死霊(1) (講談社文芸文庫)

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著者 : 埴谷雄高
  • 講談社 (2003年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983212

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死霊(1) (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • なぜこの作品が日本文学史上で重要だとみなされたのか、むしろ当時の文壇の状況に関心が向いてしまう。
    各登場人物にそれぞれの思想を語らせているが、結局は一人作者の頭の中にある考えを分配しているだけだというのが透けて見える。そのせいで、独立した人格の衝突が引き起こすドラマという面白さは期待できない。個人の生きがいであれ、政治システムであれ、自分の独自性を主張したいが、考えを整理できない姿を、そのままさらけ出しているという印象だった。
    この『死霊』を一種の私小説だと考えてよければ、固定観念にとりつかれた人間の露悪趣味の作品として受容しておきたい。

    最後まで付き合うべきかどうか判断に迷う。

  • 初埴谷。ナニヲカイテイルノカマッタクワカラナイ。何となくドグマグに似てるような…。読み始めてから読了まで半年以上も掛かってしまった・・次巻にはいつ取り掛かれるのか不明だ——。

  • もちろんこの小説の存在はかなり昔から知っていたが、書店で見つけた「第8章」のハードカバー版を買い、そこだけ読んだこともある。
    戦後日本文学にとって重要な作品らしいが、吉本隆明さんなどによる辛辣な批評もあって、どうもいまだに「評価が定まった」とはいいがたい小説なのではないか。
    観念小説である。
    ドストエフスキーを参照しているだけあって、たくさんの人物がどんどん出てくるが、彼らの交わす会話はいきなり抽象的で、日常生活の次元からはあまりにもかけ離れている。
    この巻には1章から3章まで。
    この作品に出てくる若者達の年齢はよくわからないが、たぶん20歳台前半だろう。そんな青二才が、ずっと年かさの中年男に向かって観念論を吐きつける。しかも、中年男の方も、これをまともに受け取って互角に論選を始める。このへんがあまりにも嘘くさく、まるで自己陶酔したケツの青いガキが、偏りまくった観念論をそのまま「小説」にしてしまったかのような、つたないおさなさに近い面もあるだろう。
    ただ、幻想的な情景の設定など、ディテールはそうそう薄っぺらなものでもないようだ。
    ともあれ、続きを読んで様子を見てみる。

  • これをこの本棚に入れるか否か迷った。
    というのも足掛け六年、未だに自分はこの本を「読めていない」気がするのだ。手探りで読もうとすれば、たちまち掴んでいたものが消えてしまう感覚。あと何年かかることやら。

  • あまりにも有名な形而上小説。第1巻には1章〜3章を収録。
    登場人物が延々と討論を交わし続けるところは完全にドストエフスキーの影響下にある……というのもあまりにも有名な話かw

  • 読むのに二ヶ月くらいかかった。長いというか内容が頭に入らない。
    それはおいといて、
    つまるところ、これは所謂中学生が一度は夢想するような、
    世界はどのように生まれたのか?
    自分が寝ている間、世界は存在するのか?
    何のために生まれたのか?
    死とはどういうことなのか?
    そんな、簡単でありながら正しい答えなどないその問いに、正面から挑んだのがこの作品である。
    実際ストーリーなどあってないようなもので、殆どが登場人物の形而上学(この言葉、未だに正しい意味が分かってないんですが)的な会話のみで成立してると言っても差し支えない。

  • (1巻読了時点)
    物語そのものよりも登場人物たちの抽象的な「語り」に焦点を当てて描かれた「死霊」。おそらく一読して全てを了解できる読者はいないだろう。
    全体を通して暗く、起伏がない。語っている内容もどうして会話が通じているのかわからないほどに難解である。何の脈絡もなく突然始まる会話はとりとめもない抽象的な思考で、まさに垂れ流すように延々と続く。独特な意味付けがされた言葉が出てくるがその意味は説明されない。読みづらい。しかも物語との接点は薄い。1巻を読み終えた時点では登場人物たちの各思想はほとんど何の接点も持たずに突然現れて消えている。好きな人もいるかもしれないが私は読むのが苦痛だった。
    しかし、情景の描写は巧みで、映画を、それも映像美にとことんまでこだわった映画を見ているようで、惹きつけられた。
    …何というかバラバラの「語り」を物語でくっつけたようないびつな印象を受けた。
    ただ読みやすいのが良いわけではないがもう少し読者の方を向いてほしい。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)94
    日本文学
    個人的な思い入れもある一冊。

