織田信長(2) 桶狭間の巻 (山岡荘八歴史文庫 11)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061950115

作品紹介・あらすじ

天下を狙う駿府の今川義元は、遂に総力をあげて美々しく上洛の旅についた。尾張など眼中にない。抵抗すればもみ潰せ。屈服か、滅亡覚悟の抗戦か。信長は秘策を胸に動じない。だが義元が桶狭間に入ったと聞くや、者ども続け、と飛び出した。折から暴風雨襲来。天は、革命児・信長に味方した。

感想・レビュー・書評

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  • 桶狭間。信長もまともに。前田利家が一度織田家を追われる理由となった事件(家臣を斬ったふりをして家を追われ、敵の懐に潜り込む→本当に斬ってしまった)がわかって納得。

  • この作品に登場する歴史上の人物には、山岡荘八流の解釈による性格が付されているが、特に輝きを放っているのが信長の正室・濃姫である。彼女については斎藤道三の娘ということ以外は何も分かっていない。しかしあの美濃のマムシの娘ならば、こうであったろうという個性が違和感なく発揮されている。勝気で男勝り、打てば響く機知に富んだ賢夫人。留守を任せて怠りなく、家臣や領民、側室やその子供達への気配りも忘れない。時に信長をやり込める時もある。この濃姫の存在が作品価値を高め、なる軍記物を越えたものにしている。真の主人公は濃姫なのかも知れない。

    本巻は実弟信行が家臣に煽られて、信長に反逆の兵を挙げる弘治2年(1556年)の稲生の戦いから、永禄4年(1561年)の斎藤義龍の変死までを物語る。もちろんその間には信長が己の器量を賭けて挑んだ乾坤一擲の大勝負、桶狭間の戦いがあった。今川軍が迫る中、一向に動こうとしない信長。わずかに見えた光明をつかみ、一気呵成に襲撃する場面、今川義元の最期の描写は本作品の一つの山場である。木下藤吉郎が仕官に訪れるが、この愉快な男と信長との掛け合いも一風変わって面白い。

  • 桶狭間から斎藤龍興の死没まで。
    桶狭間直前の、絶望的な戦力差に懊悩する信長が吹っ切れるまでの展開も気持ちがよく、少年漫画のような楽しさがある。
    美濃の刺客を手玉に取る京への旅行も面白い。
    秀吉も堺商人相手に鉄砲確保のために奔走。太閤立志伝を思い出すな。

  • 先日,大津の長浜に出張する機会があり,古戦場や城郭を訪れてこの時代の歴史をもう一度復習したいと思い,この本を手に取りました。一言で言うと面白い。信長は残忍というイメージが強いけれど,この本ではとても人間性豊かで,とても気に入っています。

  • 信長の才覚が冴え渡る
    斎藤義龍が毒を服用して絶命するまで。

  • レビューは最終巻で。

  • 2015/7/14

  • 斎藤道三おそるべし。

  • 戦の場面で作者の業が見られると思ったが、凄みに欠ける。
    信長を活躍させようとしているのだろうが、トンチ話の類を読みたいのではない!
    続きを読む気を無くした。

  •  「桶狭間の巻」。これに尽きる。
     また、木下藤吉郎も登場する。木下藤吉郎の出自は、父親が織田家の足軽で、藤吉郎自身はほかの主君に使えたのち出奔して商人をしていた、というものだった。
     調べると木下藤吉郎の出自はいろいろな説があってよくわからないらしい。あれだけ大物にのし上がったのに、最後までホラ吹き話をしていたようだ。
     前田利家が一度出奔し、織田信長のもとに帰るまでの顛末も史実とは少し異なる。本では桶狭間のあとすぐに戻っているが、実際は桶狭間で功を立てた後もすぐには戻ることができなかった。

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著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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