魔法使いにお願い (講談社X文庫 78-21 ティーンズハート 運命のタロット 1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061986985

作品紹介・あらすじ

あたし、水元頼子。私立円海学園2年生。片桐先輩にあこがれて新聞部に入部したあたしは、その取材で、20年間も封鎖されている学校の資料館に入ったんだけど-。なんと、そこで、「魔法使い」のタロットカードに宿る大精霊に出会ってしまったの。どうやら、あたしが「魔法使い」にかけられていた封印を破ってしまったらしいんだけど、そのおかげで、あたしのまわりに次々ととんでもないことが起こりはじめたんだ。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ全24冊の最初です。
    最初は少女小説っぽいですが、だんだんSFになります。
    見事な伏線回収、名台詞、魅力的ななキャラ、引き込まれるストーリー。
    とっても面白いです。
    「幸せになりなさい」は今でも大好きです。

    コスプレもできそうなのに、時代が早すぎたこと。
    ティーンズハートだったので、マイナーなことが残念です。

  • ジャンルは「時間モノ」になるのでしょうか。
    中盤から 目次の各章のタイトルに 日付と時間が付記しています。
    女性ファンは「恋愛モノ」として楽しんでいるようです。
      僕は難しい事は抜きにしても、凄いワクワクしながら読んでいました。
    面白さの基準が、何回読み返せたか?という事ならば、このシリーズがダントツで一番でしょう!

     人は何故生まれてきて、何の為に生きているのでしょうか?
    誰しも一度は考えた事のある、この人類普遍の問いかけに対して、この作品は「幸せになる為!」と 胸を張って言い切っています。

     主人公の「水元頼子」は 私立円海学園に通う高校二年生で アニメ好きな女の子。
    新聞部の彼女は 取材中に《魔法使い》のタロットカードに宿る精霊の『協力者』になってしまいます。
     そして時間を行き来しながら、正しい歴史の流れを守る精霊達と、より良い歴史に変えようとする精霊達に別れた争いに巻き込まれていく。
     ある時は ツングースに落ちる隕石を食い止めようとして、上空何万キロメートルの 長く尾を引く流れ星の上で闘い、
    ある時は 香港の高層ビル群の上で、両の手に放電光を纏わせながら 夜の摩天楼で闘う。
     壮大なドラマではありますが、シーンの一つ一つが濃いのと、心理描写が巧みなので、遠くから眺めている感じではなく、その場に居合わせている臨場感があります。
    後、主人公がアニメオタクなので、同人誌即売会とか出てきて、そこで闘ったりもします。コスプレもしますよ。

     この作品に出てくる人達は 皆 自分の信念を貫く為に闘っているので、結末はいつもハッピーエンドという訳にはいきません。
     中には悲惨な結果に、幸せになった人なんて誰もいない未来を迎える闘いになったかもしれません。
     歴史を変える為に闘っている『プロメテウス』に属す《神の家》は言います。
    「一度でも歴史を変えることに成功すれば、何度でも[改変]は可能になる。 全てを、罪の無い者達が虐げられる歴史に塗り替えようという訳ではない。私は世を覆う悲惨さに涙するかもしれない。しかし、それは拭いえぬ涙ではないのだ」
     一方、歴史を守る為に闘う『ティターンズ』に属する水元頼子は、正しいと信じた歴史に裏切られて苦しみます。
    そんな頼子に、敵の筈の《女帝》が言います。
    「運命に負けないくらいに幸せになりなさい。この運命が決まっていたと言われて、嫌だと思うなら、絶対に負けないように幸せになるのよ。例え、他人から運命だと言われても、これは自分で選んだものだと言えるくらいに、絶対に幸せになるという意志を持って生きるのよ」

     第一部と第二部合わせて24巻。時間の流れを次々と移動しながら、戦って闘ってたたかい抜き、敵・味方共次々と倒されていく未来に、果たしてみんなが幸せになれる結末が待っているのでしょうか?
    そして長い争いの間に育っていった 恋や夢や憎悪は 何処に行き着くのでしょうか?
    答えはまだ出ていません。

