宮本武蔵(四) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965171

作品紹介・あらすじ

今や、武蔵は吉岡一門の敵である。清十郎の弟・伝七郎が武蔵に叩きつけた果し状!雪の舞い、血の散る蓮華王院…。つづいて吉岡一門をあげての第二の遺恨試合。一乗寺下り松に吉岡門下の精鋭70余人がどっと一人の武蔵を襲う-。

感想・レビュー・書評

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  • ストイックなだけでは、駄目であると学んだ武蔵。
    張り詰めているだけでは、ピンと張った糸は必ずいつかは、切れてしまう。
    そうならない為にも、どこかで弛ませないとならない。
    飴と鞭は、使いようである。

  • 映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第四巻。この巻のメインは吉岡一門との戦いで、終盤にあまりにも有名な「一乗寺の決闘」が出てくる。

  • ついに折り返し。
    武蔵の物語の一つの山場を迎えているわけだけど、全然記憶に残っていないのさどういうことか

  • 吉岡清十郎の弟である伝七郎が、武蔵に戦いをいどみます。本阿弥光悦のもとに身を寄せていた武蔵は、彼に連れられて茶屋を訪れていた武蔵は、途中で座を抜けて伝七郎と剣を交え、返り討ちにします。

    清十郎につづいて伝七郎も敗れたことで、瓦解の危機に陥った吉岡道場では、門弟たちがなんとしても武蔵を討ちとろうと、数を頼んで復讐を計画します。一条寺下り松での決闘を目前にして、武蔵はついにお通と再会し、彼女に剣の道をきわめたいというおのれの決意を示して、二人は別れます。

    小次郎の駄弁がめだってあまり魅力的なキャラクターにえがかれていないことがすこし気にかかります。本作では武蔵一人がヒーローという位置づけなのかもしれませんが、このままだと巌流島の決闘で盛りあがりを演出することができるのだろうかと、よけいな心配をしてしまいます。

  • 又八親子が怖すぎて もはやホラー

    お通の身代わりに死んだのが赤壁八十馬というのもできすぎているが、その理由を「説明できるのは宇宙あるのみ」と遠大に解説されたのには笑った

    絶対の宇宙さま、お願いだから又八親子を速やかに成仏させてください

    一方 武蔵は本阿弥光悦だの灰屋紹由だの大納言だの関白だの吉野太夫だのと飲んだり遊んだり、その合間に吉岡家と決闘したり

    吉野太夫がいちばん大人で頼もしくて魅力的

    一条下り松の血戦前には、お通と再会
    武蔵の口から、あんな愛の告白が聞けるとは思いもしなかった

  • 4巻は、さらに武蔵の心と技が磨かれていく。
    これまで愚直に、強くなることだけを考えて修行を重ねた武蔵だが本阿弥光悦や吉野太夫との出会いの中で、本当の強さとは、心を張り詰めて自身に厳しくあるだけではなく、適度に緩みを持たせるしなやかさを持つことだと悟る。
    「生きている間の花は咲かせても、死してから後まで、この牡丹の薪ぐらいな真価を持っている人間がどれほどありましょうか。」(吉野太夫)

    物語は吉岡一門との決闘に向かって、徐々に緊迫感を増していく。武蔵は死を受け入れて戦う決意を固めるが、その中に「生きたい」と願う心を知る。
    生命を愛するということは、命の終わり方に意義をもたせることだと戦う覚悟を決める。
    武蔵が圧倒的に不利な中、「生きる」ために剣を振る、怒涛の決闘のシーンに息を呑む。武蔵の代名詞である二刀流はこの戦いの中で生まれ、実戦の中で育つ技と心こそ本物なんだなと感じた。

  • 吉岡一門との最後の闘い?だろうが、長い。
    途中から決闘当日の話になりながら、先に進まない。

    ストーカー女性陣のドラマが長くてやや退屈。
    この小説が書かれた時代はこれで良かったのかもしれないが、この女性キャラを読んで、現代の女性はどう思うのだろう?

  • 一巻に記載

  • 吉岡清十郎の弟伝七郎を、雪の舞う蓮華王院、三十三間堂で打ち破った武蔵。
    吉野太夫が自らの琵琶を壊し、武蔵に伝えたかったこと。
    その中、吉岡一門は武蔵を探し、ついに最終決戦が始まります。
    一乗寺下り松で繰り広げられる、吉岡門下の精鋭たちのとの戦いの行方は。

    これを短く切って炉に焚べてみると、炎はやわらかいし眼には美しいし、また、瞼にしみる煙もなく、薫々とよい香りさえする。さすがに花の王者といわれるだけあって、枯れ木となって薪にされても、ただの雑木とは、この通り違うところを見ると、質の真価というものは、植物でも人間でも争えないもので、生きている間の花は咲かせても、死してから後まで、この牡丹の薪ぐらいな真価を持っている人間がどれほどありましょうか? ー 159ページ

  • 昔読んだ本

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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