織田信長(5)本能寺の巻(山岡荘八歴史文庫 14)

著者 :
  • 講談社
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  • / ISBN・EAN: 9784061950146

作品紹介・あらすじ

信長の前途は明るい。叡山、本願寺の焼打ちで仏敵の汚名は着ても、立ちふさがる敵は、武田勝頼、中国毛利、そして上杉謙信のみ。その謙信が死ぬ。長篠の合戦で武田軍を追い散らした信長の天下統一は目前。だが-明智光秀、本能寺に主君を弑する。時代を先駆けた不世出の天才は笑って死んだ。完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • 信長と濃御前の夫婦愛が魅力的でした。

  • 信長の最期まで。
    山岡荘八はとにかく武将それぞれに良いキャラクターをもたせるし、どれも歴史に名を残すだけの一角の人物とする。
    明智光秀にしても、三日天下で倒れた野望によった逆賊ではなく、信長とのすれ違いを時間を持って描き、一つボタンの掛け違いが正されていれば天下人信長の番頭として立派に勤め上げた未来を感じさせる。
    それゆえに、自身の華やか未来を不思議と持てないまま信長へ謀反していく光秀が物悲しい。
    ここまで信長と濃姫の魅力に非常に楽しませてもらいながら読み進めてきたのでラストの本能寺は泣ける。

  • 最初から最後までわかり易く、読みやすい。
    史実に基づいているだろうけれど、史料の少ない時代。作者の想像力で埋めていくしかない部分の個性の描き方、選ぶ言葉のセンス、解釈の仕方などが魅力的です。
    特に濃姫は婚礼後のことが記されている史料がないにも関わらず、鋭敏で機知に富み、気性の荒い信長を支えた芯の強い一筋縄ではいかない女性が艶っぽく描かれています。
    天下を手中に治めるまであと少しだった信長の最期は悲哀に満ちています。濃姫を最後、そう描いてくれてよかったな・・・。猜疑心を増幅させていく明智光秀の心理描写は痛々しく、哀しく、つらかったです。
    終わり方も見事でした。
    信長は英雄だなとあらためて思いました。光秀が裏切らなければ信長は・・・とやはり考えてしまいます。

  • 2016/7/25

  • 面白かった!戦国物は初めて読んだから、なんとなく聞いたことのある武将達がどういう人なのか少しわかって良かった。

  • 5/4読了

  • 五巻まとめて、おもしろかった。しかしおもしろすぎて、これを読んだのは間違いだったかもしれない。もっと後のほうで読めばよかった気がする。
    いま読んでいる別の作品はそれはそれで別のおもしろさがあるんだけれども、この作品の武将それぞれの生き様を掘り下げるところが好みにぴったりきてしまったので、あっさりと「○○を斬った」とかで済んでしまうのが、あ、ああー、山岡荘八のだともっとこうだったのにー、となって、もったいない気持ちになる。

    信長が魅力的なのは言うまでもないので、他のことを。
    普段は穏やかで物静かな家康の、三方ヶ原の戦いで見せる激情がよかった。金ヶ崎の退き口では信長を冷静に諌めていたのに、自分が総大将として危機に陥るとああなるのか、と思った。でも家康は若いのに随分落ち着いてるなあと思っていたので、若さなりの血潮が見えた感じでよかった。
    池宮彰一郎「本能寺」では影のうすかった濃姫が、この作品では嫁ぐ前の道三との会話からラストまで魅力的だった。五十近くなっても若い外見の濃姫が「濃はまだ二十代だから」と澄ましてるのがかわいいし、愛情込めて「バケモノ」と呼ぶ信長もかわいい。いい夫婦っぷり。
    本能寺の変での濃姫と蘭丸にはぐっときた。終盤の光秀も、もうちょっとこう、何かひとつでも違ってれば未来が変わってたんだろうなあ、という感じで、なんともやりきれなくていい。


    ところで与一郎がもっと出てくると何の根拠もなく思ってたんだけど、読み終わってみれば細川父子は意外と出番少なかったですね。

  • 明智光秀が謀反を起こすまでの心情描写が秀逸。
    1巻から総じて、題名が「織田信長」ではなく、「お濃」でもよいぐらい、お濃という人物に惹かれる歴史小説。

  •  本能寺の変まで。それまでにも危機はあったが、そのたびにそれを打開してきた。
     明智光秀の疑心暗鬼モードは、読んでいていらいらするほどだ。それに気づきながら効果的な策を取れない信長にも、老年の弊害かと思ってしまう。
     信長は世紀の豪傑であったが、組織管理については必ずしも優秀でなかったのかもしれない。あるいは、時代がまだ熟していなかったのだろうか。

  • 人生のバイブル。最高の本。

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著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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