宮本武蔵(五) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965188

作品紹介・あらすじ

吉岡一門との決闘を切り抜けたことは、武蔵に多大の自信とそれ以上の自省を与えた。そしてまた、大勝負の後に訪れたゆくりなき邂逅。-それはお通であり、又八であり、お杉婆であった。その人々が、今後の武蔵の運命を微妙に織りなしてゆく。山ならば三合目を過ぎ、いま武蔵の行く木曾路、遥かな剣聖を思い、お通を案じる道中は風を孕み、四合目の急坂にかかる。

感想・レビュー・書評

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  • 映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第五巻。この巻では夢想権乃助との決闘など印象深いシーンもあるが、主人公の武蔵不在のエピソードが多くやや中だるみな印象を受けた。

  • [再読]
    人は、出会いと別れを繰り返し成長してゆく。
    いい出会い、悪い出会い、偶然的な出会い、必然的な出会い。
    それらを全て含めて、己の人生ということなのだ。
    その出会いが自らの師になっていく。
    師を求めなくても、我々の師は、すぐ隣にいるのだ。

  • 朱実ばっかりがなぜか辛い思いをしている

  • 吉岡一門との戦いに勝利した武蔵は、さらに剣の道をきわめようと新たな旅へと向かいます。彼と再会した又八は、奮起を誓うものの、朱実とかかわってあいかわらず惑いの道をあゆみつづけます。その朱実も、武蔵への思慕を断ち切ることができないまま、みずからの身の不幸を嘆き、江戸へと流れていきます。

    ここまではスムーズにストーリーが展開してきましたが、すこし停滞感がただよいはじめてきたような気がします。いつものキャラクターがいつも通りの振る舞いをくり返しているので、さすがに飽きてきてしまいました。

  • 武蔵とお通が恋愛カタログみたいなことをしている
    笑ってしまう

    どうするのかと思いきや、又八がお通を拐って離ればなれとか…
    最悪な障害パターン

    すぐ解決するかと思いきや長期戦になるし、なんなの!?

    城太郎はいつまでたっても成長しないし
    魅力的なキャラがまったくいない

    祇園藤次とかお甲なんか もう引き立て役にもならないし
    朱実もどんどん自ら不幸をよんでるし
    小次郎なんぞ論外

    1巻からずっと筋立てのわざとらしさが気にはなっていたが、ここにきて鼻につきだす

    小次郎を最後まで引っ張られるのも嫌だが、又八かお婆か城太郎かお通か、そろそろどれか一つでもスパッと蹴りをつけてくれ

  • 5巻は武蔵の成長よりも、苦悩や葛藤を乗り越えようともがく人間らしさが印象的。
    多感な青年期に、生きる意味を模索し、高い志を立てながらも恋愛に翻弄される姿は時代は違えど多くの人が通る成長過程ではないかと思った。

    女性(お通)に対する抑え難い本能と情熱に困惑し、遠ざけてきた武蔵だったが、自分さえ乱れなければ剣を鈍らせることはないと気づく。流されない自分でさえいれば安心して人を愛することができるのだと。

  • ますます女性陣の追撃?と小次郎との邂逅が頻繁に起きるし、又八もうっとおしい。
    己の道を究めようとする武蔵を次々と煩悩や苦難が襲うのは分かるけど、この広い日本の中で何故そんなに出会う?

  • 一巻に記載

  • 吉岡一門との死闘の後、大将と言えど子どもを斬ったことに自省を与えられ、武蔵は苦悩します。
    お通、城太郎、又八、お杉ばば、そして宿敵佐々木小次郎と、武蔵以外の登場人物の物語が進んでいきます。

    稚児僧は首をかしげて、「そういえば、お坊さんでも、絵をかいたり、彫刻をしたりするんですね」
    と、得心したくない顔つきをしながら、頷いてしまう。
    「だから、剣者が彫刻をするのは、剣のこころを琢くためだし、仏者が刀を持って彫るのは、やはり無我の境地から、弥陀の心に近づこうとするためにほかならない。絵を描くのも然り、書を習うんでも然り、各々、仰ぐ月は一つだが、高嶺にのぼる道をいろいろに踏み迷ったり、ほかの道から行ってみたり、いずれも皆、具相円満の自分を仕上げようとする手段のひとつにすることだよ」 ー 14ページ

  • 昔読んだ本

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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