詩人 金子光晴自伝 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

著者 :
  • 講談社
3.93
  • (6)
  • (3)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 54
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061962811

作品紹介・あらすじ

あまりに刺激的な幼少期の環境と気弱な反面の劇しい性格。詩と放埓の青春と人生を決定した最初のヨーロッパ旅行。『鮫』『マレー蘭印紀行』等の芳醇、厖大な詩と散文を生んだ破天荒な二度目のヨーロッパ行き。戦後の"解体"と"出発"。人間尊重と自我意識で、独りファシズムに抗し、常に現代詩に独自の輝きを放った詩魂の遍歴の道筋を平易淡々と自ら語った波瀾・流浪の"人生記録"。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「人間の理想ほど、無慈悲で、僭上なものはない。これほどやすやすと、犠牲をもとめるものはないし、平気で人間を見ごろしにできるものもない。いかなる理想にも加担しないことで、辛うじて、人は悲惨から身をまもることができるかもしれない。理想とは夢みるもので、教育や政治に手わたされた理想は、無私をおもてにかかげた人間のエゴでしかない。」と金子氏は仰っています。あの人にも、あの人にも、あの人にもこの言葉を聞いてもらいたいと思いました。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

金子 光晴(かねこ・みつはる):詩人。1895年、愛知県生まれ。早稲田大学高等予科文科、東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科、慶應義塾大学文学部予科をすべて中退。1919年、初の詩集『赤土の家』を発表した後に渡欧。23年、『こがね蟲』で評価を受ける。28年、妻・森美千代とともにアジア・ヨーロッパへ。32年帰国。37年『鮫』、48年『落下傘』ほか多くの抵抗詩を書く。53年、『人間の悲劇』で読売文学賞受賞。主な作品として詩集『蛾』『女たちへのエレジー』『IL』、小説『風流尸解記』、随筆『どくろ杯』『ねむれ巴里』ほか多数。1975年没。

「2023年 『詩人/人間の悲劇 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金子光晴の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×