  • 僕の読書歴では、早すぎた本でした。もっと本を読んでから再挑戦したいです。

  • 2006年に全3巻読了し、
    一応、テキストファイルに読書メモを綴ったのだが、
    バックアップしないままPCがクラッシュしてパアになった……ので、
    ブクログを使い始めたとき、レビューを書こうにも、
    なぁぁぁ~んにも言葉が出てこなかった(泣)
    今更ではあるけど、やっと気が向いたので一言二言。
    とはいえ、難しいことはわからないので、
    哲学やら形而上学がどうこうってのは抜き。
    ある状況下の人間模様を描いた群像劇として“普通に”読んだ。
    1巻は登場人物のお披露目的な流れ。
    女性キャラは概ね聡明でしっかりしていて魅力的なんだけど、
    男どもは、なんつーか、ねぇ(笑)
    でも、掴みはOKな感じだったので1巻は☆4つ。

  • さっぱり分からん。

    いや、分かるんだけど、こんなに読者に不親切な小説もない。
    なぜこんなに七面倒な言い回しと言葉を多用するんだ!!

    自同律の不快と虚体について登場人物たちとその妄想が渦巻く不毛な論争のストーリーです。

    ストーリーといえるかどうか・・・・

    自同律とは「私が私であること」
    虚体とは「これまでに存在しなかったもの」「決してありえないもの」

    だそうです。

    読むのには相当の労力を要します。

  • 思ったよりずっと読みやすい

  • 神奈川などを舞台とした作品です。

  •  大まじめに読んでも、流して読んでも腹を抱えて笑える。いやらしいほど散りばめられたモチーフが、こんなにも面白さを生むのだとしたら、世にある娯楽小説のほとんどはこれに勝てない気がする。あっは! ぷふい!

  • 「唯一の自動力だから」

  • そうか、そうでした、太宰治や松本清張だけでなく、この埴谷雄高も、そして大岡昇平、それと我が敬愛する淀川長治、それから花田清輝、あるいは我が愛しのシモーヌ・ヴェイユも、まだまだ中島敦も、そして土門拳、それから田中絹代、それに益田喜頓、さらに野口久光、もう思い浮かびませんが、以上の方々も今年生誕100年です。埴谷雄高については、みな膨大な思い入れを持つというか幻想を抱くというか、過大な評価をしがちで、もしちょっとでも過小評価なんてしようものなら、罵声を浴びせかけられでもするんじゃないかと躊躇してしまいそうな、暗黙の賛美の形容詞で塗りたくった飛び切り高い評価基準が鎖のようにまとわりついている気がします。もちろん私も、嫌いな訳じゃあないのですが、お神輿を担ぐほどの思い入れはなく、単なるノスタルジーでなら多いに明快闊達にお喋りしますが。

  • 序文から第3章まで。以前読んだのは学生時代だから、30数年ぶりか。今の方が読んでいて面白い。第3章、黒川建吉と屋根裏の蝙蝠とのエピソードが心に残る。狂言回しとしての首猛夫に対するかすかな苛立ちなど、昔読んだ時の感情が蘇って来る。 423頁

  • 全三巻のはずですが…なぜか二巻までしかありません。

  • これから読もう

  • 俺にはまだまだまだまだ早い。

  • 20世紀最大の形而上小説
    何度、トライしても途中で挫折してしまう。

  • 作者が死ぬまで描き続けた傑作です。完結はできませんでしたが、インタビューによるネタバレが全集に掲載されています。

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死霊(1) (講談社文芸文庫)の作品紹介

晩夏酷暑の或る日、郊外の風癲病院の門をひとりの青年がくぐる。青年の名は三輪与志、当病院の若き精神病医と自己意識の飛躍をめぐって議論になり、真向う対立する。三輪与志の渇し求める"虚体"とは何か。三輪家四兄弟がそれぞれのめざす窮極の"革命"を語る『死霊』の世界。全宇宙における"存在"の秘密を生涯かけて追究した傑作。序曲にあたる一章から三章までを収録。日本文学大賞受賞。

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