小説太平洋戦争(7) (山岡荘八歴史文庫)

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著者 : 山岡荘八
  • 講談社 (1987年2月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061950986

小説太平洋戦争(7) (山岡荘八歴史文庫)の感想・レビュー・書評

  • 硫黄島、一島丸々要塞化して、玉砕。そして沖縄決戦。「――負けて勝つ」捨て身の戦艦大和の沖縄出撃。大本営と現場の確執、現場の状況を無視した机上の空論で現場を苦しめ続けた。当時の中央のエリート軍人達の無能さが悲しい。

  • これは小説。
    小説なんだ。

    真実を伝えると何度も言いながら、
    その割に、「~など思われる」「~に違いない」が連発され、苦笑い。
    まぁこういうこともあるだろう。

  • 第7巻は、硫黄島の戦いと、沖縄戦の開始。

    2万3千人が勝利の見込みない中で、しかし統率された中で闘い玉砕した硫黄島。本書で初めて詳しい状況を知った。本土に敵を近づるのを少しでも遅らせるためという目的の中で、勝つ見込みのない戦いに挑んだ人々。先日読んだ本の中で、硫黄島の滑走路は、この戦いのあと、米軍が兵士の遺体の上にコンクリートを敷いて作ったものだそうで、今でも遺骨がその下に眠っていると紹介されていた。想像を絶する戦争の状況。

    沖縄戦では、兵士の他に一般市民の犠牲が出る。著者も書くのがつらかったというように、この小説もいよいよ平常心では読めない場面が増えてきました。

  • 硫黄島。沖縄戦前夜。今日は建国記念日です。

  • そして舞台は硫黄島へと移る。この硫黄島には耕された田畑もなく,何よりも水がなかった。そんな島になぜ2万人以上もの兵を進め,司令部まで移したのか。また,アメリカ側も7万の大軍をひっさげてやってきて,一歩も退かずに戦っているのか。アメリカ側がさきに占領したサイパンから東京を爆撃するためには2千7百マイルの長距離を飛行しなければならない。それだけの航続力をB29はもっているが,これを実行するためには,護衛の戦闘機を同伴する必要があるし,燃料を多く積む必要があるので,爆弾の積載量に大きな制限を加える必要がある。それを克服するために,東京とサイパンの中間地点である小笠原諸島がターゲットになったのだ。小笠原諸島の一角である硫黄島を手に入れ,ここに飛行場を造ることで東京攻めの根拠地を一挙に1千3百マイルも縮めることが出来るのだ。従って,硫黄島が敵の手に渡るということは,日ならずして東京がB29の絨毯爆撃にさらされるということだった。

    アメリカ軍は,サイパンで行ったのと同様な攻撃手法で硫黄島を手に入れようとたくらんだ。上陸前の徹底的な爆撃である。上陸すれば5日で掌握可能との目論見だったが,日本側の栗林中将が守る硫黄島の抵抗は激しく,結局,2月19日にアメリカ軍が上陸を開始し,日本軍が玉砕したのが3月25日であった。1ヶ月以上に渡って死守したのだ。『ここは東京の表玄関である。死屍を積んで一歩も通すな』という合い言葉のもと,抵抗を続けたのであった。

    ”玉砕”の真意は決して全滅ではない。降伏によって生き残る以上の人生の意義をそこに認め,進んで死につくのが玉砕と言うものであろう。それが全員の胸にどのような形で浸透してゆくかによって,全兵団の結束ともなれば,収拾できない大反乱にもなりかねない。ところが,硫黄島の日本兵2万3千の将兵の結束は,まことに一糸乱れぬものがあり,その結束の中心は最後の最後まで栗林中将に対する尊敬と信頼であった。

    硫黄島で日本軍のとった防御戦略とはどうだったのか。それはサイパンとは違い,アメリカ軍を水際で叩くのではなく,上陸させ,安心させたところを一挙に叩くというものであった。アメリカ軍は上陸前に必ず艦砲射撃と空からの絨毯爆撃を行い,防御側の戦力を著しく低下させたうえで上陸を開始する。この際に,日本軍が徹底抗戦すれば,防御陣地も丸見えとなり,敵の物量攻撃に必ずといっていい程,打ちのめされる。その後,いかに抗戦しようとも,砲弾薬,兵,食料ともに足りなくなるのである。この愚を冒さず,敵に対して日本軍の防御陣地を上陸前にはひたすらに隠し,上陸・油断させておいて,一挙に殲滅するのだ。

    アメリカ軍の硫黄島への上陸開始は,2月19日だが,玉砕までの74日間にアメリカ側から投下された爆弾量は6,800tで,21,926発であった。まさに鉄と火薬の新断層作りあげたと言ってよい。しかし,史上空前の猛攻撃にもかかわらず,日本軍にはほとんど損傷らしい損傷を与えなかったというのだ。栗林中将の采配によって築き上げられた地下要塞の頑強さには,恐れ入ると共に,地中を掘るたびに硫黄の吹きだす劣悪な環境下で地下帝国を作りあげた兵隊達の苦労を思うと,防人となって東京を守らんとする意気込みのすごさを感じるのである。名将のもと,強兵たちが屍を積んで果てた硫黄島は,戦後23年,ついに祖国日本の手に還った。

    硫黄島の本土戦に続き,沖縄本土戦が始まった。ここでも硫黄島と同様に,サイパン戦の教訓が色々な角度から熱心に検討された。硫黄島では,どんなことをしても勝算は弾き出せず,全部隊が地下にもぐり,徹底抗戦を行い,玉砕までの時間を稼ぐ以外に道はなかった。しかし,沖縄戦では全く事情が違ってくる。ここは九州の一角ともいえ,従ってただの防衛線でもなければ抵抗線でもなく,文... 続きを読む

  • 沖縄が大変なことに・・・

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