一色一生 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061962569

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    染織家志村ふくみ、数十年、さまざまな植物の花、実、葉、幹、根を染めてきた。
    それらの植物から染まる色は、単なる色ではなく、色の背後にある植物の生命が、色をとおして映し出されているのではないか。
    それは、人と言葉と表現行為と、根本的に共通する。
    芸術と人生と自然の原点に佇んで思いめぐらす。
    深い思索とわがいのちの焔を、詩的に細やかに語るエッセイ集。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 仕事に対する覚悟。染色や織物に対する感性と妥協のなさ。読み返すたびに学びがある。

  • 著者の活躍していた時代は、民芸運動の最盛期。
    着物の織物は衰退を示す一方で、伝統文化を残し、さらに発展させるために尽くしてきた有名な人たちが出てきます。
    貧乏でも仕事一筋で生きてきた人たちの様子を垣間見て、仕事とは何か、人生とは何か、と自問自答させられました。

  • 四半世紀前、本当の恩師に頂いた本がこの1冊でした。草木染め作家の志村さんの誠実にそのモノの生を染めようとする姿勢に打たれました。いちめんのさくらの花びら広がります❤

  • たおやかで苛烈な文章。自然を人間の手で色として染め上げる、その格闘をわずかながら垣間見ることができる。素晴らしい本。

  • 自分の身の回りにある自然から色をいただく、ということが
    どんなものなのか、知りたくなったので。

  • 2009/10/26購入

  • 染織家・志村ふくみさんによるエッセイ。

    ・一番始めに載っている書簡から、草木による自然染色へのこだわり、
     色に対する細やかな感覚が伝わってきました。
     かつての日本人はどれだけの色を区別する感性を持っていたのでしょうか。
     四十八茶百鼠。

    ・「豊かに貧乏してきた」弓ヶ浜(鳥取)の人々と、「心貧しく富んだ生活を
     している」私たち現代人という対比が鮮やかです。

    ・染織の道に飛び込んだのが32歳だと書かれていて驚きました。
     私もまだまだ頑張るぞ。

    最後に若き日の著者に与えられた木工家・黒田辰秋氏の言葉を書かせてください。

    ただあなたがこの道しかないと思うならおやりなさい。
    まず自分の着たいと思うものを織りなさい。
    先のことは考えなくていい。
    ただ精魂こめて仕事をすることです。
    云ってしまえば、誠実に生きることです。
    「運、根、鈍」とはそういうことです。  

  • 草木のしずかな息吹が香り立つようなほん

  • 櫻色に布を染める為には、
    花びらではなく 花が咲く直前の桜の樹皮を使うそうです。

    自然への畏敬と、芸術への真摯な姿勢が描かれた
    エッセイ。

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著者プロフィール

1924年滋賀県近江八幡生まれ。55年植物染料による染色を始め、57年第四回日本伝統工芸展に初出品で入選。83年『一色一生』で大佛次郎賞受賞。86年紫綬褒章受賞。90年国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。93年『語りかける花』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書に『色を奏でる』『小裂帖』『ちよう、はたり』『つむぎおり』など。

「2018年 『遺言 対談と往復書簡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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