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- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061960589
作品紹介・あらすじ
平穏な日常のありふれた出来事。その空間で交錯する家族の心…精神を畏縮させる危うさが、深く、妖しく、秀明に映し出される。窓の硝子越しに見えるオーバーの影絵。魂の抜けたぬけがらの自分。表題作「硝子障子のシルエット」ほか珠玉の30篇を収める葉篇小説集。毎日出版文化賞受賞。
感想・レビュー・書評
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サブタイトルに「葉篇小説集」という、あまり聞き馴れないことばがつかわれていますが、30編のいわゆる掌編小説をまとめた本です。
全体は三部構成となっており、「三区分に配置したのは、Ⅰに夢と現のさだかでないもの、Ⅱに幼少年時や戦中戦後に素材を求めたもの、そしてⅢになかんずく東京都江戸川区小岩町での三年間の生活にだぶらせてその渦中で書いたものを、それぞれ区別したかったからだ」という著者自身の説明がなされています。
第一編に収められている4作品は、いずれも寓意性の強い作風で、不思議な読後感をのこします。第二編および第三編の諸作品は、私小説的な雰囲気があり、とくに第三編は著者の主著である『死の棘』にえがかれたトシオとミホの夫婦と二人の子どもたちの家庭に起こった、日常の風景が切りとられています。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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