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- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062054188
感想・レビュー・書評
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こ、これはないでしょ!と思わず叫んでしまった。
鎌倉の情緒たっぷりで花の描写も素晴らしく、人物の息遣いまでも
耳に残る素晴らしい作品…と堪能しながら読み進めていく中、
一人の人物が崩壊の道をたどっていく。
彼女の名は志津。重病の主人公、真也を献身的に支えているうちに、
自らの人生を棒に振ってしまう女性である。著者の悪意に満ち満ちた
キャラ設定に、憎しみを抱く実在モデルがいるのでは?などと考えてしまった。
殺人まで画策する歪んだ嫉妬心に、信じられない…と思うと同時に、
その心情が理解可能な自らの心に、恐怖をおぼえるのである。
若い二人には何の罪もないのに、なぜか彼らに対し苦い感情が
わいてくる。自分が彼らと同年代なら、間違いなく彼らの清らかさに
感激すると思う。
今の私の心には、狂気のまま置き去りにされた志津がまとわりついて離れない。
ホラーよりも怖い読後感だ。
落胆して★3つにしたかったが、夢中で読んだのを思い返し★1つ追加。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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