神の道化師・媒妁人 (講談社文芸文庫)

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著者 : 椎名麟三
制作 : 井口 時男 
  • 講談社 (2005年1月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983946

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神の道化師・媒妁人 (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • 生きるために他人を踏みつけた選択の罪は許されるのか?
     
     「神の道化師」は自伝的小説。 主人公の順次は、天王寺の無料宿泊所、商店の小僧、出前持、コック見習いーと、当時の家出少年がたどったコースをたどる。順次は無料宿泊所で出会った乞食の善やんに親切にしてもらい、コック見習いにまでなれるが、衰弱しきった善やんが彼を頼って残り物を貰いに来た時、関係ないふうを装い、追い返してしまう。善やんが確実に白殺すると分かっていたのに…。
     椎名は「今まで自分は自分一人で生きていくためには他人を踏み付けても仕方がなかったのだと罪な行為を正当化していたが、今では自分がその行為へどんな意味をあたえようと、その行為を自分が選んだという罪は厳然とあるのだと理解し得るようになった」と書いている。
     この作品は、椎名の代表作「自由の彼方で」の続編として書かれたものである。題名は、「自由の彼方で」の最後の部分-「この救われがたい彼が、まるで神の道化師であったかのように、死んでも天国へ復活することになっていたのである」からきていることは間違いないだろう。
     とすれば、この作品は社会的制約のもとでは個人の罪は許されるのか、それとも自分が選んだという罪は厳然としてあるのか、という難解な問題を、あえて、読者に問うためにつけた題のように私は思う。

  • これを「傑作」といわずに、なんといおうか。中学のときにはまった山本有三の作品群に似た衝撃を受ける。短編6作品収録されているけども、遜色なくいずれも素晴らしい。

    なぜ椎名麟三は現代においてあまり読まれなくなってしまったんだろう?こんなに素晴らしいのに。。。

  • 椎名麟三の短編集。世間や社会、人間、孤独といったものを結構深く考えさせられる。昭和の戦中戦後の時代の雰囲気が感じられる。どの作品も読後感がなんともいえない味わいである。(rental)

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