tsutomu1958さんの感想
2016年1月16日
この作品は保坂氏のデビュー作。氏はこのデビュー作において、これからどのようなことを書いていくかを登場人物のゴンタに語らせているように想いました。それは、「映画とか小説とかでわかりやすくっていうか、だからドラマチックにしちゃってるような話と、全然違う話の中で生きてるっていうか、生きてるっていうのも大げさだから、『いる』っていうのがわかってくれればいいって」という部分です。市井の人々がごく平凡に暮らしているなかに、人の尊さや美しさや愛おしさを描こうと決心したように私は感じます。だから、私は氏の作品が好きです。
fukuさんの感想
2007年4月15日
ザ・純文学。文学界には、村上春樹も必要。保坂和志も必要。
1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。 「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」