生家へ (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 101
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982574

作品紹介・あらすじ

生まれ育った生家へ、子どもの頃のままで帰りたい――戦時中、家の下に穴を掘り続けた退役軍人の父が、その後も無器用に居据っていたあの生家へ。世間になじめず、生きていることさえ恥ずかしく思う屈託した男が、生家に呪縛されながら、居場所を求めて放浪した青春の日々を、シュールレアリスム的な夢のイメージを交えながら回想する、連作11篇。虚実織り交ぜた独自の語りで、心弱き庶民の心情に迫った、戦後最後の無頼派の名作


生まれ育った生家へ、子どもの頃のままで帰りたい――戦時中、家の下に穴を掘り続けた退役軍人の父が、その後も無器用に居据っていたあの生家へ。世間になじめず、生きていることさえ恥ずかしく思う屈託した男が、生家に呪縛されながら、居場所を求めて放浪した青春の日々を、シュールレアリスム的な夢のイメージを交えながら回想する、連作11篇。書き留め続けた純粋な生の光景、虚実織り交ぜた独自の語りで、心弱き庶民の心情に迫った、戦後最後の無頼派の名作!

感想・レビュー・書評

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  • よくわからない部分もあったけど、不思議な味わいのある小説だったなぁ。

  • 文学

  • シュールすぎてチョットついていきづらい。父子の確執みたいなのもいまひとつピンとこないんだよね。

    ただ、それはそれで読ませるものはある。

  • 「屈託」は色川武大が作中よく用いる言葉だし、彼の文学をよく表していると思う。

    「屈託」意味―
    1 ある一つのことばかりが気にかかって他のことが手につかないこと。くよくよすること。
    2 疲れて飽きること。また、することもなく、退屈すること。

    例えば色川は頭のかたちが悪くて、子供のころでんぐり返しをこばんだというエピソードが出てくる。
    これも屈託、だけど他人には何のことやらわからない。
    だけでなく、自分自身だって何にこだわっているのかそれはわからないが、どうしてもこだわっているってなことがあると思う。

    こだわりと退屈という意味が同居しているのが、この言葉のおもしろいところだと思う。
    こだわりって実は退屈なことだ。家のなかにひたすら穴を掘ったところで、それでどうなるってもんじゃない。自分でも分かってる。でもそうせざるをえない。その予定調和が退屈だ。

    人のこだわりなど、他人からすればなおさら退屈なことにちがいない。「何をこだわっているんだ、こいつは」それは他人にはわかりっこないから、こだわりで来られると意思の疎通なんてできっこない。

  • 久しぶりに読んだけど、やはり色川先生は凄いです。昭和の湿った路地裏の泥道を転がり落ちるみたいな感じが大好き。

  • NHKでたまたま観て興味が沸きました。
    この暗い感じ、好きです。

  • 処女作『黒い布』も収録。『麻雀放浪記』のB面として読むと、倍コクがあります。

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