- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061962255
作品紹介・あらすじ
人間存在の危うさと脆さを衝く小説「マルクスの審判」、"国語との不逞極まる血戦"が生んだ新感覚派小説の「頭および腹」とそれらを支える文芸評論「新感覚論」、一幕もの戯曲「幸福を計る機械」および「愛の挨拶」、新心理主義小説「機械」と、その後の評論「純粋小説論」等。昭和の文学の常に最前衛として時代に斬り込み時代と格闘した作家の初期・中期短篇、戯曲、評論を1冊に集成。
感想・レビュー・書評
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先日読んだ『蠅』や『春は馬車に乗って』やほかの短編も、話の内容自体は特別面白いということはないのだけど、短い話の割に登場人物の印象は結構はっきりしているし話の雰囲気もわりと好き。
『頭ならびに腹』電車が事故で運転を見合わせているとき、運転再開を待つか?それとも振り替え輸送で回り道をするか?大正時代からこの葛藤ってあったんだなぁ、と変に感心してしまった。せかせかと時間に追われて移動するようになったのは戦後の高度経済成長以降で、大正時代はもっとみんなのんびりっと旅をしていたのではないかと勝手に想像していた。
この文庫の中では『馬車』が好き。この主人公は花江に魅かれながらも結局は我が身かわいさに結婚はしないんだろうな、と思いながら読んでいたけど、ラストの様子からすると…?
『春は馬車に乗って』とか、馬車をモチーフに使うのを好んでいたのかしら。『蠅』にも馬車が出てくるし。一度乗ってどんな心地か味わってみたい。電車や車とは全然違うんだろうな。
戯曲二つと評論二つはあまり好きではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
7/14
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2006/09