さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

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著者 : 高橋源一郎
制作 : 加藤 典洋 
  • 講談社 (1997年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061975620

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さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • 弟に勧められて読んだ。確か一年位前、熱海へ向かう東海道線の中一人黙々と読んでいたのだが、この本を読むのにその環境は異常にマッチしていた。

    私にとってははじめての高橋源一郎作品。もうちょっと小難しい文章を書く人だと勝手にイメージしていたのでこんなにとっつき易いと意外だった。しかし、内容は決してとっつき易いというものではない。難しい。
    斬新で奇妙な。
    斬新な小説なんて滅多にないからうれしい。
    今もう一度読みたいと思うし、何度読んでも分からないんだろうという気もする。

  • よくわからないけどキャッチーで読ませるなあ、とすらすら読んでいたが、ある時70年代だかの現代詩手帖とユリイカを見て、あ、高橋源一郎の文章ってきちんと時代を引き継いだ詩だったんだなと気がついた。中島みゆきソング・ブック。

  • 言葉で言い表すことが難しい作品。
    言葉を与えることで、何かに分類されてしまうのは、何かもったいない気がする。
    この作品がいいと思える人には、わかってもらえると思う。
    あえて言うなら、「チェストーッ!」くらいか。
    この作品が、チンプンカンプン、なんじゃこりゃ?という人も多いと思う。
    高橋源一郎が言葉の裏側に見えるよい作品と思う。

  • 高橋源一郎唯一の傑作。もう彼がこれ以上の作品を書くことはない。単なるドナルド・バーセルミの継承ではないことを、自身の目で確認して欲しい。

  • シュールレアリスム的な文章。詩的。ギャングになれなかった詩人。

  • 「さようなら、ギャングたち」と名付けられた詩人と、「中島みゆきソングブック」と名付けられた一人の女性と、「ヘンリー4世」と名付けられた一匹の猫の物語です。

    詩であり、詩論であり、小説であるような作品、としか、私には読めないと感じました。おそらくもっと作品そのものに即した理解の仕方もあるのだろうと思いますが、このような観点から理解するのが精いっぱい、という感じです。

  • 当時の文壇という観点から見れば、新しい精鋭の一人がまた登場したといった具合か。大学紛争を境に、ジャズが学生の間では流行り、アメリカ文化なんかの影響を受け、旧来には無かった前衛的な作風の作家が多く輩出された(村上春樹や笙野頼子や島田雅彦あたりがそうだろうか)。
    高橋源一郎もその一人で、突飛した内容が酷評され、吉本隆明の鶴の一声もあり、刊行され、ポストモダンの第一人者と呼ばれるまでになった――。という前評判を聞き、未だに読んだことが無かったため、手に取った運び。強烈な一冊。

    発想がどこから来ているのか、滅茶苦茶な世界、理解出来ない構造、詩として綴られる文体。絶版になったのも仕方ないと思えてしまう。登場人物の殆どが死に、前後の脈絡に関係無く何十、何百ページも前のことを引っ張り出したり(伏線とかそういうのではない)、無意味な動作を必死に行ってみたり、唐突な展開が、尾を引かない軽さで描かれる。一部には絶賛されるだろうが、一般的には評価されないのが本作の魅力と言えばおかしいが、今も昔も将来も、評価が大きく変わらない普遍的な作品だと思う。
    三部の、ギャングが詩を生み出すところと、
    「二回とも少しも悲劇的なところがなく
     だから だれも回想してくれないな
     かわいそうな
     かわいそうな
     わたしの死」
    という文章は良かった。
    夏目漱石が、いい小説というのはどのページから読んでも面白い、と言ってる。その流れを汲んでる一作だと思う。

  • 非常に荒唐無稽な物語である。キャラウェイが出てくる場面と、「アガートは大好きさ、フレガートが」のところに出てくる幼児用基地の受付の女の子がセックスしている場面、それから、SBとの出会いの場面、以上が気に入った。これは小説より、詩とみなすべき。あらかじめ決められた名前を誰も持たず、好きなように自分でつけていい、という設定は好き。

  • すごい言語感覚だ

  • 前衛的なアートのような書物。
    自分には余り理解できなかった

  • 高橋源一郎のデビュー作。登場人物か次々に死んでしまう物語だった。断片と断片をつなげていく書き方は面白いし、文学作品に対するリスペクトがあったけど、どうしても鼻につく感じ。鼻につくところか、クセになるようにも思うけど。
    こんな世界が頭の中にあったら楽しいだろうなあ、と羨ましくなった。