     

  • 友達に借りて最近読みました。シリーズ13冊を読み終わって、即座に続編の「真タロ」に齧りつくくらいにはハマっています。このクオリティで打ち切りとは…
    文章が回りくどい事と、スロースタートであることを差し引いて☆は4つにしましたが、ストーリーがめちゃめちゃ面白い。完成度の高さと意外性を両立させる筆がお見事。運命決定論という題材を、真正面からガッツリ料理してる感じがいいです。《女帝》がすごく好き。

  • 電子書籍で復刊。紙の本で全巻持っていますが、大好きなので再度購入しました。
    文章が一人称でつづられていき、読んでいてちょっと恥ずかしくなるような文体で、今読むと古い感じも受けますが、シリーズを通した物語の面白さは色あせません。
    終盤はティーンズ小説とは全く思えない内容になっていたので、改めて最初を読むと新鮮。バシバシと貼っている伏線を、後々綺麗に回収しているのも凄い。最初からこういう話にするつもりだったんだなあと、驚きます。
    一巻だけでは序盤過ぎて、そこまでスケールの大きな話になるとは想像できないのが少しもったいないかも。
    続きも電子書籍化して欲しいです。

  • 何回目かの再読。
    現在はもう絶版とのことですが、この本と出合ったのは約10年前。真タロのイラストに惹かれて買ってみました。1巻はイラストが全く違うのでびっくりしましたがw
    20年前の作品とあって、文章がちょっとレトロ…な感じ?でしょうか。
    1巻は完全に序盤なのでいまいち盛り上がりに欠けます;

  • 本格的に本を読むと云う事を、教えてくれた一冊。
    シリーズで、伏線凄くて、読み応えバッチリ!
    最初はただのファンタジーかと思いきや、人間の内面とかがばっちりしっかり描かれていて、ハマる一冊です。

  • 確約された陰鬱な未来と、確約された愛する人の死。
    THだからって甘く見てはいけません。
    世界観は運命決定論という、厳しいもの。筆者の精緻な筆で書かれた伏線が素晴らしい。
    主人公が時には逃避しながら、時には果敢に立ち向かいながら懸命に生きている様が共感を誘います。
    どんどん引き込まれていく作品です。世界観が広がる作品です。
    私の人生観は多少なりともこの作品に影響されています。
    太くて読みにくいですが、読んで損はないです。

  • 面白いです。

  • 「運命のタロット」シリーズ(全13巻)の第1巻。
    本当は全巻登録しときたいところですが、とりあえず1巻だけ。

    【序盤・あらすじ】
    主人公はごく普通の高校生・水元頼子。所属する新聞部の取材で20年間閉鎖されていた学園の資料館へ行くことに。そこで頼子は、タロットカード《魔法使い》に宿る大精霊の封印を解いてしまう。彼の「協力者」とされてしまった頼子は次々とタロットの精霊たちによるフェーデと呼ばれる勝負に巻き込まれていく……。


     第1部は少女向けティーンズ小説のテイストが強いです。なので、前半はこそばゆく感じる場面も多々あるのですが、後半は精霊同士の争いが激化してくるので、ぐっとSFファンタジー色がつよくなります。
     アカシックレコードによってすべての運命が定められている、という前提の世界で、それを改変しようと試みる側と阻止する側の対立が主軸になってきます。色んな時間軸に物語が流れていって少々難解な部分もありますが、そこがまた面白いです。細々とした伏線もそこかしこに散りばめられていて、全部読んでからまた読み返したくなる衝動に駆られました。

     個人的に、最初から同社のホワイトハートレーベルから出ていれば、もっと人気出たんじゃないかと思わずにはいられません。そのくらいには良質な作品だと思います。

  • 読みづらい、と最初思った。それでも3冊はよめ! という命令があったため読んだ。
    これすげえ。伏線の回収とかめっちゃすげえ。ハマった。

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