- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061965201
作品紹介・あらすじ
わが国の新聞小説で「宮本武蔵」ほど反響を呼んだ小説はないであろう。その一回一回に、日本中が一喜一憂し、読者は武蔵とともに剣を振い、お通とともに泣いたのである。そしていまひとつ気になる存在-小次郎の剣に磨きがかかればかかるほど、読者は焦躁する。その小次郎は、いち早く細川家に仕官するという。宿命の敵、武蔵と小次郎の対決のときは、唸りをうって刻まれてゆく。
感想・レビュー・書評
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元が新聞小説であるので、飽きさせない工夫により、マンネリにならない。
これは、簡単にできることではない。
そして、何回読んでも新鮮である。
ここまで、飽きがこない物語を作れる吉川英治は、天才だ。
さすが、国民的作家と呼ばれるだけある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮本武蔵(1~8)
著:吉川英治
物語は天下分け目の大合戦「関ケ原の戦い」から始まる。
悪鬼である新免武蔵とその幼馴染本位伝又八はその負け戦から必死に這い上がろうとする。
天下無双を目指し、共に歩を歩む二人、そして違えてそしてまた交差して、武蔵を中心とした大きなうねりが記されている。
本格的に初めて読んだ時代小説。読みにくさは感じず、血沸き肉躍る感覚がストレート伝わる表現力の高さに冒頭は圧倒された。戦いの描写のみならず、心の内面と成長を描く英雄者という括りには収まらず、当時の日本国の暮らしぶりや文化や息遣いまで触れることが出来る。
多くの著名人が愛読書として挙げる本書。ある人曰く「5回読んで初めて分かり始める。」
深い言葉ではあるものの読んだ今ならその意味はわかる。
5回連続読むものではなく、人生の局面で教えを乞うような触れ方が良いのかもしれない。
大和魂の塊のような武蔵の生き様に誰しもが惹かれ、憧れ、真似していくのは時代が変わっても残り続けるのかもしれない。 -
宮本武蔵と佐々木小次郎。相反する2人の武士が対比されながら決戦に向かっている。状況が進むというより整うような感覚があった7巻。
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映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第七巻。過去に積み上げてきた設定が、上手い具合に絡みあってくる様子を楽しめたように思う。
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一巻から眺めてきた登場人物たちの物語が順に終着していくのが少し悲しい。
又八はどうなっても自業自得と思えるところが多分にあるけれども、城太郎や朱実は環境やタイミングに翻弄されてばかりで、本来の資質としてはもっと幸せになれただろうにと感じられる。
最終巻はついに巌流島の戦いだが、周囲の人々がどうなるのかが楽しみ。 -
朱実にも逃げられてしまった又八は、将軍秀忠の暗殺をくわだてる奈良井の大蔵の計画の片棒をかつぐことになりますが、沢庵に捕まって自身の未熟さを思い知ります。
一方武蔵は、伊織とともに祭の見物をしているところをお甲に見つかり、彼女が宍戸梅軒に武蔵の居所を告げたために、またしても命をねらわれることになります。しかし、木曽で武蔵と決闘をおこなった杖術家の夢想権之助が駆けつけ、武蔵に加勢したことで、襲撃をしりぞけます。
そんな武蔵に、将軍家の御指南役という役職があたえられるという話がもたらされます。しかし、その話を聞きつけたお杉が武蔵の悪評を喧伝したため、けっきょく仕官の道は閉ざされ、武蔵は伊織を権之助にあずけて一人で修行の旅に出ます。
お通と伊織の意外な関係も明らかになり、脇役たちのストーリー中での処遇も徐々に固まってきて、いよいよクライマックスへ向かいつつあるという印象です。 -
結びの章に向かっていく雰囲気がありあり見えて、なんだか寂しい
梅軒、藤次、お甲が片づき
丹左と城太郎父子も片づき
又八と朱実は堕ちるところまで堕ちた
武蔵が頭でっかちになっていたきがしたが(それも好きだが)、御登用 破談により、最後の一皮が向けた
逆に小次郎は仕官したことで怖さがなくなった感
激しく男ぶりを上げたのが、柳生兵庫さま
いつまでもお通に恋していてほしい
柳生谷をいつか訪れてみたい
地図でみるぶんには森しかなさそうだが、江戸より洗練していた近畿の様子にはやはり心惹かれる
北条、足利時代の話は新鮮で面白いし
ド田舎時代の関東の描写も興味深かった
(特に前巻) -
一巻に記載
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十年来の恨みを持つ宍戸梅軒、祇園藤次、お甲に出くわし窮地に立つ武蔵。
城太郎は、沢庵の計らいで父と巡り合うことが出来るのか。
宝蔵荒らしと間違えられ捕縛されてしまった武蔵の身の上は。
将軍家指南役に推挙されるも、沙汰止みになってしまった武蔵は、再び修行に出かけます。
己の剣の道に再び向かい合い、さらなる深みへと進みます。 -
昔読んだ本