静かな生活 (講談社文芸文庫)

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著者 : 大江健三郎
制作 : 伊丹 十三 
  • 講談社 (1995年9月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061963436

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静かな生活 (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読むのにとても時間がかかった。べつに言葉や内容が特別難しいというわけではないが、唐突に話が始まるような瞬間が何度もあって、語り手に追いつくのがワンテンポ遅れるような感覚になることが多かったから。
    それでも、それが嫌ではなくて、奇妙なテンポに振り回されるのがむしろ楽しかった。
    そして何より、この物語に登場する3兄弟イーヨー・マーちゃん・オーちゃんが魅力的で、心地よかった。

  • 題名の通り静かな生活を淡々と描いているが(一度の危険を伴う冒険はあるが)、それが主人公と障害をもったその兄を中心としてキラキラと新鮮な物語になっていると思う。いたわりや優しさ、というのはこういうものなのだろうな、と感じた。巻末に収められた伊丹十三の文章にも感動した。

  • ブックオフ太田、¥480.

  • 最初の方の印象は以下。
    自分が自分に苛立っていることについて、原因を他人に帰すのはあまりよろしくないと思っていた。K=書き手が、Kに対するいらだちを娘に語らせるというやり口が何となくいやらしく思われたのだと思う。あるいは、危機を間接的に語らせたり、危機についての述懐すら奥さんや友人やらに語らせたり。他方では、自分を娘の側や息子の側にも投影してみたり。
    当初は、このような間接的な自分語りとベタに受け取って、嫌がっていた。しかし、自分の苛立ちを他人の苛立ちへと付け替えることはそんなに悪いことだろうか? 他の人にもそれを許し、自分にも許していった方がはるかに良いのではなかろうか、などと思うようになった。
    僕が大江を好んで読んでいるのは、成されるべき理想のようなものに目を向けつつも、それに至らぬ自分を、開き直るわけでもなく率直に(素直には書かないのだが)認めているというところにあるのだと思う。その届かないものと自分との距離への態度をアイロニーと呼ぶのだろうか。

    しかしあとがきにあるようにこれは全部語りの仕掛けであって、その点でいうともうレビューに収まらないほどに巧みで、「静かな生活」という題、この小説自体、「家族としての日記」といったあたりの絡み合いや現実との交錯など見事としかいいようがないものだった。

    このレビュー
    http://d.hatena.ne.jp/ima-inat/20101229/1293620239

    「なんでもない人」なのだ

  • 「マアちゃん」主語だとやっぱり地の文が地味でモデストになってしまって私としては物足りない。『燃え上がる緑の木』も同じなのだけど。伊丹十三の映画も見たけれど、大江健三郎の作品を読んでいると伊丹十三は相当な切れ者のように想像させられていたのに、何か物足りない。あとがきみたいなので伊丹十三も喋り言葉で参加しているけれど、そこでもなんだかパンチが足りなかった。

  • 昔に読んだが、断念した本。温かな気持ちになれる本だとAmazonでの評価にあったので再読した。ページを捲る手がもどかしくなるほど面白いわけではない。
    この小説の本質ではないと思うが、イーヨーの毒のない発言に癒される。

  • フィクションだって分かっているのに、どうしても、この本は大江健三郎じゃなくて大江健三郎の娘さんが書いているんだという意識で読んでしまった。最後まで。

  • ここ数年前から、大江さんの作品をコンスタントに少しずつ、味わいながら、読み進めていこう、と暗に決めている。これは伊丹十三の映画のほうは見たけれど、原作としては読んでいなかったので。面白かったなぁ、ほんとに、この人の作品は、読んでいて、楽しい。(12/1/4)

  • 私小説に近い作風の小説。イーヨー、マーちゃん、オーちゃんの3兄弟が遭遇するちょっとした事件や、心的風景がテーマとなった6つの短編から構成される連作です。
     読後、知的障害を持つイーヨーの一貫した純粋さ、明るさに救われた気持ちになります。

  • 伊丹十三監督が映画化したこともあって読んだ本です。知的障害者であるイーヨーと妹のまあちゃんの日々を綴っています。独特の散文が、なれるまで読みずらかったのを覚えています。しかし、だからといって、稚拙であるとかそういう印象を持つことはありません。こういうのもあるんだ、と感じる種類の独特さでした。イーヨーは大江健三郎さんの息子、大江光さんをモデルにしているようです。

  • お上品なハイソの一家の話という感じ。

  • この作品を読むたびに、光さんを中心にして、皆が結束して生活していることに嫉妬を覚える。親が自分以外の子供を特別扱いすることに、多分私は僻んで遠巻きに眺めるだけだろうから。

  • 講談社文芸文庫

  • 一番最初に読んだ大江健三郎もので、今でも一番好き。静謐な中に主人公の全身全霊をかけた祈りが全編通して流れていて、静かに胸を打たれる。ところどころのグロテスクさ…内臓の裏皮をひっかかれる感じが、またどきっとさせられる。

  • 「魂のことについて」ってきれいな言葉だ。基本中の基本の疑問かもしれないけどどうしてこの人は、自分の家族に似た素材を使ってしか書かなくなったのだろう。<BR>
    [06.10.10]<ao

  • 伊丹十三の映画も良いです。

  • 映画よりも数倍おもしろい。
    私生活をモデルに淡々と書き上げている秀作。

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静かな生活 (講談社文芸文庫)の作品紹介

精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは、"ある性的事件"に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうか-。『妹』の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。大江文学の深い祈り。

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