憶に欠落した部分を持つ冴子は、
    この事件を自分が引き起こしている
    のではないかと疑い始める。



    ホラー度はさほど高くなかったが、
    思っていた以上に本格ミステリを
    していて、真相が明かされた時の
    満足度は高いものだった。
    本編の間に挟まれる文章が
    狂気と美しさを併せ持った
    幻想的な描き方で雰囲気を高めていた。
    最近は翻訳物や古典を読んでいたので
    文章が非常に読みやすく感じられ、
    あっという間に読み終えてしまった。
    これは単に文体だけの話ではなく、
    物語が読み手を熱中させる程
    面白いものであったという意味も含む。
    緋色のというタイトルでも分かるように
    血に関する描写が多いので、
    そこら辺が苦手な方は要注意。

  • 「わたしは魔女なの」
    死んだ少女、緋色の悪夢。

    次々人が死んでいく恐怖がなかなか怖い。
    幕間の回想はミスリードなんだろうなあと思いつつ、ラストでやっぱり驚かされた。
    面白かったです。

  • 閉鎖空間の異常心理の描写が凄まじくて思わず引き込まれた。幕間の回想も幻想的で、かつ、しっかり伏線になっているのがやっぱり上手い。

  • ミステリというよりは、サスペンス、ホラー色の強い作品。次々と人が倒れていく様、描写には、震慴せずにいられない。犯人予想を も見事に裏切られ、あっと言わされ思わず身震い。さすが綾辻先生です。

  • 全寮制女子高ってことで、密室ではないけど独特の空間です。
    閉鎖的空間での恐怖、噂、疑心暗鬼、この伏線の答えは?犯人はいったい誰?冴子って何者?と気になることばかり。
    どんどん読んでいけます。
    ラストは殺人鬼がただ暴れる…って感じだったのでもう少し、犯人の心理描写があってもよかったかなと思います。

  • 全寮制、名門女子校、美少女、魔女、血、好きだわ〜

  • 「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。 (「BOOK」データベースより)

    綾辻氏の作品の再読を続けていますが、毎度のことながらまったく覚えておらず、新しい本を手にしたように楽しめていて幸せです。

    これも、なんとなく雰囲気には覚えがありましたが、こんなストーリーだったっけとうれしい驚き。
    全寮制の女子校って、なんだかそれだけでミステリアスな雰囲気がありますよね。
    この作品は、ミステリというより、ホラーな感じ。
    私なら一度目の事件の後、この女子寮に残るなんて絶対できいない。
    コワイですもん。

    伯母様は姪を愛していて(ですよね?)安心しました。

    冴子が元気になって幸せに過ごせることを祈ります。
    俊記がそばにいてくれたらいいのになあと思ったり。

    サスペリアみたいな雰囲気のせいか、映画を1本観た気分になります。
    結末を迎えて、ああ、あれも伏線だったのかということがいくつもあって、さすが綾辻氏と思ったのでした。

  • 冴子の幸せを切に願う。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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