  • 最初はなかなか入り込めなかったけど、読み進めて行くうちにどんどん世界観に引き込まれていった。読み終わった後も何度も好きなページを読み返す。

  • なんでこれを面白くかけるのかわからない。なんなんだこれは

  • 言葉の使い方、表現においては詩小説だけど、言葉を喪失し、懸命なリハビリの過程そのものという意味で私小説なんだと思う。本当の悲劇は悲劇そのものを言葉で表すことができないから、言葉は自然と迂回する。しかし、痛みや悲しみから決して目を逸らさずに紡いだ言葉は優しさと結び付き、泡となって一緒に弾け飛ぶ。だからこそ、どれだけ遠回りを重ねても、こんなにもまっすぐに届いてくる。これからも悲しみと出会うだろう。またやらかしてしまうんだろう。それでも別に構わない。少しだけ上手く失敗すればいい。そんなことを教えてくれる作品だ。

  • これはあれこれこねくり回すのは野暮な本と思われる。

    なんだか夢の中の世界といった感じで、ルイスキャロルのアリスとか、もっと言っちゃえば寺村輝夫の王さまシリーズに通ずるものを感じました、児童文学好きとしては。

    というわけでファンタジーに分類してみる。

    個人的には二章が断然好き。
    朝起きたら冷蔵庫化とか……。嫌だなぁ。

  • 自分のイメージしていた文学の表現に自由を与えられた気がする。
    中身に関しては何回か読んで吟味しないと理解できないんだろうな~と。

  • 競馬のコメンテーターかと思った。

    全共闘世代、凶器準備集合罪で逮捕、失語症。
    肉体労働でをしながら、リハビリテーションで書いたという、
    群像の賞をとったのかな。

    福田和也が作家の値打ちで、高評価していた。
    私生活も気になる、室井佑月の元旦那。

  • 流れゆく、誌のような文体。
    でも、ちゃんとストーリーは有るんです。

    不可解な点は多いです。
    世界観は非常に独特で、
    そもそも、物語の舞台がどこの国なのかもわからない。

    今読んでも、斬新すぎる。
    突きつけられる、余りあるイメージ。その鮮やかさに、ただただ感服するばかりです。

  • M.F.(Metyakutya Fushigi)な世界観というか、、、物悲しさを含んだ退廃的な気持ちを代弁するような、なんて客観的に思おうとしようものなら胸ぐら掴まれて「お前だってそうだろ?」と投げかけられそう。
    非現実な世界が展開しているのに想像が何故か難しくなく、リズム良く読めるのも気持ちがいい感じ。
    読中に母校の他学部で教授をされている事を知りました。講義受けてみたかった...

  • 詩のような小説。言葉が自由に跳ね回っていて、今まで読んだ小説と全く違う、不思議な体験をした。異世界に住む人々(+動物、その他)をユーモラスな文体で描いていて、コメディと思って読んでいると、思いがけない角度から寂しさや悲しさを引き出される。不思議で魅力的な作品。

  • 再読。何度読み返しても読むほどに心が切なくなる。これほど純粋な魂をつきつけられちゃうと汚れた自分が悲しくなる。死んじゃいたくなる。でも本当に大事なもの、たったひとつのものを守るためだけに生きていきたくなる。

  • だいぶ前に読了したもの。記録がどこかにいってしまった。
    リズムと世界観によって、なんともいえない気持ちになった。心地よかったことは確か。
    買おうと思った作品だった。

    解説の高橋源一郎の文体についての考察でなるほどって思った覚えがある。
    詩であり、描かれた時代が確かにあるものだと感じている。
    また読む。

  •  1982年、高橋 源一郎著。「わたし」を取り巻く超現実的な世界が、1ページに数文しか載っていなかったり、頻繁に行替えがあったりする独特な文体で語られる。「わたし」と家族の関係を描く第一部、詩の学校で「わたし」が様々な人の話を聞く第二部、ギャング達が本格的に動き出し「わたし」に接触してくる第三部。
     非常に不思議な小説だった。いや、これは小説というより詩なのだろうか。ただ、それだけだったら、意図してそのような構成にしたとも考えられ、似たような小説は他にもあるのかもしれない。おそらく、この小説がすごいのは、文章自体が含んでいる独特の「間」だろう。前の一文を書いた後、思考を一時中断し、時間を空けて次の一文を書いたのではないだろうかと思われるような「間」のある文章。結果、出てくる固有名詞はやたらポップなのに文章全体が不安定な雰囲気を醸し、脈絡のないストーリーにその不安定さがマッチして、読み終わると妙に悲しい気持ちになる。特に第一部の最後の方は他の小説では味わえない独特の悲しみを感じる。

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さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)の作品紹介

詩人の「わたし」と恋人の「S・B」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。

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